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第4話 生贄 - エピローグ -
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普段よりも早くに目を覚ました彼女は、ゆっくりと起き上がる。この日を迎えたくないから、きっと眠れないことだろうと思っていただけに、しっかりと眠ってしまったことに内心笑っていることだろう。
今日を迎えることに何のためらいもないのか、死にたくないのは本当だけど、同時にこの生活から逃れたいと思ったから早く時間を経たせるために眠ってしまったのか、どちらにも言い換えられる。
真っ白な着物、白装束に着替え、この世界では珍しい草履を履いて、その足で地下へと歩く。
生贄には白装束というイメージから作ったけど、これは中々合っていた。
とある理由で彼女は2日前から食事を採っていない。それで昨日はなんとなく察していたのだろう。
そんな彼女が地下の部屋に来ると、何人もの村人が待っていた。
その中心で、村長が目も合わせずに傍の椅子に腰かけている。
「靴を脱げ。今後、お前には靴を履くことを、この村の村長として禁じる」
「はい……」
草履を脱いで裸足になると、普段感じない感覚と大勢に素足を見られる羞恥に委縮する。
通常靴を履かないのは獣人族や魔族等のため、人間で靴を履かせない行為は人として認めていない差別的な意味合いを持つ(水浴びやサンダルで裸足になったりする行為は「履かせない」には該当しないため問題ない)。
彼女は今、この時点で人間として扱われなくなったのである。
今までは世間体というのもありここまでのことをしなかったのだが、それも今日が最後だった。
ベッドに寝かされた彼女の両手両足に縄が掛けられ、ベッドから全く動けないように拘束される。
その彼女の小さな口に漏斗を入れると、大男の手によって口の周りを完全に覆われる。
それから別の男が小さな酒樽を彼女の口に流し込む。
「うぷっ、ごぼっ、がぶっ、うっ、ぐっ!?」
溺れるようにもがき苦しむ彼女を村人が無理矢理押さえつけ、彼女の口にどんどん毒が流し込まれる。
まだ16歳の少女を大男が大人数で押さえつけ、その口に毒を流し込む光景がしばらく続く。
この村が助かるためには彼女を犠牲にするしか他に無いのである。
涙を流しても失禁しても、器官に入り本当に溺れていても構わず流し込まれ、3リットルほど飲まされた彼女はそれから洞窟へと連れていかれる。
毒耐性があるとは言っても、全く効かないわけでもなければ、あれだけの量を飲まされれば毒も身体に回る。
時々咽び、吐血をしても無理矢理歩かされ、そうして生贄の洞窟の中に放り込まれる。
そこで待つのは、昨日ルンを襲った蜘蛛の魔物。
姿を見掛け、ようやく死ぬ実感が沸くと恐怖が勝り、思わずその場から逃げ出そうとしてしまう。
けれども足元に張られていた糸に足を取られると、そのままその場に俯せで倒れてしまう。
絡まった足の糸を手繰り寄せ、徐々に徐々に蜘蛛の魔物に近付いて行く。
「えっ、あの、待って、いやっ、やだ……!!」
地面の糸に絡まっていき、村長の娘は糸塗れで徐々に動きが鈍くなる。
毒も周り、全身に痺れが走っているため今では手の指、足の指すら動かせないだろう。
ついに蜘蛛の腹下に来ると、蜘蛛はそのまま更に動けないように身体を糸で雁字搦めにする。
そして、そこで彼女は本当の死の恐怖に、思わず叫び出す。
「いやっ! あぁっ! 誰か! 誰か助けて!! レイ様! レイ様ぁ!!」
村の誰かではなく、昨日訪れたばかりのレイに助けを求めるあたり、16年もの間に彼女からは何も信頼は得られていないらしい。
それも無理からぬことだろう。とは言えレイも彼女をこうして見捨てているのだが。
そして、昨日はルンがその毒牙で殺されたイベントだけれども、それも蜘蛛の元々の習性としてただ殺すだけではなく別の方法で苦しませることにした。
「えっ? ちょっと、待って……いや、やめて、それだけは、お願い……!!」
「キエェェェェェエエエエエ!!!!」
「あがっ!? お、お尻に、何かが入ってきて……!? 待って、まさか、あっ、あぁっ!!」
