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第18話 ルリ2
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同じ道、同じ景色の道を戻る。この場所は既に何度も見ている景色だ。
そんな中、明らかに冒険者としては上品過ぎる格好の少女が3人歩けば、そこは格好の盗賊の的になる。
けれども、そんな彼女達が襲われないのは、ひとえに『空間水没』カオルと面識があるからだろう。
多少の魔物との戦闘はあるけれども、問題なく森を抜け、そのまま『最初の村』に再び訪れた。
「えっと……、旅人さん、いらっしゃいませ。『最初の村』へ、ようこそおいで下さいました」
両手を前で行儀よく重ね、奇麗に45度のお辞儀をするお下げ髪の少女。
とても奇麗で可愛らしく、そして、笑顔のぎこちない少女。
後に、蜘蛛の魔物に孕まされて、殺される少女、村長の娘、ユキ。
彼女は変わらず旅人の案内をしているようで、それでいて村からは生贄として無視されている。
それでも一見気丈に振舞い、そのまま村長の家へと案内をする。
此処は、町から来る人を歓迎する。なぜなら、町から来た冒険者は揃ってこの先の魔王城で命を落とすからだ。
「皆様のお世話を務めます、村長の娘、ユキと申します。ご用命あらば、何なりとお申し付けください」
「そう。その用命は、何処まで頼んで良いのかしら?」
「身の回りのお世話から、その、お慰みを頂くことも……」
「では、是非とも、今晩は楽しませて下さいましね」
「は、はい……」
クロエは他のNPCから見てもただの人間で、このイベントに性別は関係が無い。
これは彼女自身が自分に目暗ましの魔法を使っているからに他ならない。
緊張した面持ちのユキは、一礼をするとそのまま部屋を後にする。
それを見送ったクロエは笑顔で振り返り、手を叩く。
「それではレイさん、少し、村の方達から話を聞いてきますわね」
「お願いするわ。私は、ちょっと寄る場所があるから」
そう言って彼女とクロエ達は二手に分かれた。
ゲームに必要な情報収集はクロエに任せ、レイはレイで限界を調べる必要があった。
村を出て「始まりの村」への道の途中、近くで薬草を採取していた女性に出会う。
手と服は土埃に汚れており、背に背負った籠には薬草が摘まれていた。
「少しお話良いかしら?」
「あら、旅人さん。なんのご用ですか?」
「つい奇麗な方を見掛けたので声を掛けたくなってしまって。お仕事の邪魔だったかしら?」
「とんでもありません! 旅人様とお話出来て光栄です」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。少し、案内をして欲しい場所があるのだけれども」
「……はい?」
レイは彼女に頼み、彼女の足でとある場所へ向かった。
そこは何も無いただの崖、けれどもその奥には確かに人の気配を感じた。
それも数百人。どうやら、赤猫団の隠れ里は無くなっていないようだ。
首をかしげていた彼女に、次に別の場所を案内させる。
その場所に近付けば近付くほど、彼女の表情は強張り冷や汗が流れて行く。
「えっと、この先がいわゆる"生贄の洞窟"になります」
「ダンジョンから逃げ出した魔物が中に居るのよね?」
「そうです。今は昼だから出てきませんが、それでも危険な場所です。どうかお戻りに――」
言葉を言い終えるよりも早くに彼女は突如近くの木に吸い寄せられるように叩きつけられ、手足をもがいていた。
何が起きているのか分からないといった表情だったが、その頭上を見て一気に顔面を蒼白させる。
そこに居るのは此処には絶対に居ないと思われていた、蜘蛛の魔物である。
イベントフラグを立てての強制召喚、後は姿さえ現れれば、それはこちらで"改変デバッグ"が可能になると言う物だ。
