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第21話 ルリ - 裏エピローグ -
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「れ、レイ様、いや、レイ……!! 貴様、この村を滅ぼす気か……!?」
「ユキちゃんが可哀想だもの。同じ報いを受けてもらわないと……ね?」
「うふふふふ……。勿論ですわぁ? レイさんが言うことは全て正しいんですもの♡ でしたかしら?」
今はもう居ないカエデの真似をしながら、クロエは村長と村人達を捕縛していた。
そんな中、カエデの代わりに出張って来たのは『空間水没』カオルだった。
そしてもう一人、この中でリーダー格と同じ並びに居たのは盗賊団・赤猫団裏外交『千手』レイト。
彼女を再びサポートキャラにしようとしたが、世界規模での改変になってしまうため、サポートキャラにまでは出来ず、また『闇ギルド』のギルドマスターとして首を挿げ替えることも出来なかった。
既に男達の首は刎ね飛ばしており、少女達はそのままの年齢で裸足にされ、隷属の首輪を付けられていた。
「これはこれは、選り取り見取りね?」
「そうですわね。でも……残念、貴女はこちらですわ」
突如村娘を一人を選び、レイとルリの二人の前に差し出される。
困惑する彼女の両足を開き、彼女は途端の奇行に顔を真っ赤にして足を閉じようとする。
けれども魔族であるクロエの腕力は華奢な見た目に反して力強く、そのまま大きく股を開いてしまう。
その太腿の内側、小さな魔法陣が描かれていた。
「これは、ミリアの紋章ですわね。あの子が四天王になったのね?」
「………!! し、知りません! 離して下さい、離して!」
「どうしても口を割らないと言うのであれば、あの子のこと、身体に聞きますわ」
元々魔族を表す赤い瞳を持つクロエではあるが、その瞳を更に妖艶に輝かせる。
なすすべも無い少女は、なんとか逃げようと必死にもがこうとする。
けれどもクロエの力は決して彼女を離しはしない。
そして、彼女の恐怖を更に煽るかのように、クロエの背後から2本の尾がちらついた。
「本当にっ! 本当に何も知らないんです! お願いです、信じて下さい……!!」
「クロエ、多分彼女何も知らないわよ。私の"改変"を使っても何も出なかったもの」
「なんですの、期待して損しましたわ。では彼女も奴隷送りですわね」
「いいえ。彼女は四天王の一人、ミリアの息がかかっているんですもの。今はこう言うのを野放しには出来ないわ」
「では、どうするんですの?」
「ルリ」
「ん、なんか最近私の出番が無いから忘れられていたのかと思ってたわ」
「彼女の尋問をお願いするわ」
「……なんで私が」
ルリは一瞬で少女の背後に回ると手刀を打ち込み意識を奪う。
少女にとってルリの姿を見失うのと、自身の意識が失われるのはほぼ同時だったことだろう。
少女が目を覚ますと、椅子に両手両足を固定され目隠しもされている状況だった。
何も見えないが、肌で感じるのはじめじめした香りとねばつくような湿気、生ぬるい空気、座っている椅子もボロボロで湿気っていた。
それだけ情報があれば地下の何処かに閉じ込められているか、或いは森の洞窟……いや、洞窟はまだもう少し湿度はマシだろう。
その状態で微かに聞こえるカサカサというような、カチカチというような音、気配は何か感じる。
「私が聞くこと以外に何か話せば、この子達の餌食になるから気を付けなさい」
「は、はい……」
そう言われて目隠しを外され最初に見た光景は、胸に大きく穴が開いた少女の死体、その横にあるのは顔もギリギリ原型を留めてるだけでほぼ身体が潰れている少女の死体だった。
その周囲には、体長1m程の毒蜘蛛が数匹、その一番奥には5m程の毒蜘蛛が構えていた。
それだけで直ぐに彼女は察する、ここは生贄の洞窟であるということに。
だが、それが分かってもなぜ彼女が使役出来ているのかについてまでは分かっていない。
「まず貴女の名前は?」
「えっと、シラスです。シラス・メーリア」
「年齢は?」
「今年で16になります」
「右利き? 左利き?」
「右利きです」
「家族は?」
「えっと、父と母の3人です」
「字は読める?」
