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第二話 初対面
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林について行くと、こんどは小会議室的な場所に通された、美術さんが作ったであろう小道具が乱雑に置かれている。
「では、もう少ししましたらゲスト顔合わせを行いますので、大変申し訳ありませんがもう少々お待ちください」
というと、林はまた足早に消えてしまった。
椅子に座り、ぼーっと机の上のスケジュール表を眺めていると、突然部屋のドアが開き、二人組が入ってきた。
「こんにちは、COMの坂本と和泉です、本日は共演させていただきます。よろしくお願いします」
話題のイケメンダンスユニットであるCOMの2人だ。
「コンポーザーの宮下仁と申します、こちらこそよろしくお願いします」
俺もすかさず挨拶を返した。
その後も、ぞろぞろと人が入ってきて、挨拶の大渋滞が起きた。無事消化し終わった時、
ドアがそ~っと開いて、隙間から顔が出た。
「すいま、、せん、遅れました」
怜ちゃんだ。俺の鼓動がどんどん早くなる。
怜ちゃん、れいちゃん、れいちゃ…
俺の脳がまた処理落ちしそうになる。
目の前にずっと前から推していた女性がいるなんて興奮以外の何ものでもない。
「宮島怜です、遅れてしまってすいません、今日はよろしくお願いします」
怜は若干恥ずかしそうにしながら、笑顔で会釈した。
「では、全員揃ったので、打ち合わせしちゃいます、まずは…」
林が進行で打ち合わせが始まった。
しかし目の前に推しがいるという興奮を抑えることなんか出来るわけがない、俺は話を聞きつつも、バレないようにちらちら怜の方を見ていた。
整った目鼻立ち、ツルツルのお肌、サラサラの髪…
かわいいいいいいいい。
非の打ち所がない。粗探しなど出来るはずがない。ああ神はどうして1人の人間にいくつも能力を与えてしまうのであろう。人生は不平等の極みだな。と勝手に落ち込んでいる時、打ち合わせは終わった。
「では、今からスタジオの方に移動しますので、エレベーターで16階に上がってください、皆さん、本日はよろしくお願いします」
林が大きな声で指示を出すと、皆ゾロゾロと立ち上がって部屋を出た。
エレベータホールでエレベーターに乗り込もうとした時、人数オーバーでアラームが鳴ってしまった。
「すいません、後ろの2人の方、悪いんですけど、次で行ってもらっていいですか?」
林が申し訳なさそうに言った。
俺と怜が最後の2人だったので、エレベーターから降りた。
先発のエレベーターが行くと、俺はすかさず上行きのボタンを押した。
「あ、ありがとうございます」
怜がこちらを見てニコッとした。
「い、いえ」
目の前の推しをまじまじと見つめると本当に気絶しそうなので、あえて怜の顔を見ないようにして言った。
エレベータホールに沈黙が訪れる。
「宮下さんは初収録ですか??」
怜が言った。
「あ、初めてです」
急に話しかけられ、びっくりして、俺は消え入りそうな声で答えた。
聞こえたかな、今の、、。
いや、そんなことはどうでもいいんだ、なんか話さなきゃ、なんか、、、
と、再び沈黙が訪れそうになった時、
ーー上へ参りますーー
絶妙なタイミングでエレベーターがやってきた。
沈黙が崩れた安堵と、怜と話したかったけど無理だったという落胆が同時にやってきた。
俺はエレベーターに乗り込み、すかさず16のボタンを押す。
「ありがとうございます」
怜がニコッとして俺を見た。
俺が怜の方を見ようとしないので、怜は不思議そうな顔をしてエレベーターに乗り込んだ。
本当ならば、「いえ、レディーファーストですから」という最高にクサイ台詞でも出てきたらいいのだが、この短時間で数回も笑顔攻撃を喰らった俺はもうKO寸前だ。それどころではない。
エレベーターが16階に着くと、俺はすかさず開くボタンを押した。
「ありがとうございます。今日はよろしくお願いしますね」