「殺すも自由、犯すも自由、個人レベルでの改変も自由。特に貴女は孤児なのだから」
「な、何を言ってるのですか!? 私はずっとこの村で……」
「念の為に保存しておいて正解だったわね。これが、貴女の私達の記憶よ、ユイ」
木に括りつけられたユイは、そのまま彼女の手にある光を体内に取り込んでいく。
胸に吸い込まれるように消えると、そのままユイの身体は縮んで行き、そのまま嘗てのユイの姿を取り戻す。
レイの改変デバッグ能力に近い能力、復元バックアップ。
これが使えることが証明されたということは、つまり、はじまりの村でリンの媒体が見付かれば、リンを復活させることが出来るということだ。
ルンの場合、最早ルリという別の個体に一度なってしまっている関係で、例えルンに改変したとしても復元は出来ない。
「あっ……あぁ……」
「ようやく思い出してくれたかしら、自分の過去を」
「おねっ、お願いしますっ! もう、痛いの、嫌……許して、下さい……!」
悲痛な想いが、彼女の口から漏れ出してくる。
そんな彼女を嘲笑うかのように、絡まった糸は更に強く彼女を縛り付ける。
「何回殺せば、死ぬのかしら?」
「死にたく……ないです……」
「まぁ、貴女は生贄を誘き寄せる餌になって貰わないといけないの。是非、活用して頂戴?」
「いっ! 痛いっ! やっ! 身体が、あっ、あぁっ!!? いやぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
村全体に響き渡る様に泣き叫ぶ声が上がる。
彼女の身体だけを大人に戻していき、子供サイズの糸で固定された身体は糸をどかすことが出来ずに、肉の方が負けてしまう。
そのまま糸は肉に食い込み、そのまま奇麗に入って行く。
そして身体を貫通して、肉を抉って削ぎ落す。
そんな痛みに耐えきれずに、叫び声をあげた彼女は痙攣するたびに周囲の肉を削いで行く。
「ゆ、ユイ!?」
「なんてことなの! 早く誰か、糸を切って!!」
「もう大丈夫だから、心配しないで!!」
叫び声をあげたユイの悲鳴を聞いて駆け付ける村娘達。
彼女達は年が近い分、姉妹関係の様に仲が良かった。
周囲を警戒する男衆、しかし、音も無く、その姿が一人、また一人と消えて行く。
そんなとき、一人の少女が肩に何か小さな重みを感じて振り返る。
「キィッ!」
「いやっ! 蜘蛛!!」
「待って、なんなのよ、アレ!?」
頭上を見上げた村娘達、その上から蜘蛛の子が次々に糸を垂らして降りて来る。
それを見て、3人は思わず逃げ出した。
けれども徐々に体が重くなり、気付いた時には3人とも蜘蛛の巣に捕らえられていた。
「いやっ! 死にたくない! 誰か、誰か助けて!!」
「近付かないで! 来ないで!」
「許して、どうか、どうか命だけはぁ!!」
三人が泣き叫ぶ相手は、生贄の時に現れる巨大な毒蜘蛛……それが三体。
背を向け走り出した少女達のその背中に、ピタリと蜘蛛が張り付いて、そのまま彼女達のお尻を突き破り、自らの生殖器を突き刺した。
お尻を突き出したように痙攣をする少女達、腹に何かが入れられる、そんな悍ましい状態に思わず嘔吐する。
全身鳥肌が立つ。けれども前門の糸、後門(肛門)の蜘蛛に少女達は成すすべなく、ただ人でも無い怪物に犯され襲われて行く。
それから彼女達は全員腹部に襲い掛かる感覚に顔を青ざめさせ、歯がカチカチと恐怖で音をならす。
今自分の中で何が起きているのかを理解して、そして絶望している。
今彼女達の中で何がもぞもぞと動いているのか、そしてそれが、何処に向かっているのか。
「うぷっ、気持ち悪い……うっ、うえぇぇぇ」
「がはっ、うっ、うぷっ、おえぇぇ、やだ、気持ち悪い、私の中に、卵を……!!」
「もう殺して……いっそのこと、もう殺してよぉ……」
