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第二十八話 一角鯨討伐戦後編
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海の中に潜った一角鯨は再び海上に姿を現す。一角鯨は水弾を作り出し、船に乗っているプレイヤーを攻撃してくる。
船には多重構造のシールドが張られているので、簡単にはダメージは入らない。そして攻撃が止んだら遠距離攻撃で一角鯨を攻撃するという作業を繰り返していた。
一角鯨のHPは今や八十万の半分、四十万まで減っている。やっとここまで来たという感じだ。
「大技が来るかもしれない! 警戒してくれ!」
浮かれているプレイヤーたちにリュウガは注意喚起を促す。その言葉でプレイヤーたちの気が引き締まる。
「ホエェェェェェェルォォォォォォォ!」
一角鯨は鳴きながら、立派な角を天に向ける。一角鯨が角を天に向けると海上に巨大竜巻が出現し、こちらに向かってくる。
「おいおいおい! マジかよ!」
片手剣使いの男性プレイヤーが度肝を抜かれているようだ。竜巻は真っ直ぐ船に向かってきて、上空に打ち上げる。その時、竜巻の影響で船が回転する。プレイヤーを船から落とすのが目的なようだ。シールドを張っていても自らの意思で出ることは可能なので、何かに捕まっていないと落下してしまい、竜巻の餌食になってしまう。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「絶対振り落とされるなよ!」
リュウガの掛け声でプレイヤーたちは物にしがみつく。数秒経っても巨大竜巻は消えなかった。誰が一角鯨に攻撃しないと止まらないようだ。
「お兄ちゃん! 私が一角鯨に攻撃してくるね!」
僕が必死に物にしがみ付いているとアサガオの声が耳に入ってきた。僕はアサガオの方に顔を向ける。するとアサガオは物に掴まっておらず、立っている。装備もクノーみたいな格好になっており、髪を後ろで一つ結びにしているようだ。
「おう! 行ってこい!」
「うん!」
トモはすでにアサガオがクノー装備を持っているのを知っていたらしく、全く驚いていない様子だ。アサガオは船から飛び降りる。物に必死にしがみついているプレイヤーたちは目を丸くしている。
「変わり身‼︎」
アサガオは身代わりを出現させ、竜巻の壁を抜ける。そして海上を走り、一角鯨に向かって行く。その光景を見たプレイヤーたちは驚いてのどが塞がって何も言うことができない様子だ。僕も開いた口が塞がらない。
「分身‼︎」
アサガオが二十人に増える。
「起爆クナイ‼︎」
二十人のアサガオが一斉にクナイを投擲する。クナイにはお札みたいなものが付いている。クナイは全て一角鯨に刺さり大爆発を起こす。
「ホエェェェェェルォォォォォォォ!」
一角鯨は悲鳴をあげながら怯む。一角鯨が怯んだことで竜巻は治まり船が海上に戻る。
船が海上に戻った瞬間、周囲がざわつき始める。
斧使いの女性
「あの子、強くない?」
槍使いの男性
「強いな!」
弓使いの女性
「狩人シリーズを装備している人と知り合いみたいだよ!」
杖使いの男性
「マジで? あのパーティー最強やん!」
槍使いの男性
「絶対、ギルドに引き込まないとな!」
杖使いの女性
「賛成! 賛成! さっき物凄い威力を出した人も来て欲しいわ!」
弓使いの男性
「そうだな! ギルド、《龍帝》のリュウガに取られないといいけど……」
アサガオの攻撃はまだ終わっていない。二十人のアサガオは一角鯨の角を囲むように一斉にジャンプする。
「雷撃‼︎」
アサガオは二本の短剣に雷を纏わせ、二十人同時に右から左に短剣を振る。そのまま体を一回転させて手の甲を角の方に向け、右から左にもう一方の短剣を振る。そして一角鯨の角から雷が発生した。一角鯨の角にヒビが入る。
アサガオは攻撃した後、すぐに船に戻る。アサガオは充電が切れてしまったみたいで、トモの背中で眠ってしまった。トモは優しくアサガオの頭を撫でていた。
片手剣使いの女性
「あの人たち兄弟なの?」
両手剣使いの男性
「顔も似てないし、違うでしょ!」
片手剣使いの女性
「やっぱりそうだよね! あの子がめっちゃ懐いているから勘違いしちゃった!」
「ホエェェェェェェルォォォォォォォォ!」
憤激の雄叫びを上げる。
一角鯨は角を光らせ、ブレスを発射してきた。船に多重構造シールドを張るが、貫通攻撃付きみたいでブレスに当たった七人のプレイヤーが一撃で消滅する。それを見た周りのプレイヤーたちは動揺している。
「大丈夫だ! 冷静になれば回避できる!」
リュウガは動揺しているプレイヤーたちを落ち着かせるために言葉をかける。
