長編小説

Unknown

文字の大きさ
上 下
22 / 39

第20巻 私が求める姿

しおりを挟む
長編小説
私が求める姿
第20巻
男は何かいつも何かを求めた。それは人の真実の姿。それは気を使うことでもなく。また気を使わないことでもない。縛ることでもなければ、縛らないことでもない。また愛するわけでもなく。愛さないわけでもない。また嫌うわけでもなく。嫌わないわけでもない。また好きになることでもなく。好きにならないわけでもない。男はそんなものを求めていた。だがそんな芸当をできる人は女優や役者ぐらいである。だが男は求めた、その真実の姿を。男は駆け引きを楽しんだ。男の唯一の楽しみは駆け引きであった。それは男の人生がそもそも駆け引きそのものであった。男は毎日賭け事をしていた。そう自分と賭け事をしていた。15秒後に前から車が来なければ今日自殺しよう。私の思う回答がこの人から来なければ、もう話さないでおこう。というように男は日常生活で綱渡りをしていた。男はそういつ死んでもおかしくないメンタルであった。だからこそ、その状態を楽しんだ、世界に絶望し、だからこそ男はいつも綱渡りをしている。だが唯一綱渡りができない関係とすればそれは真実の姿の人間と会った時である。男は会ったことがない。男と対等に駆け引きをできる人間に。男はつまらなかった。男は人を好きになったことがない。それは駆け引きをできる人に惹かれるからだろうか?男は普通の女性では満足できなかった。いつも自分以外の人間を下に見ていた。それはまるで駒のように。男はその駒を動かす人であった。男が少し考えれば駒は思うように動き。世の中は思うように動く。男は飽きていたこの世の作りに。全てを男は理解していた。だから男はどんなゲームにも飽きてしまった。時にはわざと負け、時には本気を出しているかのようにして負け、男の全てを見透かす者は現れなかった。男は人生に飽きていた。この世の作りに。何故誰も私していることに気づかない。私の行動を気づいてくれない。男は孤独を感じていた。どんな駆け引きをしても男は自分の思うように動いてしまうことに退屈していた。男は考えた。なら私自身を騙そうと。そう、男は人生最大の賭けをした。自分が自分にコントロールされていることに気づいていなければそのまま私に戻り。自分が自分にコントロールされていることに気づければ。
君の満たしたい全ての欲をあげようと。男は自分の欲と契約を交わした。男は人になった。人は自分が自分にコントロールされていることに気づくことはなかった。そして男は人生最大の遊びが終わった。男は定期的にそのゲームをする。だがいつも男が勝ってしまう。そう、男が勝っていた。そして男は全ての欲を満たしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【ショートショート】おやすみ

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

伏線回収の夏

影山姫子
ミステリー
ある年の夏。俺は15年ぶりにT県N市にある古い屋敷を訪れた。大学時代のクラスメイトだった岡滝利奈の招きだった。屋敷では不審な事件が頻発しているのだという。かつての同級生の事故死。密室から消えた犯人。アトリエにナイフで刻まれた無数のXの傷。利奈はそのなぞを、ミステリー作家であるこの俺に推理してほしいというのだ。俺、利奈、桐山優也、十文字省吾、新山亜沙美、須藤真利亜の6人は大学時代、この屋敷でともに芸術の創作に打ち込んだ仲間だった。6人の中に犯人はいるのか? 脳裏によみがえる青春時代の熱気、裏切り、そして別れ。懐かしくも苦い思い出をたどりながら事件の真相に近づく俺に、衝撃のラストが待ち受けていた。 《あなたはすべての伏線を回収することができますか?》

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...