長編小説

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第1巻

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長編小説
心とは何か
第1巻
タイトル:悲劇と惨劇
20XX年貧乏な家に男の子が生まれた、その男の子はいつも世の中の不条理に揉まれ、親はいつも男の子に対して暴力を振るっていた、社会はそれを無視し、近所の人は見て見ぬふりをした、男の子はいつも思っていた何で自分は生きているのだろうかと、誰にも必要とされず誰にも求められない、こんな人生に意味はあるのかと、心の欠落が生じていた、学校ではいじめられ、家では暴力暴言、親は酒に入り浸り、タバコを吸い、イラついたら暴力を振るってくる。そんな人生に果たして意味を持てるのだろうか?男のは何度も死のうと考えた、いつもどう死ぬかだけを考えた、男のはそこで生きる意味を見つけた、綺麗な死に方をしようと、そこから男の子の壮絶な人生が始まる。男の子は知らない今後どのような人生が待ち受けているのか。男の子は男と呼べる年齢まで成長した、実に18歳、それまでいじめ、家庭内暴力、諸々をされてきて何故耐えられたか、それは死に様を探しているからだ、ただそれだけのために男の子は生きる意味を求めている。深い死を求めている。ある日1人で一生懸命壁当てのサッカーの練習をしていると女が声をかけてきた、何でいつも部活に残って壁当てをしているの?と、いつも教室から見るけどそんなに壁当てをして何の意味があるの?男は答えた、何故壁当てをするのかって?それは君みたいな人が見てくれてこうやって声をかけてくるのを待っていたからだよと、女は笑ってしまった、そうだね確かにそれで声をかけられたわね君は、まんまと君の作戦に嵌められたわと、お互いに笑った。男の真意はわからないがこれが真の死を望むための第一歩だったのかもしれない。男は女を知った、初めてこんな話す異性はこれまでの人生ではいなかった、初めて感情が揺さぶられ、初めての感情が多かった、女は男に一目惚れであったいつも壁当てをしていてそれを毎日放課後教室で勉強をしながら心地よく聞いていた。女は知っていた、男が全力でサッカーをしていたことにある日壁当ての音が途切れた時ふと心配になり外を見てみると男が泣いていた、理由が分からなかった、いや少しはわかるのかもしれない、終わりのない人生、目標も夢もない、社会は勉強をしろといい学歴がなければ下に見られる、女であるだけで下に見られる。少しはわかった、だけど女は知っていた、男は勉強ができて人間関係も良いし、サッカーも決して下手ではない、というか上手い方だろう、何故泣いているのか分からなかった。今思えばよく見るとポケットに何か入っていたようにも思える。いつも雨の日もどんな暑い日も壁当てをしていたからこそ今日こそはと話しかけようとしたが、いつも話しかけられなかった。でもその日は様子がおかしかった男の様子がいつもと違う、人と喋らず机で寝ている、これはおかしい、でも声はかけられなかった。放課後になる、壁当ての時間だいつも通り壁当ての音が聞こえる、でもどこか不安な気持ちがある。今日話しかけなければもう会えないような気がしたからだ、だから勇気を振り絞って話しかけたら変な冗談を言われもっと話したいと思ってしまった。面白い男だと思ってしまった。
いや思ったことは間違いではないのかもしれない。女は男の芯にある何かに興味を持ち、男は女に何かを求めた。色々話していくうちに男と女は似ていることがわかった。何事にも一生懸命な性格で、真面目で、よく話が合った。すぐ意気投合し付き合うことになり色々なデートをしてお互いに楽しめた時間であった、しかしそれは勘違いなのかもしれないし、ただ女が楽しんでいただけかもしれなかった。女は男の趣味が好きだった。それは短編小説を書くことだった。その中でも一番好きなのが、タイトル:お前は誰だ、であった。他にも好きな小説は色々あるがお気に入りはこれである。理由は簡単だこの社会はおかしい、金、学歴、富、名声、結局何を手に入れても満足できなくそれが人間というものであると、この社会を鏡で映し結局虚無しか残らないということが理解できる話だったからだ。毎日小説ができるのを楽しみにしていた、女はそれを読むのが日課であった。いやもうそれが生きがいと言えるのかもしれない。女は社会に対して希望がなかった、目標は潰され、夢は失い、こんな社会で生きていく希望がなかった。だからこそ小説を読むことは女にとって唯一の娯楽、いや人生そのものであった。女は男に会ったらいつも小説の話をした、それはいつも楽しそうにまるで自分のことかのように語っていた、それに男は嬉しくなりいつも感想を聞くのを期待していた。いや女からはそお見えていたのかもしれない、男はそうまだ美しい死を望んでいたのだ、それは感情の欠落から?昔の幼少期の影響?いや生きる意味だからなのかもしれない。女と関わって確かに人間そのものの生きる意味は理解した確かにこの時間は楽しいし話してて心地がいい、しかしいや確かにこれ以上の最高の女性はいないだろう、それは理解していた。ここまで自分のことを理解している人はいないだろう、それは小説を書いているからこそわかる色々な人生を書いてきたがここまで思ってくれる人は今後現れないだろう。女は忘れていたいや見落としていた、何故男に本当に興味を持って話しかけたのか、それは不思議でならなかった今思えば何事もうまくやれる彼だが何故じゃあの日あんなに苦しそうな姿をしていたのか、今考えてももう遅いだろう、男はわかっていたこの世にそもそも存在する意味なんてものは誰も持ってないことを全員弱いから何かに頼りたくて生きているだけだということを、だからわかっていた自分はおかしいということを、でも願ってしまった。彼女の幸せを、気の迷いだろうか、惚れてしまったのだろうか、男は毎日考えている、そして答えが出てしまった。そう出てしまったのだ、その時年齢は25歳、女は日々を楽しんでいた、毎日楽しかった、社会の疲労なんて小説を読めばすぐ吹き飛び自分でも驚いていた。男は確かに楽しかった。異性との会話、今後出てこないと思うほどの理解者、でも自分の生きる意味は綺麗な死であることに変わりはなかった。生きる意味を変えることは死ぬことと同義であると考えた彼は彼女に最後、小説の第十六万七千九百五十八巻を読ませそしてこう言った。他に好きな人が出来たもう別れようさようならと、彼女は理解できなかった、いやここまで小説を読んでいたからわかってはいたのかもしれない小説の最後をこの関係の未来を。女はこの先どんな男と関わってもやっぱり昔のことを思い出してしまう。何も満たされず何も求めることができないだろう、ただあの時間だけを求めていただけなのに、女はこの先何も満たされない人生になるだろう、それも彼女の選択であり選んだ道である、あの時彼を止めていれば違った未来があったのかもしれない無理やりでも止めることができれば世界は変わったのかもしれない。あんなに小説を読んでいてそれでもやっぱり変わらなかった。何も変わらなかった。
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