「いえ。字は読めません」
尋問と言って周囲に生贄の時に使われる魔物が用意されているにも関わらず、来るのは簡単な質問ばかり、それに首を傾げそうになる。
けれどもこれはフット・イン・ザ・ドアテクニック(段階的要請法)と呼ばれる簡単なお願いの後に、難しいお願いをする心理術なのである。多少時間は掛かるが、クロエが核心に近いミリアや東の魔王城について尋ねるも知らないと結局答えてしまう。
直ぐ間近に蜘蛛の魔物をおいても答えが変わらないところを見るに、余程隠蔽の魔法が掛けられているのか、この紋章自体がフェイクの可能性まであった。
「ともすれば、貴女のこと、やっぱり用済みということになるのよね」
「ひっ! いやっ! 待って、お願いします!!」
「私の"瞳"でも分からなかったし、ただ気絶している間に描き込まれただけかもしれないのよね。なにせ、貴女の足にある紋章からは魔力的な何かが感じられなかったし」
「本当に、私、何も知らないんです……!!」
「もう分かったから。分かったから、もう死んで頂戴」
「えっ――」
突如世界が反転した。そして頭が地面に落ちる頃には理解する。
彼女の首が刎ね飛ばされたことに。
首があった場所から血が噴き出して、血の雨が降り注ぐ。
そんな彼女の死体に、ルリは彼女の胸を揉み、そのまま股を手でこする。
かつて彼女だったもの、つい数秒前まで怯えて命乞いをしていた少女の身体が、そう、身体だけがそこにあった。
そのままルリは死姦する、彼女だった器を使い。
結局得られた情報は何もない、それはレイもクロエも分かっていた。
だからルリを残飯処理に使っていた。
血に染まったルリが、赤い瞳を輝かせる。
舌なめずりをしながら、周囲の蜘蛛たちも彼女達ユキとレンの遺体に群がってその肉片に食らい付く。
彼女達も朝までには生きていた、生きる希望を無くしたユキは、その恐怖と痛みから初めて逃げ出したいと泣き叫んだ。けれどもそう思ったころにはもう遅い。
レンはユキと共に逃げだそうとした、けれども村人にはばれていた。
だから彼女が目を覚ました時には捕らえられ、一服盛られたのだと後から気付く。
こうして彼女達は生贄として、16年もの間の人生を簡単に生きていた証を奪われる。
この世界はそうした理不尽で出来ていた。
「ユキちゃんが可哀想だもの。同じ報いを受けてもらわないと……ね?」
「うふふふふ……。勿論ですわぁ? レイさんが言うことは全て正しいんですもの♡ でしたかしら?」
今はもう居ないカエデの真似をしながら、クロエは村長と村人達を捕縛していた。
そんな中、カエデの代わりに出張って来たのは『空間水没』カオルだった。
そしてもう一人、この中でリーダー格と同じ並びに居たのは盗賊団・赤猫団裏外交『千手』レイト。
彼女を再びサポートキャラにしようとしたが、世界規模での改変になってしまうため、サポートキャラにまでは出来ず、また『闇ギルド』のギルドマスターとして首を挿げ替えることも出来なかった。
既に男達の首は刎ね飛ばしており、少女達はそのままの年齢で裸足にされ、隷属の首輪を付けられていた。
「これはこれは、選り取り見取りね?」
「そうですわね。でも……残念、貴女はこちらですわ」
突如村娘を一人を選び、レイとルリの二人の前に差し出される。
困惑する彼女の両足を開き、彼女は途端の奇行に顔を真っ赤にして足を閉じようとする。
けれども魔族であるクロエの腕力は華奢な見た目に反して力強く、そのまま大きく股を開いてしまう。
その太腿の内側、小さな魔法陣が描かれていた。
「これは、ミリアの紋章ですわね。あの子が四天王になったのね?」
「………!! し、知りません! 離して下さい、離して!」
「どうしても口を割らないと言うのであれば、あの子のこと、身体に聞きますわ」
元々魔族を表す赤い瞳を持つクロエではあるが、その瞳を更に妖艶に輝かせる。
なすすべも無い少女は、なんとか逃げようと必死にもがこうとする。
けれどもクロエの力は決して彼女を離しはしない。
そして、彼女の恐怖を更に煽るかのように、クロエの背後から2本の尾がちらついた。
「本当にっ! 本当に何も知らないんです! お願いです、信じて下さい……!!」
「クロエ、多分彼女何も知らないわよ。私の"改変"を使っても何も出なかったもの」