そう。蜘蛛の習性、それは雌に食われる前に手足を拘束し、そして交尾をする。
人間と蜘蛛の子供が生まれる訳ではないが、性行為が異種間で行われればそれは立派な拷問だ。
それにこれは魔物、その習性は雄にしか無いけど、この蜘蛛は雌。
つまり今彼女の膣内なかで起きていることは、彼女が……いや、人として最もされたくないこと。
「痛っ! 痛い! やめて、動かないでっ、痛い、痛い……!!」
蜘蛛との異種間セックス。
雌の蜘蛛である必要があるし、雄の蜘蛛である必要もあるから、多分この光景を擬人化したらふたなりセックス中だろう。
「キエェェェェェエエエエエ!!!!」
「痛い! お腹が、苦しいよぉ、入ってくるし、熱い……! 痛いっ……もっと優しくして……レイ様の様に……」
レイとリンのセックスを蜘蛛と同じに扱われることに、レイは心外であると感じていた。
とはいえ本当のセックスを味わったことは一度も無いため、そんな感想になるのも無理からぬことではあるのだが。
故に、膜が破けて血が出ていることが普通のこととは思っていないだろう。
「やだ、なに、急に、お腹がもぞもぞして……いっ!!? まさか、そんな、あ、あぁっ……」
顔を青ざめさせ、歯がカチカチと恐怖で音をならす。
今自分の中で何が起きているのかを理解して、そして絶望している。
今彼女の中で何がもぞもぞと動いているのか、そしてそれが、何処に向かっているのか。
「がはっ、うっ、うぷっ、おえぇぇ、やだ、気持ち悪い、私の中に、卵を……!!」
想像がついた途端に、村長の娘は嘔吐する。胃液だけを吐き出して、口からは唾液のような透明な液しか出てこない。
ただ、そこには小さな固形物も一緒に出てくる。
それは、彼女の想像を裏付ける、小さな蜘蛛が数十匹だった。
「おえっ、げほっ、うぷっ、うっ、はっ、あぁ……」
元々食事を取っておらず、毒を飲まされ、その毒が全身に回る中で蜘蛛に体内へ卵を産み付けられたショックから嘔吐し、元々少ない体力が枯渇して意識が遠くなって来る。
もうこれは、解毒をしたところで助からない。
身体の中で子蜘蛛が暴れていることが、感覚的に分かるのだから。
「レイ様……生きていたら、また、レイ様達と、したかったです……。こんな、こんな最期、あんまりです……。16年間、こんなことをされるために……生きていた訳じゃないのに……!! なんで私なの……! 私が、何をしたって言うの……!! 私もただ、みんなと一緒に生きていたかった……!! 誰か、助けて……お願い……」
「ユキ……!! ……ッ!?」
追加イベントと言うか、修正イベントと言うか。
プレイヤーの中には、レイのようにイベントを敢えて熟さない人間も出ると踏んで、その際の条件分岐で別のイベントが発生するように変数操作をした。
このイベントは「村長の娘のバッドエンド」。CG回収みたいなものにあたる。
このイベントでしか彼女の本当の名前を知ることが出来ない。
そしてこのイベントは彼女が死ぬが、最期のイベントは花火のように派手に見ることが出来る。
そう、ずっと独りと思っていた彼女にも、幼馴染がずっと見守っていたということ、そしてその幼馴染につらい部分も恥ずかしい部分も見られながら、命を落とすと言うことを。
「ユキ……あぁ、そんな……!!」
「そっか……私、独りじゃなかったんだ……。良かっ――」
安堵の表情、心残りの無い表情を幼馴染に向けて、突如激痛が腹部に押し寄せる。
「あ、あぁ……そんな、なんで……ひぐっ!? また、激しく……!! 痛い、やめて、乱暴しないで、お願いっ! いっ、うっ、うぷっ、げほっ、かはっ……」
バシャッ!! 何度も何度も卵を産み付けられ、そしてその腹は徐々に膨れ上がって、そして遂には破裂する。
そこには彼女の膣内で精液か、或いは血の体液に溺れて死んだ蜘蛛の子達が流れてくる。
見た目だけでも気持ち悪くおぞましいのに、そんなのがお腹の中にいるなど、普通の人は耐えられない。
だが、それを他人で見るのは気持ちが良いものであると、嗜虐心のあるレイは笑みを浮かべた。
(さて、この村は何年後、この蜘蛛の魔物をどうにか出来るのかしらね……?)