想像がついた途端に、娘達は更に嘔吐する。胃液だけを吐き出して、口からは唾液のような透明な液しか出てこない。
ただ、そこには小さな固形物も一緒に出てくる。
それは、彼女達の想像を裏付ける、小さな蜘蛛が数十匹だった。
「おえっ、げほっ、うぷっ、うっ、はっ、あぁ……」
「がはっ、う、うえぇぇぇぇ……」
「おえっ、おっ、うえっ……」
身体の中で子蜘蛛が暴れていることが、感覚的に分かる。
バシャッバシャバシャッ!! 何度も何度も卵を産み付けられ、そしてその腹は徐々に膨れ上がって、そして遂には破裂する。
蜘蛛の魔物は周囲の魔素を取り込んで直ぐに成長する。
そして、そんな破裂したお腹からはやや大きめの蜘蛛の魔物が互いに共食いしていたり、彼女達の身体に牙を立てたりしていた。
更にそこには彼女達の膣内で精液か、或いは血の体液に溺れて死んだ蜘蛛の子達が流れてくる。
見た目だけでも気持ち悪くおぞましいのに、そんなのがお腹の中にいるなんて、私じゃ耐えられない。
けれども、それを人で見るのは気持ちが良いことだ。
そうして村娘達3人はユイの目の前で腹に穴を開けて命を落とす。
誰も彼もまだ20歳になるかならないかで、若く美しい少女達の目は虚ろになり口からは吐瀉物と血と涙でドロドロになっていた。
そんな光景を目の当たりにしたユイを貫く糸に、小さな振動が来る。
何かと思い視線を向ければ、子蜘蛛が一気に糸を通じて傷口に入り込んでいく。
「いだっ! いだだだだだだっ! やめて! お願い、傷を、傷を広げないで、食い破らないで!!」
傷口が膨れて行き、毒で一気に化膿していく。
膿が直ぐに溜まり、傷口付近が一気に腐り臭いを放つ。
全身が直ぐに腐って良き、そこに蜘蛛と蛆が同棲する。
それでも彼女は意識を失えない、失いたくて仕方ないのに、全身に悍ましい感覚が駆け巡り、意識を失うことを許してくれなかった。
「あっ……あっ……」
虚ろな瞳は最早何を捉えているのか分からない。
そんな彼女達の最期を見届けて、彼女はそっと踵を返す。
残りの村娘も、私の餌食になってもらう為に。
そんな中、明らかに冒険者としては上品過ぎる格好の少女が3人歩けば、そこは格好の盗賊の的になる。
けれども、そんな彼女達が襲われないのは、ひとえに『空間水没』カオルと面識があるからだろう。
多少の魔物との戦闘はあるけれども、問題なく森を抜け、そのまま『最初の村』に再び訪れた。
「えっと……、旅人さん、いらっしゃいませ。『最初の村』へ、ようこそおいで下さいました」
両手を前で行儀よく重ね、奇麗に45度のお辞儀をするお下げ髪の少女。
とても奇麗で可愛らしく、そして、笑顔のぎこちない少女。
後に、蜘蛛の魔物に孕まされて、殺される少女、村長の娘、ユキ。
彼女は変わらず旅人の案内をしているようで、それでいて村からは生贄として無視されている。
それでも一見気丈に振舞い、そのまま村長の家へと案内をする。
此処は、町から来る人を歓迎する。なぜなら、町から来た冒険者は揃ってこの先の魔王城で命を落とすからだ。
「皆様のお世話を務めます、村長の娘、ユキと申します。ご用命あらば、何なりとお申し付けください」
「そう。その用命は、何処まで頼んで良いのかしら?」
「身の回りのお世話から、その、お慰みを頂くことも……」
「では、是非とも、今晩は楽しませて下さいましね」
「は、はい……」
クロエは他のNPCから見てもただの人間で、このイベントに性別は関係が無い。
これは彼女自身が自分に目暗ましの魔法を使っているからに他ならない。
緊張した面持ちのユキは、一礼をするとそのまま部屋を後にする。
それを見送ったクロエは笑顔で振り返り、手を叩く。
「それではレイさん、少し、村の方達から話を聞いてきますわね」
「お願いするわ。私は、ちょっと寄る場所があるから」
そう言って彼女とクロエ達は二手に分かれた。
