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序章 門地旅館篇
被虐異能
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16時過ぎ、大型のバスが2台、旅館の前に停車する。
中からは11、12歳くらいの少女達が、バスから降りると同時に身体を伸ばす。
降りて来るのは当然女子児童のみ、男子児童の方は普通の旅館に向かっている。
少子高齢化が進んでいるとは言え、その人数は安定の4クラス分で40人超えである。
入り口前で班ごとに並ぶと、それから3人の少女達が旅館の中から出迎える。
「いらっしゃいませ、門地旅館へようこそ。私は若女将を勤めてます、美月と申します。この子達は皆さんと同じ歳の右月、左月、同じく若女将でございます」
「「ようこそ。何か有りましたら何なりとお申し付けくださいませ」」
双子の息ピッタリのお辞儀に、同じ性別である彼女達も見蕩れていた。
美月は余りにも綺麗で美しく、双子は余りにも可愛く、見蕩れる児童達は既に色めき立っていた。
「先ず皆様、各自お部屋に荷物を置き、その足で当館自慢の露天風呂へお願いします」
「お風呂で汗と疲れを取って、旅館着に着替えた後は大広間へ」
「豪勢なご馳走を用意しておりますので、班毎にお待ち下さいませ」
注意を一通り終えた三人は、後は教職員に任せて持ち場へと戻る。
17時入浴、18時夜食、19時自由時間、20時就寝。
1時間刻みのスケジュールで、早い就寝時間はきっと守られないだろう。
それを逆手に取った、門地旅館の噂話が真しやかに囁かれる。
なぜ噂が必要なのか、彼女達をただ恐怖に陥れ存在を消すだけならば必要が無いだろう。
しかしそれには理由がある。
地獄の門は大なり小なり罪を犯した者が裁かれる場所である。逆を言えば、罪なき少女を罰することは出来ない。
噂には必ず「やってはいけないこと」が含まれる。それを「解った上でやっている」のであれば、それは罪だ。
罪には罰が必要で、その罰の大きさは地獄に行った後に決められる。
逆に言えば、先程の彼女達がそうであるように、地獄に行くまでは計算されないのである。
彼女達の存在が何者かは分からないが、彼女達が地獄に携わり餓鬼を操り(或いは呼び出し)、無垢で無知な少女達を地獄へ墜とす事には変わりが無かった。
部屋に荷物を置いた少女達は、その足で露天風呂へと移動する。
まだ未成熟な裸体を洗い、湯で身体を温める。
旅館着に身を纏い、着替えを部屋に仕舞うと、パタパタと大広間へスリッパの音を響かせる。
入り口でスリッパを脱いで広間に上がり、畳の上を裸足で歩き、所定の位置に敷かれた座布団に正座や足を崩してその場に座る。
まだ純真無垢な少女達の中に、胡坐で座る人間はそう多くは無い。
その為誰もが足の裏を通路に向けて、隣の子達と談笑をする。
「女の子の生足、素足の裏、何とも言え無い極楽浄土……」
「否々、地獄に墜とすのに、右月が極楽行って如何するの……」
「でも併しだよ? 下半身はTHE性感帯でしょ」
「胸・腋・首・腰……特に胸や腋を観られるのは恥、即ち恥とは性感帯を指す」
「……相変わらず謎の理論ね」
「裸足は私達も成ってる。併し、胸は晒さない。其れに羞恥社、如何わしい」
「貴女達、足フェチ談義と羞恥プレイ談義は夜にして、今は仕事に戻りなさい」
「「はい、御姉様」」
美月の呆れ口調に二人は慌てて持場に戻る。
彼女達も仕事に対して有能且つ真面目では有るが、目の前の餌に思わず品定めをしてしまうのは仕方が無い事だろう。
注意こそすれ、美月も夜の為に品定めをしていた。
純真無垢で未だ苦労も知らない彼女達の内、誰が良い声で哭くか、誰が良く喘ぐか、誰が寄り絶望するか。
