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レベル28 娼婦見習カナミ 非処女 黒シルクの寝具 鈍く光るイヤリング 折れた癒しの杖 ステ:独善 隠れM 暗所恐怖症 金78000JEM
歓楽街オータムカンバス編①「変えられていく身体」微Ⓗ(ペッティング、放尿)
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「タクヤ。昨晩のことはごめんなさい……。みっともない姿を見せちゃって」
『気にするな。お前も辛い思いをしたんだ。しばらくは身体を休めて……』
「悪いけどそれはできないわ。あたし、考えたの。魔王は倒すのは無理だけど、空間転移魔法は買えるんじゃないかって」
『買うって言っても正確な金額は分からないし、そもそもその魔法が本当に存在するのかも分からないんだぞ』
「分からないなら調べるしかないじゃない。オータムカンバスは、世界各国の人間が出入りする最大の歓楽街らしいわ。そこで情報を集めればきっと……」
『ちょ、ちょっと待てよ。それじゃお前、本当に娼婦として働こうって言うのか? そ、そんなこと俺は――』
「分かってちょうだい。あたしが元の世界に帰ることができるかもしれない方法はこれしかないの。あたし、絶対にタクヤのもとに帰るから」
元の世界に帰る。そう強く宣言されれば、俺はそれ以上何も言えなくなってしまう。でも――。
(カナミってこんなに積極的だったっけ? 前はもっとこう、引っ込み思案で俺の後ろをついてくるような子だったはず……)
俺は、カナミの表情や性格に変化が表れ始めているのを薄々と感じ取っていた。
「じゃあ、あたしは洋裁店に行って服を見てくる。タクヤは学園の帰りにバイトだったよね? 夜になったらまた戻ってきて」
『わ、分かった。くれぐれも気を付けてくれよ』
「ありがとう」
そう。今日は学園の帰りにアルバイトがある日。
正直、こんな状況と精神状態でファミレスのキッチンが勤められるのか気が気じゃなかったが、案の定オーダーやマニュアルを間違えたりして店長にこっぴどく叱られてしまった。
でもこれもカナミのため。そしてまた次の機会、監視カメラやマイクが求められても良いように、と言う俺自身のためでもあったのだ――。
◇◆◇
その日の夜十一時半。
「タクヤ、待ってたのよ。どう? これ」
垢ぬけた服……とでも言うのか、やたら肌色率の高い、胸元がぱっくりと開いた黒いシルクのネグリジェをまとったカナミ。
いくらなんでも、あんな露出の多い服を着ていたら襲ってくれと言っているようなものだ。
聖職者としてあまりにかけ離れたカッコウに、お世辞にも似合っているとは言えなかった俺は、ただ相槌を打ってごまかした。
「これとミンクのコートを買ったら、マチルダさんがおまけにってアクセサリーもプレゼントしてくれたの。あ、あの汚れたバレッタは処分してもらったから」
「え……? あれは俺が苦労して買った――」
「ん? なんか言った?」
「い、いや」
「それより見て? ほらほら」
カナミがターンするたび、鈍く光るイヤリング。
不思議と吸い込まれてしまうような妖しい魅力がある品だ。
「で、でも本当にオータムカンバスに行くのか? 危険だし、罠かも……」
「まだそんなこと言ってるの? あたしの意志は変わらないわ」
「う……」
もはや苛立ちすら滲ませるその表情は、俺が今までで見たこともないもの。
確実に進んでいる彼女の性長に恐ろしさすら覚えた俺は、ただ唇を噛み締めることしかできなかった――。
◇◆◇
メデオラ内部、街外れの空き地には豪華なつくりの馬車が用意されていた。
カナミが近づくと、中からベルーガが姿を現す。
「本当に来たのか」
「はい。よろしくお願いします」
「ふむ。衣服だけじゃなく、髪や身体もしっかりとケアしてきたようだな。女としてますます磨きがかかったじゃねぇか」
「あ、ありがとうございますご主人様っ♥」
「とにかく馬車に乗れ。オータムカンバスへの到着は明け方を予定している。今のうちに眠っておけ」
「分かりました……」
慣れない異世界での生活ですっかり身体は疲れ切っていたのだろう。
心地よい馬車の振動が、すぐにカナミの意識をまどろみの中へといざなっていった――。
……と、ここまではいい。
『お、おい! あのヤロウ、寝てるカナミになにちょっかいを出してやがるんだ!!』
こともあろうか、隣に腰かけたベルーガがカナミのコートを脱がし、胸や秘部に指を滑らせ愛撫を始めているではないか!
