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第二部 恐竜母胎カツヤマ
九、カツヤマ会議
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「起きろ。起きろ、ハシモト」
身体を揺さぶられ重いまぶたを上げると、怪しげな男に見下ろされていた。
トゲトゲのついたジージャン、気の抜ける文字入りのTシャツ。
独特なファッションは威圧的ですらあって、相手を一言で表すなら感性の獣といった感じだ。
おそらく、こんなにもファッションセンスの狂い切った人物は、二人といない。少なくとも、ハシモトは他に知らない。
彼の名はアサクラ。
そして、彼が目の前にいるということは、ここはフクイ県に相違なかった。
「……着いたんですか」
「ああ、カツヤマだぜ」
いつの間にか眠っていたようだった。
窓の外を見ると、辺りはすっかり闇に覆われていた。
身体によどんだ疲労感は、しかし小さな子どもに圧し掛かられているかのように重かった。
「立てるか?」
「大丈夫、です」
ハシモトは差し伸べられた手をあえて断った。青いシートに手をつき、己が力で立ちあがった。
甘えてばかりはいられないからだ。
フクイ市でさえ、あれだけ過酷だったのだ。
恐竜の都カツヤマ市は、より危険な土地に違いない。
いざというときは、自分自身の力で窮地をのり越えねばならない場面もやって来るだろう。
「よいしょ」
ホームに降り立つハシモトたちを迎えたのは、駅舎の仄かな明かりだった。どんなに殺伐とした場所なのかと気を揉んでいたわりに、あたりは森閑として穏やかである。
駅舎の内装は小さなカフェテリアのようで、いっそう落ち着きを誘うようだ。
通用口の脇に、小さな窓口が設けられ、そこにメガネイターがひとり腰かけている。
アサクラが窓口のカルトンに切符を置いたので、ハシモトも慌てて自分の切符を置いた。
都会暮らしで、すっかり自動改札に慣れてしまっていたが、地方ではこうした切符文化が生きているのだ。
「よっこらせい」
妙に感心していると、アサクラが年寄りじみた仕種で待合室のソファに腰かけた。
忙しくなく手招きしてくるので、仕方なくハシモトはその隣、マスナガはふたりの対面に腰を下ろした。
アサクラは満足した様子で頷いて、腹のうえに手を組むと、こう切り出した。
「さて、それでは今後の予定について話そう」
尊大な態度がやや鼻についたものの、ハシモトは真っ先に手を挙げた。
「はい! いいですか!」
「あん? なんだ?」
「とりあえず、今晩はここで一夜を明かしましょう!」
「却下」
即答だった。
ハシモトは眉をひそめた。納得のいく説明を求めた。
「面倒くせぇな……」
アサクラは大仰な嘆息をついた。
話そうと切り出したのは、こいつなのに!
