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第26話 ミリア - 裏エピローグ -
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パリン。
小さな音と共に、小さな宝石が割れる。
その宝石は台座の上に設置されており、既に4つの内2つが粉々に割れていた。
一つは、『千本桜』クロエが裏切った瞬間に。
一つは、『千里眼』ハーレスが殺された瞬間に。
「言いたいことは何かあるか?」
「いえ、私は命令に従ったのみですので」
「そうか。じゃぁアタシの命令が悪くて、ハーレスは殺されたって言うのか?」
「奴等の方が一枚上手だった点をさせば、結果的には」
「……イリス、次はお前が行け。レイ以外の味方は全員殺せ」
「承知いたしました」
イリスはそのまま一瞬にして姿を消す。そこに残るのは『老獪』アルベアと、魔王ウェストのみだった。
ウェストは玉座に座り直すと、アルベアを見下ろす。
「イリスで勝てると思うか?」
「恐れながら、彼女でも勝てはしないでしょう。元々魔王軍は対NPC用に作られていますから、PvP等には向いてないですから、彼女達の存在は過剰戦力になります」
「だよなぁ。……じゃぁ、やっぱアタシが直々に行くしかないよなぁ?」
「お供しましょう。唯一私だけが、対等に渡り合えるでしょうから」
ウェストは頷くと、軽快に腰を上げてアルベアの横を通る。
その瞬間、アルベアは手を伸ばし、ウェストの命を吸収しようとする。
しかし、その手がウェストに触れ、力を吸い取ろうとしても、何も吸収されてこない。
それを意味する所は、つまり......。
「満足か?」
「……やはり、貴女と恐らく『色欲の捕食者』レイは、ゲーム故に物体的な命を持たない。私の天敵と言う事になりますね」
「だろうな。いや、レイはどうだろうな。アタシはこのゲームに外から入ってるが、アイツは外の世界に肉体が無い。ならばもうそれは、この世界にしか命が無いってことにならないか?」
「私の能力の命の定義が、NPCかプレイヤーかで別れているのであれば、間違いなく後者は吸えません。私も、他の者達しか相手に出来ないようです」
「あいつのフィールドだが、そこはもうアタシのフィールドに書き換えた。果たして、製作者と改変者、どちらが上になるだろうな?」
そう言って不敵な笑みを浮かべたまま、ウェストはレイの元へと向かう。
レイはこれから、魔王と魔王軍四天王を2人相手しなければならないのだった。
小さな音と共に、小さな宝石が割れる。
その宝石は台座の上に設置されており、既に4つの内2つが粉々に割れていた。
一つは、『千本桜』クロエが裏切った瞬間に。
一つは、『千里眼』ハーレスが殺された瞬間に。
「言いたいことは何かあるか?」
「いえ、私は命令に従ったのみですので」
「そうか。じゃぁアタシの命令が悪くて、ハーレスは殺されたって言うのか?」
「奴等の方が一枚上手だった点をさせば、結果的には」
「……イリス、次はお前が行け。レイ以外の味方は全員殺せ」
「承知いたしました」
イリスはそのまま一瞬にして姿を消す。そこに残るのは『老獪』アルベアと、魔王ウェストのみだった。
ウェストは玉座に座り直すと、アルベアを見下ろす。
「イリスで勝てると思うか?」
「恐れながら、彼女でも勝てはしないでしょう。元々魔王軍は対NPC用に作られていますから、PvP等には向いてないですから、彼女達の存在は過剰戦力になります」
「だよなぁ。……じゃぁ、やっぱアタシが直々に行くしかないよなぁ?」
「お供しましょう。唯一私だけが、対等に渡り合えるでしょうから」
ウェストは頷くと、軽快に腰を上げてアルベアの横を通る。
その瞬間、アルベアは手を伸ばし、ウェストの命を吸収しようとする。
しかし、その手がウェストに触れ、力を吸い取ろうとしても、何も吸収されてこない。
それを意味する所は、つまり......。
「満足か?」
「……やはり、貴女と恐らく『色欲の捕食者』レイは、ゲーム故に物体的な命を持たない。私の天敵と言う事になりますね」
「だろうな。いや、レイはどうだろうな。アタシはこのゲームに外から入ってるが、アイツは外の世界に肉体が無い。ならばもうそれは、この世界にしか命が無いってことにならないか?」
「私の能力の命の定義が、NPCかプレイヤーかで別れているのであれば、間違いなく後者は吸えません。私も、他の者達しか相手に出来ないようです」
「あいつのフィールドだが、そこはもうアタシのフィールドに書き換えた。果たして、製作者と改変者、どちらが上になるだろうな?」
そう言って不敵な笑みを浮かべたまま、ウェストはレイの元へと向かう。
レイはこれから、魔王と魔王軍四天王を2人相手しなければならないのだった。
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