『俺がその場にいればぶっ飛ばしてやるところなのに、クソッ! このハゲが!』
指の動きは徐々に激しさを増し、やがて狭い馬車内には甘ったるい喘ぎが溢れるようになる。
「ぁっ♥ ぅぅんッ……。ら、らめッ。そんなところ触っちゃダメぇ……。ぃっ、ひゃッ、ふっ、ぅくぅんんっ……」
「くくっ。見れば見るほど、触れば触るほどエロい身体だ。眠りながらもしっかりと女を意識してやがる」
「きゃぁぁんッ! 指、気持ち、ぃぃッ♥ 強く擦られると、子宮がきゅんきゅんってしちゃって……あたし、もうこのままじゃあ……」
「夢の中でもセックスか。もうコイツの頭の中はピンク色に染まっているんだろう。こうなったら寝ても覚めても、ちんぽのことしか考えられない身体に調教してやらなきゃな」
「ぃッ、きひっ、くひぃ゛ぃ゛ん! おまんこ、こしこしっ、おっぱい、ぐにぐにイイのっ♥」
「まんこもいい具合に蒸れてきたな。あー、すげぇメス臭。このまま睡姦してぇ」
くちゅくちゅと中指が膣内を行き来するたび、じゅんじゅんと面白いくらいに愛液がこぼれ落ちる。
「ぁっぁっぁ、ひゃぁッ……もうらめッ! 出ちゃうっ、出ちゃうのっっ――ハッ!?」
ペッティングが荒々しくなり過ぎたのか、カナミはついに目を覚ます。
そして自分が置かれている状況に頭がついていかないまま、ビンカンになった身体だけがビクビクと躍動し――。
ぷしゃああああああっっっ!!!
「ぃ、ぃゃぁぁっっ!!」
「おほっ。お前、こんなところでなに漏らしてんだよ」
「で、出たぁ、出ちゃったっ……。あたし、ご主人様の前でなんてみっともない真似を……ぁぁんっ、止まっへ……止まってよぉぉッッ♥」
カナミの願いに反して大きくアーチを描く黄金水はとどまることを知らず、勢いがなくなったのはそれから数秒経ってのことだった。
「ったく、この馬車新調したばっかなんだぞ。罰として、今からたっぷりとお仕置きしてやらなきゃなぁ」
「お、お仕置き……?」
「おい。なに嬉しそうな顔してんだ。まぁ、ドマゾのお前にとっちゃご褒美とも言えるかもしれんがな」
「は、はひぃっ。申し訳ありませんご主人様っ。あたし、お仕置きでもなんでも受けましゅぅ……うふふふッ♥」
放尿の快感で身体全体が緩み切ったカナミは、表情もまた媚びるような蕩け顔になる。
『く、クソッ! カナミのヤツなんて表情してるんだ……。でも、おしっこを漏らすところなんて初めて見たからめちゃくちゃ興奮したな。やべぇ、勃ってきやがった』
いつしか俺の感情はベルーガに対する怒りよりも、カナミの放尿シーンへの興奮の方が勝ってしまっていた――。
◇◆◇
「着いたぞ。ここがオータムカンバスだ」
「ちょ、ちょっと待ってくだしゃぃっ……。あたし、まだ足が……」
結局、朝方まで馬車の中で濃厚なお仕置きセックスを受けていたカナミは、目的地までたどり着くまで一睡もすることはなかった。
未だ膣内に残る精液の感覚と、ふわふわとした思考に身体がついていかず、足がもつれてしまう。
「しかたねぇな。ほら肩を貸してやるから」
「す、すみません……。あっ」
「歓楽街と聞いて、もっと賑やかな場所だと思ったか?」
「え、ええ」
多くの建物が立ち並び、広く大きなところであることには間違いないが、周囲はひっそりとしておりまったく活気が感じられない。
「ここは典型的な夜の街だからな。朝方はみんな寝ていて閑散としてるのさ。お前もさすがに眠くなってきただろ?」
「は、はい……ぁふっ、ふわぁぁ」
「これからお前の職場兼寝床に案内してやる」
ベルーガに連れられ、街の中心部にあるひと際巨大な館に入るカナミ。
「うわぁ……」
外観が豪華なら内観も負けていない。
フロアの天井にはところどころにシャンデリアが飾られ煌びやかな空間を演出。床は大理石、壁紙も黄金の羽をモチーフにしたゴージャス仕様で、とにかく贅の限りを尽くした雰囲気だ。