「なんですの、期待して損しましたわ。では彼女も奴隷送りですわね」
「いいえ。彼女は四天王の一人、ミリアの息がかかっているんですもの。今はこう言うのを野放しには出来ないわ」
「では、どうするんですの?」
「ルリ」
「ん、なんか最近私の出番が無いから忘れられていたのかと思ってたわ」
「彼女の尋問をお願いするわ」
「……なんで私が」
ルリは一瞬で少女の背後に回ると手刀を打ち込み意識を奪う。
少女にとってルリの姿を見失うのと、自身の意識が失われるのはほぼ同時だったことだろう。
少女が目を覚ますと、椅子に両手両足を固定され目隠しもされている状況だった。
何も見えないが、肌で感じるのはじめじめした香りとねばつくような湿気、生ぬるい空気、座っている椅子もボロボロで湿気っていた。
それだけ情報があれば地下の何処かに閉じ込められているか、或いは森の洞窟……いや、洞窟はまだもう少し湿度はマシだろう。
その状態で微かに聞こえるカサカサというような、カチカチというような音、気配は何か感じる。
「私が聞くこと以外に何か話せば、この子達の餌食になるから気を付けなさい」
「は、はい……」
そう言われて目隠しを外され最初に見た光景は、胸に大きく穴が開いた少女の死体、その横にあるのは顔もギリギリ原型を留めてるだけでほぼ身体が潰れている少女の死体だった。
その周囲には、体長1m程の毒蜘蛛が数匹、その一番奥には5m程の毒蜘蛛が構えていた。
それだけで直ぐに彼女は察する、ここは生贄の洞窟であるということに。
だが、それが分かってもなぜ彼女が使役出来ているのかについてまでは分かっていない。
「まず貴女の名前は?」
「えっと、シラスです。シラス・メーリア」
「年齢は?」
「今年で16になります」
「右利き? 左利き?」
「右利きです」
「家族は?」
「えっと、父と母の3人です」
「字は読める?」
「いえ。字は読めません」
尋問と言って周囲に生贄の時に使われる魔物が用意されているにも関わらず、来るのは簡単な質問ばかり、それに首を傾げそうになる。
けれどもこれはフット・イン・ザ・ドアテクニック(段階的要請法)と呼ばれる簡単なお願いの後に、難しいお願いをする心理術なのである。多少時間は掛かるが、クロエが核心に近いミリアや東の魔王城について尋ねるも知らないと結局答えてしまう。
直ぐ間近に蜘蛛の魔物をおいても答えが変わらないところを見るに、余程隠蔽の魔法が掛けられているのか、この紋章自体がフェイクの可能性まであった。
「ともすれば、貴女のこと、やっぱり用済みということになるのよね」
「ひっ! いやっ! 待って、お願いします!!」
「私の"瞳"でも分からなかったし、ただ気絶している間に描き込まれただけかもしれないのよね。なにせ、貴女の足にある紋章からは魔力的な何かが感じられなかったし」
「本当に、私、何も知らないんです……!!」
「もう分かったから。分かったから、もう死んで頂戴」
「えっ――」
突如世界が反転した。そして頭が地面に落ちる頃には理解する。
彼女の首が刎ね飛ばされたことに。
首があった場所から血が噴き出して、血の雨が降り注ぐ。
そんな彼女の死体に、ルリは彼女の胸を揉み、そのまま股を手でこする。
かつて彼女だったもの、つい数秒前まで怯えて命乞いをしていた少女の身体が、そう、身体だけがそこにあった。
そのままルリは死姦する、彼女だった器を使い。
結局得られた情報は何もない、それはレイもクロエも分かっていた。
だからルリを残飯処理に使っていた。
血に染まったルリが、赤い瞳を輝かせる。
舌なめずりをしながら、周囲の蜘蛛たちも彼女達ユキとレンの遺体に群がってその肉片に食らい付く。
彼女達も朝までには生きていた、生きる希望を無くしたユキは、その恐怖と痛みから初めて逃げ出したいと泣き叫んだ。けれどもそう思ったころにはもう遅い。
レンはユキと共に逃げだそうとした、けれども村人にはばれていた。
だから彼女が目を覚ました時には捕らえられ、一服盛られたのだと後から気付く。
こうして彼女達は生贄として、16年もの間の人生を簡単に生きていた証を奪われる。
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