今日を迎えることに何のためらいもないのか、死にたくないのは本当だけど、同時にこの生活から逃れたいと思ったから早く時間を経たせるために眠ってしまったのか、どちらにも言い換えられる。
真っ白な着物、白装束に着替え、この世界では珍しい草履を履いて、その足で地下へと歩く。
生贄には白装束というイメージから作ったけど、これは中々合っていた。
とある理由で彼女は2日前から食事を採っていない。それで昨日はなんとなく察していたのだろう。
そんな彼女が地下の部屋に来ると、何人もの村人が待っていた。
その中心で、村長が目も合わせずに傍の椅子に腰かけている。
「靴を脱げ。今後、お前には靴を履くことを、この村の村長として禁じる」
「はい……」
草履を脱いで裸足になると、普段感じない感覚と大勢に素足を見られる羞恥に委縮する。
通常靴を履かないのは獣人族や魔族等のため、人間で靴を履かせない行為は人として認めていない差別的な意味合いを持つ(水浴びやサンダルで裸足になったりする行為は「履かせない」には該当しないため問題ない)。
彼女は今、この時点で人間として扱われなくなったのである。
今までは世間体というのもありここまでのことをしなかったのだが、それも今日が最後だった。
ベッドに寝かされた彼女の両手両足に縄が掛けられ、ベッドから全く動けないように拘束される。
その彼女の小さな口に漏斗を入れると、大男の手によって口の周りを完全に覆われる。
それから別の男が小さな酒樽を彼女の口に流し込む。
「うぷっ、ごぼっ、がぶっ、うっ、ぐっ!?」
溺れるようにもがき苦しむ彼女を村人が無理矢理押さえつけ、彼女の口にどんどん毒が流し込まれる。
まだ16歳の少女を大男が大人数で押さえつけ、その口に毒を流し込む光景がしばらく続く。
この村が助かるためには彼女を犠牲にするしか他に無いのである。
涙を流しても失禁しても、器官に入り本当に溺れていても構わず流し込まれ、3リットルほど飲まされた彼女はそれから洞窟へと連れていかれる。
毒耐性があるとは言っても、全く効かないわけでもなければ、あれだけの量を飲まされれば毒も身体に回る。
時々咽び、吐血をしても無理矢理歩かされ、そうして生贄の洞窟の中に放り込まれる。
そこで待つのは、昨日ルンを襲った蜘蛛の魔物。
姿を見掛け、ようやく死ぬ実感が沸くと恐怖が勝り、思わずその場から逃げ出そうとしてしまう。
けれども足元に張られていた糸に足を取られると、そのままその場に俯せで倒れてしまう。
絡まった足の糸を手繰り寄せ、徐々に徐々に蜘蛛の魔物に近付いて行く。
「えっ、あの、待って、いやっ、やだ……!!」
地面の糸に絡まっていき、村長の娘は糸塗れで徐々に動きが鈍くなる。
毒も周り、全身に痺れが走っているため今では手の指、足の指すら動かせないだろう。
ついに蜘蛛の腹下に来ると、蜘蛛はそのまま更に動けないように身体を糸で雁字搦めにする。
そして、そこで彼女は本当の死の恐怖に、思わず叫び出す。
「いやっ! あぁっ! 誰か! 誰か助けて!! レイ様! レイ様ぁ!!」
村の誰かではなく、昨日訪れたばかりのレイに助けを求めるあたり、16年もの間に彼女からは何も信頼は得られていないらしい。
それも無理からぬことだろう。とは言えレイも彼女をこうして見捨てているのだが。
そして、昨日はルンがその毒牙で殺されたイベントだけれども、それも蜘蛛の元々の習性としてただ殺すだけではなく別の方法で苦しませることにした。
「えっ? ちょっと、待って……いや、やめて、それだけは、お願い……!!」
「キエェェェェェエエエエエ!!!!」
「あがっ!? お、お尻に、何かが入ってきて……!? 待って、まさか、あっ、あぁっ!!」
そう。蜘蛛の習性、それは雌に食われる前に手足を拘束し、そして交尾をする。
人間と蜘蛛の子供が生まれる訳ではないが、性行為が異種間で行われればそれは立派な拷問だ。