「声も出ないほどにすげぇだろ」
「……こく」
「お前の部屋は三階の端っこにある。新人はだいたい隅って相場が決まってるんだよ」
「は、はぁ」
「部屋の場所も広さも稼ぎによって決まってくるからな。少しでもいい環境になりたいって思うなら、とにかく客に気に入られる努力をしろよ」
「分かりました……」
迷路のような館内をひたすらに歩きやがてたどり着いた一室。
扉にはツバキと書かれたプレートが掲げられている。
「入れ」
「こ、この部屋……」
「ん? 不満か?」
「い、いえ。そうじゃないんです」
さすが娼婦の館。
照明やら壁紙やらベッドやらが淡いピンク色で統一され、甘ったるい匂いも漂う部屋にいるだけで何だかエッチな気分になってくる。
「夜になったら仕事の開始だ。それまでにしっかり身体を休めて身なりを整えておけ。後で食事も手配してやるからな」
「ありがとうございます……」
ベルーガはカナミにそう忠告した後、別の仕事があるとかで出て行った。
つまり室内にはカナミと、モニター越しに彼女を見守る俺だけと言うことになる。
『か、カナミ。お前、馬車で……』
「ごめんなさい。それ以上言わないで。あたしもまさかおしっこを漏らすなんて思わなかったから……」
『いや、違うんだ。その後だよ。ベルーガとどうして成り行きのまま……その、シちゃったんだよ。嫌じゃないのか!?』
「ちょっと。ベルーガなんて気安く呼ばないで!! あの方はあたしのご主人様なんだから。いくらタクヤでも許さないわよ?」
『ご、ごめん。そういうつもりじゃあ』
「とにかく、ここでしっかりお金を稼いで情報を得るわ。期待しておいて」
幼馴染がこれから娼婦として働こうって言うのに、どう期待しろと言うのか。
それとも――。
犯されるところをたっぷりと拝ませてやるからオカズに期待しろ、と言う意味なのか。
どちらにしろ俺の心の中にも、次はどんな淫らな行為や顔を見せてくれるのか……そんな後ろ暗い期待も確かに存在し始めているのであった――。
『気にするな。お前も辛い思いをしたんだ。しばらくは身体を休めて……』
「悪いけどそれはできないわ。あたし、考えたの。魔王は倒すのは無理だけど、空間転移魔法は買えるんじゃないかって」
『買うって言っても正確な金額は分からないし、そもそもその魔法が本当に存在するのかも分からないんだぞ』
「分からないなら調べるしかないじゃない。オータムカンバスは、世界各国の人間が出入りする最大の歓楽街らしいわ。そこで情報を集めればきっと……」
『ちょ、ちょっと待てよ。それじゃお前、本当に娼婦として働こうって言うのか? そ、そんなこと俺は――』
「分かってちょうだい。あたしが元の世界に帰ることができるかもしれない方法はこれしかないの。あたし、絶対にタクヤのもとに帰るから」
元の世界に帰る。そう強く宣言されれば、俺はそれ以上何も言えなくなってしまう。でも――。
(カナミってこんなに積極的だったっけ? 前はもっとこう、引っ込み思案で俺の後ろをついてくるような子だったはず……)
俺は、カナミの表情や性格に変化が表れ始めているのを薄々と感じ取っていた。
「じゃあ、あたしは洋裁店に行って服を見てくる。タクヤは学園の帰りにバイトだったよね? 夜になったらまた戻ってきて」
『わ、分かった。くれぐれも気を付けてくれよ』
「ありがとう」
そう。今日は学園の帰りにアルバイトがある日。
正直、こんな状況と精神状態でファミレスのキッチンが勤められるのか気が気じゃなかったが、案の定オーダーやマニュアルを間違えたりして店長にこっぴどく叱られてしまった。
でもこれもカナミのため。そしてまた次の機会、監視カメラやマイクが求められても良いように、と言う俺自身のためでもあったのだ――。
