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第二十九話 強者の集い
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一角鯨を討伐したことで、デッキには和やかな雰囲気が漂っている。協力して強いモンスターを倒したので僕は達成感を感じていた。
消滅した七人のプレイヤーも街には帰還することはなく船内で復活出来たみたいだ。
「お疲れ!」
僕はツキナたちに挨拶をする。アサガオはトモの背中でまだ眠っているようだ。
「お疲れ!」
僕の言葉にツキナたちは喜びをほほに浮かべながら返してくれた。
「ヒビト! さっきの攻撃の威力、凄かったな!」
トモは僕が一角鯨のHPを大きく減らし、有名になってしまった時の話題に触れてきた。
「ありがとう!」
僕はトモにお礼を言う。
「ギルドって何だ?」
僕は他のプレイヤーが口にしていたギルドという言葉の意味が分からなかったので、ツキナたちに質問する。質問に答えてくれたのはツキナだった。
「ギルドと言うのはプレイヤー同士のグループのことよ!」
「なるほど……! パーティーと何が違うの?」
「ギルドは一個の団体のことで、パーティーは一時的なグループみたいな感じだわ!」
「要するにギルドは学校でパーティーは遊び友達みたいな感じか……ギルド作りたいな……」
「そんな感じね! 近いうちにギルド作りましょ!」
「おう!」
近いうちにギルドを作る約束をした。メンバーは今のところツキナ、トモ、リリ、アサガオの予定だ。しばらくツキナたちと話していると周囲のプレイヤーの視線が僕たちに集まるのを感じた。
一角鯨を討伐している最中に目立った僕たちが仲良く話しているからだ。嫌な予感がする……。
一秒後、僕の嫌な予感は的中することになる。周囲のプレイヤーが一斉に僕たちのもとに駆け寄ってきて、囲まれてしまったのだ。
槍使いの男性
「俺たちのギルドに入ってくれ!」
片手剣使いの男性
「いやいや! 俺のギルドに入ってくれ!」
弓使いの女性
「私たちのギルドに入ってください!」
短剣使いの女性
「私のギルドに入って!」
僕たちは逃げようにも逃げることができず、サンドウィッチ状態になってしまう。トモの背中にいるアサガオも苦しくて起きてしまった。
「誘いはありがたいのですが……このメンバーでギルドを作るつもりなので、入ることはできません。すいません……」
僕は早くこの状況を逃れたいという気持ちを込めて断りの言葉を言う。だが状況は悪化してしまう。
槍使いの男性
「作る前に入ってくれ!」
片手剣使いの男性
「お願いだぁぁぁ! 入ってくれ!」
弓使いの女性
「私たちのギルドは戦力不足だから、お願いします!」
短剣使いの女性
「私たちのギルドも戦力不足! お願い!」
僕は断っても一歩も引かないプレイヤーたちに全身の筋肉がぶちのめされたように疲れを感じていた。スキャンダルを起こした有名人もこんな気持ちなのかな……。ツキナたちも疲労している様子だ。
「やめてやれよ! 疲れているだろ!」
僕たちに救いの手を差し伸べてくれたのは、リュウガだった。リュウガの言葉で周りが見えなくなっていたプレイヤーたちが謝罪をして離れていく。
「ありがとう……」
僕はリュウガにお礼を言う。ツキナたちも続けてお礼を言った。
「どういたしまして! ギルドを作るんだっけ?」
「そのつもりだけど……」
「そうか……俺のギルドに誘うつもりだったけど、無理そうだな……」
「ごめん……」
「気にしてないからいいよ! ただ交流だけはしたいから飯には行こうな!」
「仲間も一緒にいいか?」
「もちろん!」
リュウガは非常に話しやすい雰囲気を出していた。やっぱりリュウガには人を惹きつける力がある気がする。軽い自己紹介を終えて、リュウガを含め六人で話していると周囲のプレイヤーが再びざわつき始める。
両手剣使いの男性
「龍帝のリュウガと対等に話しているぞ!」
片手剣使いの女性
「本当ね! あの人達ギルド作ると言ってなかったっけ?」
槍使いの女性
「言ってた言ってた! ギルドの名前は《強者の集い》でいいと思わない?」
槍使いの男性
「いいと思う! あのパーティー全員強いし! それにあの生産職のプレイヤーもオリジナルアイテムばっかり作って俺たちを援護してくれていたしな!」
槍使いの女性
「そうね!」
僕は他のプレイヤーたちの言葉を聞き、(強者の集いか良い響きだな)と心の中で思っていた。
そうこうしているうちに船は街に到着した。
「やっと終わった!」
僕は歓声を上げる。
「早速、天魔浄玉を届けに行こうよ!」
リリがそう言うので、リュウガにご飯を後回しにしていいかを確認してオッケーが出たので、リュウガも一緒に天魔浄玉を届けに行くことになった。