それにこれは魔物、その習性は雄にしか無いけど、この蜘蛛は雌。
つまり今彼女の膣内なかで起きていることは、彼女が……いや、人として最もされたくないこと。
「痛っ! 痛い! やめて、動かないでっ、痛い、痛い……!!」
蜘蛛との異種間セックス。
雌の蜘蛛である必要があるし、雄の蜘蛛である必要もあるから、多分この光景を擬人化したらふたなりセックス中だろう。
「キエェェェェェエエエエエ!!!!」
「痛い! お腹が、苦しいよぉ、入ってくるし、熱い……! 痛いっ……もっと優しくして……レイ様の様に……」
レイとリンのセックスを蜘蛛と同じに扱われることに、レイは心外であると感じていた。
とはいえ本当のセックスを味わったことは一度も無いため、そんな感想になるのも無理からぬことではあるのだが。
故に、膜が破けて血が出ていることが普通のこととは思っていないだろう。
「やだ、なに、急に、お腹がもぞもぞして……いっ!!? まさか、そんな、あ、あぁっ……」
顔を青ざめさせ、歯がカチカチと恐怖で音をならす。
今自分の中で何が起きているのかを理解して、そして絶望している。
今彼女の中で何がもぞもぞと動いているのか、そしてそれが、何処に向かっているのか。
「がはっ、うっ、うぷっ、おえぇぇ、やだ、気持ち悪い、私の中に、卵を……!!」
想像がついた途端に、村長の娘は嘔吐する。胃液だけを吐き出して、口からは唾液のような透明な液しか出てこない。
ただ、そこには小さな固形物も一緒に出てくる。
それは、彼女の想像を裏付ける、小さな蜘蛛が数十匹だった。
「おえっ、げほっ、うぷっ、うっ、はっ、あぁ……」
元々食事を取っておらず、毒を飲まされ、その毒が全身に回る中で蜘蛛に体内へ卵を産み付けられたショックから嘔吐し、元々少ない体力が枯渇して意識が遠くなって来る。
もうこれは、解毒をしたところで助からない。
身体の中で子蜘蛛が暴れていることが、感覚的に分かるのだから。
「レイ様……生きていたら、また、レイ様達と、したかったです……。こんな、こんな最期、あんまりです……。16年間、こんなことをされるために……生きていた訳じゃないのに……!! なんで私なの……! 私が、何をしたって言うの……!! 私もただ、みんなと一緒に生きていたかった……!! 誰か、助けて……お願い……」
「ユキ……!! ……ッ!?」
追加イベントと言うか、修正イベントと言うか。
プレイヤーの中には、レイのようにイベントを敢えて熟さない人間も出ると踏んで、その際の条件分岐で別のイベントが発生するように変数操作をした。
このイベントは「村長の娘のバッドエンド」。CG回収みたいなものにあたる。
このイベントでしか彼女の本当の名前を知ることが出来ない。
そしてこのイベントは彼女が死ぬが、最期のイベントは花火のように派手に見ることが出来る。
そう、ずっと独りと思っていた彼女にも、幼馴染がずっと見守っていたということ、そしてその幼馴染につらい部分も恥ずかしい部分も見られながら、命を落とすと言うことを。
「ユキ……あぁ、そんな……!!」
「そっか……私、独りじゃなかったんだ……。良かっ――」
安堵の表情、心残りの無い表情を幼馴染に向けて、突如激痛が腹部に押し寄せる。
「あ、あぁ……そんな、なんで……ひぐっ!? また、激しく……!! 痛い、やめて、乱暴しないで、お願いっ! いっ、うっ、うぷっ、げほっ、かはっ……」
バシャッ!! 何度も何度も卵を産み付けられ、そしてその腹は徐々に膨れ上がって、そして遂には破裂する。
そこには彼女の膣内で精液か、或いは血の体液に溺れて死んだ蜘蛛の子達が流れてくる。
見た目だけでも気持ち悪くおぞましいのに、そんなのがお腹の中にいるなど、普通の人は耐えられない。
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