◇◆◇
その日の夜十一時半。
「タクヤ、待ってたのよ。どう? これ」
垢ぬけた服……とでも言うのか、やたら肌色率の高い、胸元がぱっくりと開いた黒いシルクのネグリジェをまとったカナミ。
いくらなんでも、あんな露出の多い服を着ていたら襲ってくれと言っているようなものだ。
聖職者としてあまりにかけ離れたカッコウに、お世辞にも似合っているとは言えなかった俺は、ただ相槌を打ってごまかした。
「これとミンクのコートを買ったら、マチルダさんがおまけにってアクセサリーもプレゼントしてくれたの。あ、あの汚れたバレッタは処分してもらったから」
「え……? あれは俺が苦労して買った――」
「ん? なんか言った?」
「い、いや」
「それより見て? ほらほら」
カナミがターンするたび、鈍く光るイヤリング。
不思議と吸い込まれてしまうような妖しい魅力がある品だ。
「で、でも本当にオータムカンバスに行くのか? 危険だし、罠かも……」
「まだそんなこと言ってるの? あたしの意志は変わらないわ」
「う……」
もはや苛立ちすら滲ませるその表情は、俺が今までで見たこともないもの。
確実に進んでいる彼女の性長に恐ろしさすら覚えた俺は、ただ唇を噛み締めることしかできなかった――。
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メデオラ内部、街外れの空き地には豪華なつくりの馬車が用意されていた。
カナミが近づくと、中からベルーガが姿を現す。
「本当に来たのか」
「はい。よろしくお願いします」
「ふむ。衣服だけじゃなく、髪や身体もしっかりとケアしてきたようだな。女としてますます磨きがかかったじゃねぇか」
「あ、ありがとうございますご主人様っ♥」
「とにかく馬車に乗れ。オータムカンバスへの到着は明け方を予定している。今のうちに眠っておけ」
「分かりました……」
慣れない異世界での生活ですっかり身体は疲れ切っていたのだろう。
心地よい馬車の振動が、すぐにカナミの意識をまどろみの中へといざなっていった――。
……と、ここまではいい。
『お、おい! あのヤロウ、寝てるカナミになにちょっかいを出してやがるんだ!!』
こともあろうか、隣に腰かけたベルーガがカナミのコートを脱がし、胸や秘部に指を滑らせ愛撫を始めているではないか!
『俺がその場にいればぶっ飛ばしてやるところなのに、クソッ! このハゲが!』
指の動きは徐々に激しさを増し、やがて狭い馬車内には甘ったるい喘ぎが溢れるようになる。
「ぁっ♥ ぅぅんッ……。ら、らめッ。そんなところ触っちゃダメぇ……。ぃっ、ひゃッ、ふっ、ぅくぅんんっ……」
「くくっ。見れば見るほど、触れば触るほどエロい身体だ。眠りながらもしっかりと女を意識してやがる」
「きゃぁぁんッ! 指、気持ち、ぃぃッ♥ 強く擦られると、子宮がきゅんきゅんってしちゃって……あたし、もうこのままじゃあ……」
「夢の中でもセックスか。もうコイツの頭の中はピンク色に染まっているんだろう。こうなったら寝ても覚めても、ちんぽのことしか考えられない身体に調教してやらなきゃな」
「ぃッ、きひっ、くひぃ゛ぃ゛ん! おまんこ、こしこしっ、おっぱい、ぐにぐにイイのっ♥」
「まんこもいい具合に蒸れてきたな。あー、すげぇメス臭。このまま睡姦してぇ」
くちゅくちゅと中指が膣内を行き来するたび、じゅんじゅんと面白いくらいに愛液がこぼれ落ちる。
「ぁっぁっぁ、ひゃぁッ……もうらめッ! 出ちゃうっ、出ちゃうのっっ――ハッ!?」
ペッティングが荒々しくなり過ぎたのか、カナミはついに目を覚ます。
そして自分が置かれている状況に頭がついていかないまま、ビンカンになった身体だけがビクビクと躍動し――。
ぷしゃああああああっっっ!!!