ゲームに必要な情報収集はクロエに任せ、レイはレイで限界を調べる必要があった。
村を出て「始まりの村」への道の途中、近くで薬草を採取していた女性に出会う。
手と服は土埃に汚れており、背に背負った籠には薬草が摘まれていた。
「少しお話良いかしら?」
「あら、旅人さん。なんのご用ですか?」
「つい奇麗な方を見掛けたので声を掛けたくなってしまって。お仕事の邪魔だったかしら?」
「とんでもありません! 旅人様とお話出来て光栄です」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。少し、案内をして欲しい場所があるのだけれども」
「……はい?」
レイは彼女に頼み、彼女の足でとある場所へ向かった。
そこは何も無いただの崖、けれどもその奥には確かに人の気配を感じた。
それも数百人。どうやら、赤猫団の隠れ里は無くなっていないようだ。
首をかしげていた彼女に、次に別の場所を案内させる。
その場所に近付けば近付くほど、彼女の表情は強張り冷や汗が流れて行く。
「えっと、この先がいわゆる"生贄の洞窟"になります」
「ダンジョンから逃げ出した魔物が中に居るのよね?」
「そうです。今は昼だから出てきませんが、それでも危険な場所です。どうかお戻りに――」
言葉を言い終えるよりも早くに彼女は突如近くの木に吸い寄せられるように叩きつけられ、手足をもがいていた。
何が起きているのか分からないといった表情だったが、その頭上を見て一気に顔面を蒼白させる。
そこに居るのは此処には絶対に居ないと思われていた、蜘蛛の魔物である。
イベントフラグを立てての強制召喚、後は姿さえ現れれば、それはこちらで"改変デバッグ"が可能になると言う物だ。
「殺すも自由、犯すも自由、個人レベルでの改変も自由。特に貴女は孤児なのだから」
「な、何を言ってるのですか!? 私はずっとこの村で……」
「念の為に保存しておいて正解だったわね。これが、貴女の私達の記憶よ、ユイ」
木に括りつけられたユイは、そのまま彼女の手にある光を体内に取り込んでいく。
胸に吸い込まれるように消えると、そのままユイの身体は縮んで行き、そのまま嘗てのユイの姿を取り戻す。
レイの改変デバッグ能力に近い能力、復元バックアップ。
これが使えることが証明されたということは、つまり、はじまりの村でリンの媒体が見付かれば、リンを復活させることが出来るということだ。
ルンの場合、最早ルリという別の個体に一度なってしまっている関係で、例えルンに改変したとしても復元は出来ない。
「あっ……あぁ……」
「ようやく思い出してくれたかしら、自分の過去を」
「おねっ、お願いしますっ! もう、痛いの、嫌……許して、下さい……!」
悲痛な想いが、彼女の口から漏れ出してくる。
そんな彼女を嘲笑うかのように、絡まった糸は更に強く彼女を縛り付ける。
「何回殺せば、死ぬのかしら?」
「死にたく……ないです……」
「まぁ、貴女は生贄を誘き寄せる餌になって貰わないといけないの。是非、活用して頂戴?」
「いっ! 痛いっ! やっ! 身体が、あっ、あぁっ!!? いやぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
村全体に響き渡る様に泣き叫ぶ声が上がる。
彼女の身体だけを大人に戻していき、子供サイズの糸で固定された身体は糸をどかすことが出来ずに、肉の方が負けてしまう。
そのまま糸は肉に食い込み、そのまま奇麗に入って行く。
そして身体を貫通して、肉を抉って削ぎ落す。
そんな痛みに耐えきれずに、叫び声をあげた彼女は痙攣するたびに周囲の肉を削いで行く。
「ゆ、ユイ!?」
「なんてことなの! 早く誰か、糸を切って!!」
「もう大丈夫だから、心配しないで!!」
叫び声をあげたユイの悲鳴を聞いて駆け付ける村娘達。
彼女達は年が近い分、姉妹関係の様に仲が良かった。