ブレスは三段階に分けて発射された。リュウガの言葉で落ち着きを取り戻したプレイヤーたちは冷静にブレスを回避した。そのあとも一角鯨への攻撃は続いた。
「角を折に行く! 誰か手を貸してくれ!」
「私がやるわ!」
リュウガの呼びかけにツキナが答える。
「ツキナが手伝ってくれるのか! 心強い頼む!」
「任せて!」
ツキナは月虹玉花から冷気を排出する。
「銀世界《シルバー》!」
ツキナは海を凍らせ、一角鯨までの道を作った。
「ありがとう!」
リュウガはツキナにお礼を言って氷の道を走って進んでいく。
「炎龍奥義!」
リュウガが叫ぶと背後から炎龍が出現する。リュウガはそのまま角までジャンプをする。
「火之迦具土《ヒノカグヅチ》!」
大剣を振り落とすと、背後に出現した炎龍が炎を纏いながら角にダイブする。ドラゴンダイブを受けた一角鯨の立派な角は根本から折れた。
「ホエェェェェェェルォォォォォォォォ!」
一角鯨は空気が張り裂けるような悲鳴を上げる。角は一角鯨の弱点だったみたいなので、HPが大幅に減少して十万以下になった。
「畳かげるぞ!」
「おー!」
遠距離武器をメインで使っているプレイヤーは船の上から、近接武器を使っている人はツキナが作り出した氷の上を走って接近する。
「オラァァァァァ‼︎」
プレイヤーたちは自分が今持っている最大威力のスキルを一角鯨にぶつける。僕はSTRアップのスキルを発動して、【雪月花】をぶつけた。八十万あったHPは遂にゼロになり、一角鯨は消滅した。
「一角鯨の討伐、ご苦労様でした! あと十分ほどで街に着きます! 楽しんでください!」
船内アナウンスが流れ、目の前にはクエストクリアと表示されていた。
【レベルが55になりました‼︎ レアアイテム、一角鯨の天を貫く角を手に入れました‼︎】
久しぶりにレアアイテムをゲットした。僕は早速、一角鯨の天を貫く角をタップする。
【一角鯨の天を貫く角、武器のスロットに装備した際、貫通攻撃のスキルを付与する】
「よし! 貫通攻撃来た!」
僕は嬉しくて飛び回りたくなったが、他のプレイヤーもいるので必死に感情を抑える。僕はすぐに【神角】を武器のスロットから外して、【一角鯨の天を貫く角】を装着した。
「うおっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
至る所から嵐のような歓声が響き渡る。プレイヤーたちは船のデッキに再び戻って、ギルドの勧誘やフレンド交換、パーティー招待などを始めた。
僕はツキナやトモたちのもとに向かって歩いていく。
船には多重構造のシールドが張られているので、簡単にはダメージは入らない。そして攻撃が止んだら遠距離攻撃で一角鯨を攻撃するという作業を繰り返していた。
一角鯨のHPは今や八十万の半分、四十万まで減っている。やっとここまで来たという感じだ。
「大技が来るかもしれない! 警戒してくれ!」
浮かれているプレイヤーたちにリュウガは注意喚起を促す。その言葉でプレイヤーたちの気が引き締まる。
「ホエェェェェェェルォォォォォォォ!」
一角鯨は鳴きながら、立派な角を天に向ける。一角鯨が角を天に向けると海上に巨大竜巻が出現し、こちらに向かってくる。
「おいおいおい! マジかよ!」
片手剣使いの男性プレイヤーが度肝を抜かれているようだ。竜巻は真っ直ぐ船に向かってきて、上空に打ち上げる。その時、竜巻の影響で船が回転する。プレイヤーを船から落とすのが目的なようだ。シールドを張っていても自らの意思で出ることは可能なので、何かに捕まっていないと落下してしまい、竜巻の餌食になってしまう。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「絶対振り落とされるなよ!」
リュウガの掛け声でプレイヤーたちは物にしがみつく。数秒経っても巨大竜巻は消えなかった。誰が一角鯨に攻撃しないと止まらないようだ。
「お兄ちゃん! 私が一角鯨に攻撃してくるね!」
僕が必死に物にしがみ付いているとアサガオの声が耳に入ってきた。僕はアサガオの方に顔を向ける。するとアサガオは物に掴まっておらず、立っている。装備もクノーみたいな格好になっており、髪を後ろで一つ結びにしているようだ。
「おう! 行ってこい!」
「うん!」
トモはすでにアサガオがクノー装備を持っているのを知っていたらしく、全く驚いていない様子だ。アサガオは船から飛び降りる。物に必死にしがみついているプレイヤーたちは目を丸くしている。
「変わり身‼︎」
アサガオは身代わりを出現させ、竜巻の壁を抜ける。そして海上を走り、一角鯨に向かって行く。その光景を見たプレイヤーたちは驚いてのどが塞がって何も言うことができない様子だ。僕も開いた口が塞がらない。
「分身‼︎」
アサガオが二十人に増える。