美月が旅館の地下に燭台を持って降りると、地下には一人の少女が拘束されていた。
痩せ細った身体を全裸にされた少女は、頭上に腕を上げられて、中腰の状態で髪の毛に両手両足を拘束されていた。
目にも髪で目隠しれており、口にはボールギャグ、股には貞操帯がされ、股を擦り合わせ乍微かに滴る尿に素足を濡らしていた。
そんな少女の頬を2,3度平手で打ち付けると、微かに動く顔を上げる。
髪の毛が一気に解けて地面に吸い込まれると、少女は自ら猿轡と貞操帯を外して、顔を染めながら上目遣いに美月を見上げる。
「えっと、あの、ごめんなさい……。お仕事……ですか……?」
「そうです。早くトイレと風呂を浴び、準備しなさい」
「ごめんなさい……。直ぐ準備します……」
「薄鈍何ですから、早目にして下さい。本当に使え無いですね。早々に見捨てて代わりを用意した方が良いでしょうか?」
「あぅ……。役立たずでごめんなさい……。ごめんなさい……」
「全く……。縛月、好い加減悶えてないで準備をして下さい、本当に」
「あ、ごめんなさい……」
傍に有る扉の無いトイレで美月に見られたまま、和式のトイレで用を足す。
一般的には余り知られていないが、和式は通常扉側、即ち手前側を向いて行う(奥に向いてしている方も多いが、様式と向く方向は同じである)。
その為、顔を赤く染めて視線を反らしながら、縛月は胸や股、放尿を美月に晒して用をする。
次に、反対側にある風呂場にも裸の儘、扉も無く大きな排水溝の上に立ってシャワーを浴びる。
通常の人には排水溝の鉄格子が足に刺さって痛いだろうが、縛月は何事も無くシャワーを浴びていた。
縛月も白装束に着替えると、そのまま一緒に上に上って、大広間に顔を出す。
それからは美月、右月、左月と共に、彼女も又、若女将業務に戻る。
縛月、彼女も又、地獄に携わる若女将の一人である。
臆病な性格ではあるが、その性格に似付かない被虐嗜好体質保持者である。
そんな彼女は、髪を操り束縛・切断・操作が可能な異能を有していた。
中からは11、12歳くらいの少女達が、バスから降りると同時に身体を伸ばす。
降りて来るのは当然女子児童のみ、男子児童の方は普通の旅館に向かっている。
少子高齢化が進んでいるとは言え、その人数は安定の4クラス分で40人超えである。
入り口前で班ごとに並ぶと、それから3人の少女達が旅館の中から出迎える。
「いらっしゃいませ、門地旅館へようこそ。私は若女将を勤めてます、美月と申します。この子達は皆さんと同じ歳の右月、左月、同じく若女将でございます」
「「ようこそ。何か有りましたら何なりとお申し付けくださいませ」」
双子の息ピッタリのお辞儀に、同じ性別である彼女達も見蕩れていた。
美月は余りにも綺麗で美しく、双子は余りにも可愛く、見蕩れる児童達は既に色めき立っていた。
「先ず皆様、各自お部屋に荷物を置き、その足で当館自慢の露天風呂へお願いします」
「お風呂で汗と疲れを取って、旅館着に着替えた後は大広間へ」
「豪勢なご馳走を用意しておりますので、班毎にお待ち下さいませ」
注意を一通り終えた三人は、後は教職員に任せて持ち場へと戻る。
17時入浴、18時夜食、19時自由時間、20時就寝。
1時間刻みのスケジュールで、早い就寝時間はきっと守られないだろう。
それを逆手に取った、門地旅館の噂話が真しやかに囁かれる。
なぜ噂が必要なのか、彼女達をただ恐怖に陥れ存在を消すだけならば必要が無いだろう。
しかしそれには理由がある。
地獄の門は大なり小なり罪を犯した者が裁かれる場所である。逆を言えば、罪なき少女を罰することは出来ない。
噂には必ず「やってはいけないこと」が含まれる。それを「解った上でやっている」のであれば、それは罪だ。
罪には罰が必要で、その罰の大きさは地獄に行った後に決められる。