クエストを受けたNPCの家族の家に着き、インターホンを鳴らさずに中に入っていく。そしてリリは天魔浄玉をNPCの家族に渡す。リュウガも手に入れていた天魔浄玉を渡す。
「ありがとうございます冒険者様!」
NPCの父はお礼を言う。
「これで私たちは救われます!」
NPCの父がそう言うと、クリア報酬が送られた。クリア報酬は経験値にゴールド。そしてパーティーメンバーとギルドメンバーの全ステータスが10%アップするものだった。パーティー推奨クエストだったので、この報酬になるのも納得だ。天魔浄玉の階級によって上昇率が変わるのだろう。
パーティー推奨のクエストに一人で参加するなんてリュウガはどれだけの強さを持っているのだろうか……。
【レベルが56になりました‼︎】
「レベルも上がったし、後でステ振りをしないと……」
僕は誰にも聞こえない声で呟く。
「みんな! 見て見て!」
リリが僕たちに弾んだ声で言ってくるので、顔を向ける。すると頭に洞窟探索をする時に使うようなゴーグル。そして鍛冶屋が使うような服を身につけたリリの姿があった。
「それは何だ?」
「えへへ! これはユニークシリーズの装備で、金屋シリーズよ!」
リリは顔一面に満悦らしい笑みを浮かべる。リリがこのクエストで最難関の天魔浄玉を手に入れたかった理由がようやく分かった。
ツキナたちに金屋シリーズが手に入ったか聞いてみたが、手に入ってないと言っておりリリだけが獲得条件を満たしていたようだ。
「もしかして、ヒビトたちのパーティーは全員、ユニークシリーズ持ちなのか?」
リュウガは目を白黒させながら、そんなことを言ってくる。
「多分……」
アサガオのクノー装備がユニークシリーズかどうか分からなかったので、自信を持って言うことができなかった。
「そうなのか! 強敵が増えるな! 楽しみだ!」
リュウガはなんだか嬉しそうな表情をしている。僕たちは天魔浄玉を届けに行った後に飯屋に行って、リュウガにご飯を奢ってもらい、フレンド交換をした。
リュウガと別れた後、現実時間が四時を回っていたのでログアウトすることになった。ログアウトする場所はいつもの宿ではなく、リリ武具店のプライベート空間だ。僕たちは現実世界に戻っていく。
僕たちが現実世界に戻った頃、ネットで《強者の集い》のメンバーの話で盛り上がっており、ゲームをしているプレイヤーがこれから僕たちのパーティーを《強者の集い》という呼ぶようになるのだった。
消滅した七人のプレイヤーも街には帰還することはなく船内で復活出来たみたいだ。
「お疲れ!」
僕はツキナたちに挨拶をする。アサガオはトモの背中でまだ眠っているようだ。
「お疲れ!」
僕の言葉にツキナたちは喜びをほほに浮かべながら返してくれた。
「ヒビト! さっきの攻撃の威力、凄かったな!」
トモは僕が一角鯨のHPを大きく減らし、有名になってしまった時の話題に触れてきた。
「ありがとう!」
僕はトモにお礼を言う。
「ギルドって何だ?」
僕は他のプレイヤーが口にしていたギルドという言葉の意味が分からなかったので、ツキナたちに質問する。質問に答えてくれたのはツキナだった。
「ギルドと言うのはプレイヤー同士のグループのことよ!」
「なるほど……! パーティーと何が違うの?」
「ギルドは一個の団体のことで、パーティーは一時的なグループみたいな感じだわ!」
「要するにギルドは学校でパーティーは遊び友達みたいな感じか……ギルド作りたいな……」
「そんな感じね! 近いうちにギルド作りましょ!」
「おう!」
近いうちにギルドを作る約束をした。メンバーは今のところツキナ、トモ、リリ、アサガオの予定だ。しばらくツキナたちと話していると周囲のプレイヤーの視線が僕たちに集まるのを感じた。
一角鯨を討伐している最中に目立った僕たちが仲良く話しているからだ。嫌な予感がする……。
一秒後、僕の嫌な予感は的中することになる。周囲のプレイヤーが一斉に僕たちのもとに駆け寄ってきて、囲まれてしまったのだ。
槍使いの男性
「俺たちのギルドに入ってくれ!」
片手剣使いの男性
「いやいや! 俺のギルドに入ってくれ!」
弓使いの女性
「私たちのギルドに入ってください!」
短剣使いの女性
「私のギルドに入って!」
僕たちは逃げようにも逃げることができず、サンドウィッチ状態になってしまう。トモの背中にいるアサガオも苦しくて起きてしまった。
「誘いはありがたいのですが……このメンバーでギルドを作るつもりなので、入ることはできません。すいません……」
僕は早くこの状況を逃れたいという気持ちを込めて断りの言葉を言う。だが状況は悪化してしまう。
槍使いの男性
「作る前に入ってくれ!」
片手剣使いの男性