「起爆クナイ‼︎」
二十人のアサガオが一斉にクナイを投擲する。クナイにはお札みたいなものが付いている。クナイは全て一角鯨に刺さり大爆発を起こす。
「ホエェェェェェルォォォォォォォ!」
一角鯨は悲鳴をあげながら怯む。一角鯨が怯んだことで竜巻は治まり船が海上に戻る。
船が海上に戻った瞬間、周囲がざわつき始める。
斧使いの女性
「あの子、強くない?」
槍使いの男性
「強いな!」
弓使いの女性
「狩人シリーズを装備している人と知り合いみたいだよ!」
杖使いの男性
「マジで? あのパーティー最強やん!」
槍使いの男性
「絶対、ギルドに引き込まないとな!」
杖使いの女性
「賛成! 賛成! さっき物凄い威力を出した人も来て欲しいわ!」
弓使いの男性
「そうだな! ギルド、《龍帝》のリュウガに取られないといいけど……」
アサガオの攻撃はまだ終わっていない。二十人のアサガオは一角鯨の角を囲むように一斉にジャンプする。
「雷撃‼︎」
アサガオは二本の短剣に雷を纏わせ、二十人同時に右から左に短剣を振る。そのまま体を一回転させて手の甲を角の方に向け、右から左にもう一方の短剣を振る。そして一角鯨の角から雷が発生した。一角鯨の角にヒビが入る。
アサガオは攻撃した後、すぐに船に戻る。アサガオは充電が切れてしまったみたいで、トモの背中で眠ってしまった。トモは優しくアサガオの頭を撫でていた。
片手剣使いの女性
「あの人たち兄弟なの?」
両手剣使いの男性
「顔も似てないし、違うでしょ!」
片手剣使いの女性
「やっぱりそうだよね! あの子がめっちゃ懐いているから勘違いしちゃった!」
「ホエェェェェェェルォォォォォォォォ!」
憤激の雄叫びを上げる。
一角鯨は角を光らせ、ブレスを発射してきた。船に多重構造シールドを張るが、貫通攻撃付きみたいでブレスに当たった七人のプレイヤーが一撃で消滅する。それを見た周りのプレイヤーたちは動揺している。
「大丈夫だ! 冷静になれば回避できる!」
リュウガは動揺しているプレイヤーたちを落ち着かせるために言葉をかける。
ブレスは三段階に分けて発射された。リュウガの言葉で落ち着きを取り戻したプレイヤーたちは冷静にブレスを回避した。そのあとも一角鯨への攻撃は続いた。
「角を折に行く! 誰か手を貸してくれ!」
「私がやるわ!」
リュウガの呼びかけにツキナが答える。
「ツキナが手伝ってくれるのか! 心強い頼む!」
「任せて!」
ツキナは月虹玉花から冷気を排出する。
「銀世界《シルバー》!」
ツキナは海を凍らせ、一角鯨までの道を作った。
「ありがとう!」
リュウガはツキナにお礼を言って氷の道を走って進んでいく。
「炎龍奥義!」
リュウガが叫ぶと背後から炎龍が出現する。リュウガはそのまま角までジャンプをする。
「火之迦具土《ヒノカグヅチ》!」
大剣を振り落とすと、背後に出現した炎龍が炎を纏いながら角にダイブする。ドラゴンダイブを受けた一角鯨の立派な角は根本から折れた。
「ホエェェェェェェルォォォォォォォォ!」
一角鯨は空気が張り裂けるような悲鳴を上げる。角は一角鯨の弱点だったみたいなので、HPが大幅に減少して十万以下になった。
「畳かげるぞ!」
「おー!」
遠距離武器をメインで使っているプレイヤーは船の上から、近接武器を使っている人はツキナが作り出した氷の上を走って接近する。
「オラァァァァァ‼︎」
プレイヤーたちは自分が今持っている最大威力のスキルを一角鯨にぶつける。僕はSTRアップのスキルを発動して、【雪月花】をぶつけた。八十万あったHPは遂にゼロになり、一角鯨は消滅した。
「一角鯨の討伐、ご苦労様でした! あと十分ほどで街に着きます! 楽しんでください!」
船内アナウンスが流れ、目の前にはクエストクリアと表示されていた。
【レベルが55になりました‼︎ レアアイテム、一角鯨の天を貫く角を手に入れました‼︎】
久しぶりにレアアイテムをゲットした。僕は早速、一角鯨の天を貫く角をタップする。
【一角鯨の天を貫く角、武器のスロットに装備した際、貫通攻撃のスキルを付与する】
「よし! 貫通攻撃来た!」
僕は嬉しくて飛び回りたくなったが、他のプレイヤーもいるので必死に感情を抑える。僕はすぐに【神角】を武器のスロットから外して、【一角鯨の天を貫く角】を装着した。
「うおっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
至る所から嵐のような歓声が響き渡る。プレイヤーたちは船のデッキに再び戻って、ギルドの勧誘やフレンド交換、パーティー招待などを始めた。
僕はツキナやトモたちのもとに向かって歩いていく。
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