逆に言えば、先程の彼女達がそうであるように、地獄に行くまでは計算されないのである。
彼女達の存在が何者かは分からないが、彼女達が地獄に携わり餓鬼を操り(或いは呼び出し)、無垢で無知な少女達を地獄へ墜とす事には変わりが無かった。
部屋に荷物を置いた少女達は、その足で露天風呂へと移動する。
まだ未成熟な裸体を洗い、湯で身体を温める。
旅館着に身を纏い、着替えを部屋に仕舞うと、パタパタと大広間へスリッパの音を響かせる。
入り口でスリッパを脱いで広間に上がり、畳の上を裸足で歩き、所定の位置に敷かれた座布団に正座や足を崩してその場に座る。
まだ純真無垢な少女達の中に、胡坐で座る人間はそう多くは無い。
その為誰もが足の裏を通路に向けて、隣の子達と談笑をする。
「女の子の生足、素足の裏、何とも言え無い極楽浄土……」
「否々、地獄に墜とすのに、右月が極楽行って如何するの……」
「でも併しだよ? 下半身はTHE性感帯でしょ」
「胸・腋・首・腰……特に胸や腋を観られるのは恥、即ち恥とは性感帯を指す」
「……相変わらず謎の理論ね」
「裸足は私達も成ってる。併し、胸は晒さない。其れに羞恥社、如何わしい」
「貴女達、足フェチ談義と羞恥プレイ談義は夜にして、今は仕事に戻りなさい」
「「はい、御姉様」」
美月の呆れ口調に二人は慌てて持場に戻る。
彼女達も仕事に対して有能且つ真面目では有るが、目の前の餌に思わず品定めをしてしまうのは仕方が無い事だろう。
注意こそすれ、美月も夜の為に品定めをしていた。
純真無垢で未だ苦労も知らない彼女達の内、誰が良い声で哭くか、誰が良く喘ぐか、誰が寄り絶望するか。
美月が旅館の地下に燭台を持って降りると、地下には一人の少女が拘束されていた。
痩せ細った身体を全裸にされた少女は、頭上に腕を上げられて、中腰の状態で髪の毛に両手両足を拘束されていた。
目にも髪で目隠しれており、口にはボールギャグ、股には貞操帯がされ、股を擦り合わせ乍微かに滴る尿に素足を濡らしていた。
そんな少女の頬を2,3度平手で打ち付けると、微かに動く顔を上げる。
髪の毛が一気に解けて地面に吸い込まれると、少女は自ら猿轡と貞操帯を外して、顔を染めながら上目遣いに美月を見上げる。
「えっと、あの、ごめんなさい……。お仕事……ですか……?」
「そうです。早くトイレと風呂を浴び、準備しなさい」
「ごめんなさい……。直ぐ準備します……」
「薄鈍何ですから、早目にして下さい。本当に使え無いですね。早々に見捨てて代わりを用意した方が良いでしょうか?」
「あぅ……。役立たずでごめんなさい……。ごめんなさい……」
「全く……。縛月、好い加減悶えてないで準備をして下さい、本当に」
「あ、ごめんなさい……」
傍に有る扉の無いトイレで美月に見られたまま、和式のトイレで用を足す。
一般的には余り知られていないが、和式は通常扉側、即ち手前側を向いて行う(奥に向いてしている方も多いが、様式と向く方向は同じである)。
その為、顔を赤く染めて視線を反らしながら、縛月は胸や股、放尿を美月に晒して用をする。
次に、反対側にある風呂場にも裸の儘、扉も無く大きな排水溝の上に立ってシャワーを浴びる。
通常の人には排水溝の鉄格子が足に刺さって痛いだろうが、縛月は何事も無くシャワーを浴びていた。
縛月も白装束に着替えると、そのまま一緒に上に上って、大広間に顔を出す。
それからは美月、右月、左月と共に、彼女も又、若女将業務に戻る。
縛月、彼女も又、地獄に携わる若女将の一人である。
臆病な性格ではあるが、その性格に似付かない被虐嗜好体質保持者である。
そんな彼女は、髪を操り束縛・切断・操作が可能な異能を有していた。
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