「お願いだぁぁぁ! 入ってくれ!」
弓使いの女性
「私たちのギルドは戦力不足だから、お願いします!」
短剣使いの女性
「私たちのギルドも戦力不足! お願い!」
僕は断っても一歩も引かないプレイヤーたちに全身の筋肉がぶちのめされたように疲れを感じていた。スキャンダルを起こした有名人もこんな気持ちなのかな……。ツキナたちも疲労している様子だ。
「やめてやれよ! 疲れているだろ!」
僕たちに救いの手を差し伸べてくれたのは、リュウガだった。リュウガの言葉で周りが見えなくなっていたプレイヤーたちが謝罪をして離れていく。
「ありがとう……」
僕はリュウガにお礼を言う。ツキナたちも続けてお礼を言った。
「どういたしまして! ギルドを作るんだっけ?」
「そのつもりだけど……」
「そうか……俺のギルドに誘うつもりだったけど、無理そうだな……」
「ごめん……」
「気にしてないからいいよ! ただ交流だけはしたいから飯には行こうな!」
「仲間も一緒にいいか?」
「もちろん!」
リュウガは非常に話しやすい雰囲気を出していた。やっぱりリュウガには人を惹きつける力がある気がする。軽い自己紹介を終えて、リュウガを含め六人で話していると周囲のプレイヤーが再びざわつき始める。
両手剣使いの男性
「龍帝のリュウガと対等に話しているぞ!」
片手剣使いの女性
「本当ね! あの人達ギルド作ると言ってなかったっけ?」
槍使いの女性
「言ってた言ってた! ギルドの名前は《強者の集い》でいいと思わない?」
槍使いの男性
「いいと思う! あのパーティー全員強いし! それにあの生産職のプレイヤーもオリジナルアイテムばっかり作って俺たちを援護してくれていたしな!」
槍使いの女性
「そうね!」
僕は他のプレイヤーたちの言葉を聞き、(強者の集いか良い響きだな)と心の中で思っていた。
そうこうしているうちに船は街に到着した。
「やっと終わった!」
僕は歓声を上げる。
「早速、天魔浄玉を届けに行こうよ!」
リリがそう言うので、リュウガにご飯を後回しにしていいかを確認してオッケーが出たので、リュウガも一緒に天魔浄玉を届けに行くことになった。
クエストを受けたNPCの家族の家に着き、インターホンを鳴らさずに中に入っていく。そしてリリは天魔浄玉をNPCの家族に渡す。リュウガも手に入れていた天魔浄玉を渡す。
「ありがとうございます冒険者様!」
NPCの父はお礼を言う。
「これで私たちは救われます!」
NPCの父がそう言うと、クリア報酬が送られた。クリア報酬は経験値にゴールド。そしてパーティーメンバーとギルドメンバーの全ステータスが10%アップするものだった。パーティー推奨クエストだったので、この報酬になるのも納得だ。天魔浄玉の階級によって上昇率が変わるのだろう。
パーティー推奨のクエストに一人で参加するなんてリュウガはどれだけの強さを持っているのだろうか……。
【レベルが56になりました‼︎】
「レベルも上がったし、後でステ振りをしないと……」
僕は誰にも聞こえない声で呟く。
「みんな! 見て見て!」
リリが僕たちに弾んだ声で言ってくるので、顔を向ける。すると頭に洞窟探索をする時に使うようなゴーグル。そして鍛冶屋が使うような服を身につけたリリの姿があった。
「それは何だ?」
「えへへ! これはユニークシリーズの装備で、金屋シリーズよ!」
リリは顔一面に満悦らしい笑みを浮かべる。リリがこのクエストで最難関の天魔浄玉を手に入れたかった理由がようやく分かった。
ツキナたちに金屋シリーズが手に入ったか聞いてみたが、手に入ってないと言っておりリリだけが獲得条件を満たしていたようだ。
「もしかして、ヒビトたちのパーティーは全員、ユニークシリーズ持ちなのか?」
リュウガは目を白黒させながら、そんなことを言ってくる。
「多分……」
アサガオのクノー装備がユニークシリーズかどうか分からなかったので、自信を持って言うことができなかった。
「そうなのか! 強敵が増えるな! 楽しみだ!」
リュウガはなんだか嬉しそうな表情をしている。僕たちは天魔浄玉を届けに行った後に飯屋に行って、リュウガにご飯を奢ってもらい、フレンド交換をした。
リュウガと別れた後、現実時間が四時を回っていたのでログアウトすることになった。ログアウトする場所はいつもの宿ではなく、リリ武具店のプライベート空間だ。僕たちは現実世界に戻っていく。
僕たちが現実世界に戻った頃、ネットで《強者の集い》のメンバーの話で盛り上がっており、ゲームをしているプレイヤーがこれから僕たちのパーティーを《強者の集い》という呼ぶようになるのだった。
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