「ぃ、ぃゃぁぁっっ!!」
「おほっ。お前、こんなところでなに漏らしてんだよ」
「で、出たぁ、出ちゃったっ……。あたし、ご主人様の前でなんてみっともない真似を……ぁぁんっ、止まっへ……止まってよぉぉッッ♥」
カナミの願いに反して大きくアーチを描く黄金水はとどまることを知らず、勢いがなくなったのはそれから数秒経ってのことだった。
「ったく、この馬車新調したばっかなんだぞ。罰として、今からたっぷりとお仕置きしてやらなきゃなぁ」
「お、お仕置き……?」
「おい。なに嬉しそうな顔してんだ。まぁ、ドマゾのお前にとっちゃご褒美とも言えるかもしれんがな」
「は、はひぃっ。申し訳ありませんご主人様っ。あたし、お仕置きでもなんでも受けましゅぅ……うふふふッ♥」
放尿の快感で身体全体が緩み切ったカナミは、表情もまた媚びるような蕩け顔になる。
『く、クソッ! カナミのヤツなんて表情してるんだ……。でも、おしっこを漏らすところなんて初めて見たからめちゃくちゃ興奮したな。やべぇ、勃ってきやがった』
いつしか俺の感情はベルーガに対する怒りよりも、カナミの放尿シーンへの興奮の方が勝ってしまっていた――。
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「着いたぞ。ここがオータムカンバスだ」
「ちょ、ちょっと待ってくだしゃぃっ……。あたし、まだ足が……」
結局、朝方まで馬車の中で濃厚なお仕置きセックスを受けていたカナミは、目的地までたどり着くまで一睡もすることはなかった。
未だ膣内に残る精液の感覚と、ふわふわとした思考に身体がついていかず、足がもつれてしまう。
「しかたねぇな。ほら肩を貸してやるから」
「す、すみません……。あっ」
「歓楽街と聞いて、もっと賑やかな場所だと思ったか?」
「え、ええ」
多くの建物が立ち並び、広く大きなところであることには間違いないが、周囲はひっそりとしておりまったく活気が感じられない。
「ここは典型的な夜の街だからな。朝方はみんな寝ていて閑散としてるのさ。お前もさすがに眠くなってきただろ?」
「は、はい……ぁふっ、ふわぁぁ」
「これからお前の職場兼寝床に案内してやる」
ベルーガに連れられ、街の中心部にあるひと際巨大な館に入るカナミ。
「うわぁ……」
外観が豪華なら内観も負けていない。
フロアの天井にはところどころにシャンデリアが飾られ煌びやかな空間を演出。床は大理石、壁紙も黄金の羽をモチーフにしたゴージャス仕様で、とにかく贅の限りを尽くした雰囲気だ。
「声も出ないほどにすげぇだろ」
「……こく」
「お前の部屋は三階の端っこにある。新人はだいたい隅って相場が決まってるんだよ」
「は、はぁ」
「部屋の場所も広さも稼ぎによって決まってくるからな。少しでもいい環境になりたいって思うなら、とにかく客に気に入られる努力をしろよ」
「分かりました……」
迷路のような館内をひたすらに歩きやがてたどり着いた一室。
扉にはツバキと書かれたプレートが掲げられている。
「入れ」
「こ、この部屋……」
「ん? 不満か?」
「い、いえ。そうじゃないんです」
さすが娼婦の館。
照明やら壁紙やらベッドやらが淡いピンク色で統一され、甘ったるい匂いも漂う部屋にいるだけで何だかエッチな気分になってくる。
「夜になったら仕事の開始だ。それまでにしっかり身体を休めて身なりを整えておけ。後で食事も手配してやるからな」
「ありがとうございます……」
ベルーガはカナミにそう忠告した後、別の仕事があるとかで出て行った。
つまり室内にはカナミと、モニター越しに彼女を見守る俺だけと言うことになる。
『か、カナミ。お前、馬車で……』
「ごめんなさい。それ以上言わないで。あたしもまさかおしっこを漏らすなんて思わなかったから……」
『いや、違うんだ。その後だよ。ベルーガとどうして成り行きのまま……その、シちゃったんだよ。嫌じゃないのか!?』
「ちょっと。ベルーガなんて気安く呼ばないで!! あの方はあたしのご主人様なんだから。いくらタクヤでも許さないわよ?」
『ご、ごめん。そういうつもりじゃあ』
「とにかく、ここでしっかりお金を稼いで情報を得るわ。期待しておいて」
幼馴染がこれから娼婦として働こうって言うのに、どう期待しろと言うのか。
それとも――。
犯されるところをたっぷりと拝ませてやるからオカズに期待しろ、と言う意味なのか。
どちらにしろ俺の心の中にも、次はどんな淫らな行為や顔を見せてくれるのか……そんな後ろ暗い期待も確かに存在し始めているのであった――。
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