周囲を警戒する男衆、しかし、音も無く、その姿が一人、また一人と消えて行く。
そんなとき、一人の少女が肩に何か小さな重みを感じて振り返る。
「キィッ!」
「いやっ! 蜘蛛!!」
「待って、なんなのよ、アレ!?」
頭上を見上げた村娘達、その上から蜘蛛の子が次々に糸を垂らして降りて来る。
それを見て、3人は思わず逃げ出した。
けれども徐々に体が重くなり、気付いた時には3人とも蜘蛛の巣に捕らえられていた。
「いやっ! 死にたくない! 誰か、誰か助けて!!」
「近付かないで! 来ないで!」
「許して、どうか、どうか命だけはぁ!!」
三人が泣き叫ぶ相手は、生贄の時に現れる巨大な毒蜘蛛……それが三体。
背を向け走り出した少女達のその背中に、ピタリと蜘蛛が張り付いて、そのまま彼女達のお尻を突き破り、自らの生殖器を突き刺した。
お尻を突き出したように痙攣をする少女達、腹に何かが入れられる、そんな悍ましい状態に思わず嘔吐する。
全身鳥肌が立つ。けれども前門の糸、後門(肛門)の蜘蛛に少女達は成すすべなく、ただ人でも無い怪物に犯され襲われて行く。
それから彼女達は全員腹部に襲い掛かる感覚に顔を青ざめさせ、歯がカチカチと恐怖で音をならす。
今自分の中で何が起きているのかを理解して、そして絶望している。
今彼女達の中で何がもぞもぞと動いているのか、そしてそれが、何処に向かっているのか。
「うぷっ、気持ち悪い……うっ、うえぇぇぇ」
「がはっ、うっ、うぷっ、おえぇぇ、やだ、気持ち悪い、私の中に、卵を……!!」
「もう殺して……いっそのこと、もう殺してよぉ……」
想像がついた途端に、娘達は更に嘔吐する。胃液だけを吐き出して、口からは唾液のような透明な液しか出てこない。
ただ、そこには小さな固形物も一緒に出てくる。
それは、彼女達の想像を裏付ける、小さな蜘蛛が数十匹だった。
「おえっ、げほっ、うぷっ、うっ、はっ、あぁ……」
「がはっ、う、うえぇぇぇぇ……」
「おえっ、おっ、うえっ……」
身体の中で子蜘蛛が暴れていることが、感覚的に分かる。
バシャッバシャバシャッ!! 何度も何度も卵を産み付けられ、そしてその腹は徐々に膨れ上がって、そして遂には破裂する。
蜘蛛の魔物は周囲の魔素を取り込んで直ぐに成長する。
そして、そんな破裂したお腹からはやや大きめの蜘蛛の魔物が互いに共食いしていたり、彼女達の身体に牙を立てたりしていた。
更にそこには彼女達の膣内で精液か、或いは血の体液に溺れて死んだ蜘蛛の子達が流れてくる。
見た目だけでも気持ち悪くおぞましいのに、そんなのがお腹の中にいるなんて、私じゃ耐えられない。
けれども、それを人で見るのは気持ちが良いことだ。
そうして村娘達3人はユイの目の前で腹に穴を開けて命を落とす。
誰も彼もまだ20歳になるかならないかで、若く美しい少女達の目は虚ろになり口からは吐瀉物と血と涙でドロドロになっていた。
そんな光景を目の当たりにしたユイを貫く糸に、小さな振動が来る。
何かと思い視線を向ければ、子蜘蛛が一気に糸を通じて傷口に入り込んでいく。
「いだっ! いだだだだだだっ! やめて! お願い、傷を、傷を広げないで、食い破らないで!!」
傷口が膨れて行き、毒で一気に化膿していく。
膿が直ぐに溜まり、傷口付近が一気に腐り臭いを放つ。
全身が直ぐに腐って良き、そこに蜘蛛と蛆が同棲する。
それでも彼女は意識を失えない、失いたくて仕方ないのに、全身に悍ましい感覚が駆け巡り、意識を失うことを許してくれなかった。
「あっ……あっ……」
虚ろな瞳は最早何を捉えているのか分からない。
そんな彼女達の最期を見届けて、彼女はそっと踵を返す。
残りの村娘も、私の餌食になってもらう為に。
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