怜はとどめの笑顔を見せると、スタジオの中に消えた。
俺も怜の後を追ってスタジオに入った。
「では、もう少ししましたらゲスト顔合わせを行いますので、大変申し訳ありませんがもう少々お待ちください」
というと、林はまた足早に消えてしまった。
椅子に座り、ぼーっと机の上のスケジュール表を眺めていると、突然部屋のドアが開き、二人組が入ってきた。
「こんにちは、COMの坂本と和泉です、本日は共演させていただきます。よろしくお願いします」
話題のイケメンダンスユニットであるCOMの2人だ。
「コンポーザーの宮下仁と申します、こちらこそよろしくお願いします」
俺もすかさず挨拶を返した。
その後も、ぞろぞろと人が入ってきて、挨拶の大渋滞が起きた。無事消化し終わった時、
ドアがそ~っと開いて、隙間から顔が出た。
「すいま、、せん、遅れました」
怜ちゃんだ。俺の鼓動がどんどん早くなる。
怜ちゃん、れいちゃん、れいちゃ…
俺の脳がまた処理落ちしそうになる。
目の前にずっと前から推していた女性がいるなんて興奮以外の何ものでもない。
「宮島怜です、遅れてしまってすいません、今日はよろしくお願いします」
怜は若干恥ずかしそうにしながら、笑顔で会釈した。
「では、全員揃ったので、打ち合わせしちゃいます、まずは…」
林が進行で打ち合わせが始まった。
しかし目の前に推しがいるという興奮を抑えることなんか出来るわけがない、俺は話を聞きつつも、バレないようにちらちら怜の方を見ていた。
整った目鼻立ち、ツルツルのお肌、サラサラの髪…
かわいいいいいいいい。
非の打ち所がない。粗探しなど出来るはずがない。ああ神はどうして1人の人間にいくつも能力を与えてしまうのであろう。人生は不平等の極みだな。と勝手に落ち込んでいる時、打ち合わせは終わった。
「では、今からスタジオの方に移動しますので、エレベーターで16階に上がってください、皆さん、本日はよろしくお願いします」
林が大きな声で指示を出すと、皆ゾロゾロと立ち上がって部屋を出た。
エレベータホールでエレベーターに乗り込もうとした時、人数オーバーでアラームが鳴ってしまった。
「すいません、後ろの2人の方、悪いんですけど、次で行ってもらっていいですか?」
林が申し訳なさそうに言った。
俺と怜が最後の2人だったので、エレベーターから降りた。
先発のエレベーターが行くと、俺はすかさず上行きのボタンを押した。
「あ、ありがとうございます」
怜がこちらを見てニコッとした。
「い、いえ」
目の前の推しをまじまじと見つめると本当に気絶しそうなので、あえて怜の顔を見ないようにして言った。
エレベータホールに沈黙が訪れる。
「宮下さんは初収録ですか??」
怜が言った。
「あ、初めてです」
急に話しかけられ、びっくりして、俺は消え入りそうな声で答えた。
聞こえたかな、今の、、。
いや、そんなことはどうでもいいんだ、なんか話さなきゃ、なんか、、、
と、再び沈黙が訪れそうになった時、
ーー上へ参りますーー
絶妙なタイミングでエレベーターがやってきた。
沈黙が崩れた安堵と、怜と話したかったけど無理だったという落胆が同時にやってきた。
俺はエレベーターに乗り込み、すかさず16のボタンを押す。
「ありがとうございます」
怜がニコッとして俺を見た。
俺が怜の方を見ようとしないので、怜は不思議そうな顔をしてエレベーターに乗り込んだ。
本当ならば、「いえ、レディーファーストですから」という最高にクサイ台詞でも出てきたらいいのだが、この短時間で数回も笑顔攻撃を喰らった俺はもうKO寸前だ。それどころではない。
エレベーターが16階に着くと、俺はすかさず開くボタンを押した。
「ありがとうございます。今日はよろしくお願いしますね」
怜はとどめの笑顔を見せると、スタジオの中に消えた。
俺も怜の後を追ってスタジオに入った。
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