【R18G】門地旅館

黄泉坂羅刹

文字の大きさ
上 下
3 / 8
序章 門地旅館篇

被虐異能

しおりを挟む
16時過ぎ、大型のバスが2台、旅館の前に停車する。
中からは11、12歳くらいの少女達が、バスから降りると同時に身体を伸ばす。
降りて来るのは当然女子児童のみ、男子児童の方は旅館に向かっている。
少子高齢化が進んでいるとは言え、その人数は安定の4クラス分で40人超えである。
入り口前で班ごとに並ぶと、それから3人の少女達が旅館の中から出迎える。

「いらっしゃいませ、門地旅館へようこそ。私は若女将を勤めてます、美月と申します。この子達は皆さんと同じ歳の右月、左月、同じく若女将でございます」
「「ようこそ。何か有りましたら何なりとお申し付けくださいませ」」

双子の息ピッタリのお辞儀に、同じ性別である彼女達も見蕩れていた。
美月は余りにも綺麗で美しく、双子は余りにも可愛く、見蕩れる児童達は既に色めき立っていた。

「先ず皆様、各自お部屋に荷物を置き、その足で当館自慢の露天風呂へお願いします」
「お風呂で汗と疲れを取って、旅館着に着替えた後は大広間へ」
「豪勢なご馳走を用意しておりますので、班毎にお待ち下さいませ」

注意を一通り終えた三人は、後は教職員に任せて持ち場へと戻る。
17時入浴、18時夜食、19時自由時間、20時就寝。
1時間刻みのスケジュールで、早い就寝時間はきっと守られないだろう。
それを逆手に取った、門地旅館の噂話が真しやかに囁かれる。

なぜ噂が必要なのか、彼女達をただ恐怖に陥れ存在を消すだけならば必要が無いだろう。
しかしそれには理由がある。
地獄の門は大なり小なり罪を犯した者が裁かれる場所である。逆を言えば、罪なき少女を罰することは出来ない。
噂には必ず「やってはいけないこと」が含まれる。それを「解った上でやっている」のであれば、それは罪だ。
罪には罰が必要で、その罰の大きさは
逆に言えば、先程の彼女達がそうであるように、のである。
彼女達の存在が何者かは分からないが、彼女達が地獄に携わり餓鬼を操り(或いは呼び出し)、無垢で無知な少女達を地獄へ墜とす事には変わりが無かった。

部屋に荷物を置いた少女達は、その足で露天風呂へと移動する。
まだ未成熟な裸体を洗い、湯で身体を温める。
旅館着に身を纏い、着替えを部屋に仕舞うと、パタパタと大広間へスリッパの音を響かせる。
入り口でスリッパを脱いで広間に上がり、畳の上を裸足で歩き、所定の位置に敷かれた座布団に正座や足を崩してその場に座る。
まだ純真無垢な少女達の中に、胡坐で座る人間はそう多くは無い。
その為誰もが足の裏を通路に向けて、隣の子達と談笑をする。

「女の子の生足、素足の裏、何とも言え無い極楽浄土……」
否々いやいや、地獄に墜とすのに、右月が極楽行って如何するの……」
「でもしかしだよ? 下半身はTHE性感帯でしょ」
「胸・腋・首・腰……特に胸や腋を観られるのは恥、即ち恥とは性感帯を指す」
「……相変わらず謎の理論ね」
「裸足は私達も成ってる。併し、胸は晒さない。其れに羞恥こそ、如何わしい」
「貴女達、足フェチ談義と羞恥プレイ談義は夜にして、今は仕事に戻りなさい」
「「はい、御姉様」」

美月の呆れ口調に二人は慌てて持場に戻る。
彼女達も仕事に対して有能且つ真面目では有るが、に思わずをしてしまうのは仕方が無い事だろう。
注意こそすれ、美月も夜の為に品定めをしていた。
純真無垢で未だ苦労も知らない彼女達の内、、誰が良く喘ぐか、誰が寄り絶望するか。



美月が旅館の地下に燭台しょくだいを持って降りると、地下には一人の少女が拘束されていた。
痩せ細った身体を全裸にされた少女は、頭上に腕を上げられて、中腰の状態で髪の毛に両手両足を拘束されていた。
目にも髪で目隠しれており、口にはボールギャグ、股には貞操帯がされ、股を擦り合わせながら微かに滴る尿に素足を濡らしていた。
そんな少女の頬を2,3度平手で打ち付けると、微かに動く顔を上げる。
髪の毛が一気に解けて地面に吸い込まれると、少女は自ら猿轡と貞操帯を外して、顔を染めながら上目遣いに美月を見上げる。

「えっと、あの、ごめんなさい……。お仕事……ですか……?」
「そうです。早くトイレと風呂を浴び、準備しなさい」
「ごめんなさい……。直ぐ準備します……」
薄鈍うすのろ何ですから、早目にして下さい。本当に使え無いですね。早々に見捨てて代わりを用意した方が良いでしょうか?」
「あぅ……。役立たずでごめんなさい……。ごめんなさい……」
「全く……。縛月はづき、好い加減準備をして下さい、本当に」
「あ、ごめんなさい……」

傍に有るで美月に見られたまま、和式のトイレで用を足す。
一般的には余り知られていないが、和式は通常扉側、即ち手前側を向いて行う(奥に向いてしている方も多いが、様式と向く方向は同じである)。
その為、顔を赤く染めて視線を反らしながら、縛月は胸や股、放尿を美月に晒して用をする。
次に、反対側にある風呂場にも裸の儘、扉も無く大きな排水溝の上に立ってシャワーを浴びる。
通常の人には排水溝の鉄格子が足に刺さって痛いだろうが、縛月は何事も無くシャワーを浴びていた。
縛月も白装束に着替えると、そのまま一緒に上に上って、大広間に顔を出す。
それからは美月、右月、左月と共に、彼女も又、

縛月、彼女も又、地獄に携わる若女将の一人である。
臆病な性格ではあるが、その性格に似付かない被虐嗜好体質保持者である。
そんな彼女は、髪を操り束縛・切断・操作が可能な異能を有していた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おねしょ合宿の秘密

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
おねしょが治らない10人の中高生の少女10人の治療合宿を通じての友情を描く

夜の森と小さな勇気

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
小6の結衣(ゆい)は林間学校の肝試しで恐怖のあまり失禁してしまう そしてその夜におねしょまでしてしまい……

夜のしずく

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
小6の莉子(りこ)は修学旅行でおねしょをしてしまう。 そしてそのショックでおねしょを頻繁にするようになってしまい……

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

女子切腹同好会

しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。 はたして、彼女の行き着く先は・・・。 この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。 また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。 マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。 世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。

処理中です...