しかも片眉をつり上げると、ブタのように鼻まで鳴らした。人を苛立たせるのに、これ以上ないパフォーマンスを見せつけてきたのだ。
ジージャンのトゲトゲをむしり取りたい衝動を堪えつつ、ハシモトは待った。
しかしアサクラはとうとう答えなかった。
マスナガが代弁してくれたからだ。
「追手が電車でカツヤマまで来れば鉢合わせる危険があるし、駅はいずれ閉まる。メガネイターは情では動いてくれない。抵抗すれば武力行使もあり得る」
「ああ……なるほど」
「そういうわけだ。カツヤマはヤバいところだが、何とか他に寝泊まりできるところを探さなくちゃならねぇ」
「やっぱり、ここは危険なんですね……?」
アサクラが深刻そうに眉根をよせるので、ハシモトの怒りは不安に取って代わられた。
「逆に訊くが、お前はカツヤマについて何を知ってる?」
「観光もしようと思ってたので、多少は調べましたよ。恐竜ミュージアムがあって、冬はスキー場も盛況だとか」
「まあ、そうだなぁ。一応、冬のスキー場は、盛況だな」
歯の奥にものが挟まったような言い方を、ハシモトはもどかしく感じた。
アサクラは、腕を組んでソファにもたれかかると、目頭を揉みほぐしながら言う。
「聞いて驚くなよ? スキーやるのなんてな、カツヤマじゃ恐竜だけなんだ」
「は?」
「だから驚くなって。近頃の恐竜は頭良くなってきてんだよ。スキーだってやんのさ」
「恐竜が、スキー……」
ハシモトはこめかみを押さえた。恐竜がスキー板を装着して滑っている姿を想像したら、頭痛がしてきたのだ。
「で、でも、恐竜ミュージアムはどうなんです? さすがに恐竜が資料や化石を眺めてるなんてことはないでしょう?」
「ないな。恐竜ミュージアム自体がない」
「えっ、ない? 恐竜ミュージアムって言ったら、世界三大恐竜博物館のひとつですよね?」
「それは外に向けて発信されてる偽の情報だ。釣り針にかけられた餌みてぇなもん。実際、カツヤマにあるのは恐竜養殖場」
「恐竜養殖場だって……!」
ハシモトは恐怖のあまり震えあがった。
あり得る話だと感じたのだ。
フクイには恐竜がいる。
ハシモトには恐竜に襲われた経験もある。
養殖場くらいあっても不思議はない。
「つまり、フクイの恐竜はここから各地に?」
「そういうこった。だから、ここらは恐竜が多い。フクイの駅前なんか比べ物にならねぇ」
「それで、プテラノドン……」
「だがよ、今日はもう日も落ちた。探すのは明日からだ。今はとりあえず宿を探して、それまでの道程をどうやって切り抜けるか考えなくちゃならねぇ」
「無理では?」
「無理じゃない」
断言したのはマスナガだった。
「恐竜を退けることは、ある程度可能だ。小型なら倒すこともできる。あれを見ろ」
マスナガはそう言って、ホーム側とは逆の扉を指し示した。
「……ん?」
が、そこには何の変哲もない扉があるだけだった。
怪訝に目を眇めたハシモトに、マスナガは「箱だ」と補足した。
「ああ、あれですか!」
それでようやく気付いた。
それは扉ではなく、扉の傍らにあったのだ。
やたら角の丸い字体で『お客様の安全をお祈り申し上げます』と書かれた貼り紙の下、壁に沿う形でずらりと木箱が並べられているのである。
箱には何らかの分類がされているのか、それぞれに数字やアルファベットを組み合わせたラベルが貼られていた。ハシモトに解ったのは、そこまでだった。
「……で、つまり、あれは?」
「弾薬だ。ここのラインナップは充実している。たしか、フラッシュバンもあったはずだ」
「大型恐竜にも有効だ」
と、アサクラ。
「問題はどこへ向かい、どのルートをとるかだ」
「ショットガンって、マスターキーとか呼ばれたりするんですよね? じゃあ、適当な家のドアを破壊して侵入するというのは?」
言いながら、それが画期的な提案に思えてきた。
「家の中に家具とか残ってれば、バリケードにも」
ところが、そこでハシモトは、絶句して目を見開いたアサクラに気付いた。
「え?」
隣を見れば、感情表現に乏しいマスナガまで、ぞっとした表情を浮かべていた。
「……ハシモト、あのな。お前、大丈夫か?」
やがて、本気で案じるような眼差しを向けられ、ハシモトは傷ついた。この男にだけは、正気を疑われたくなかったのだ。
「やめてくださいよ。人を狂人みたいに!」
「狂人の発想だろうが。正気じゃねぇぞ。人様の家に勝手に出入りしていいのは、ゲームのキャラクターだけだ。断りもなく壺割ったりタンス開けたりするつもりか? オレたちはリアルの人間だぞ?」
正論だった。間違いなく正論だった。
だからこそハシモトはさらに傷付き、目許を潤ませた。
「フクイなら、それくらいみんなやってるかと思ったんですよ!」
「フクイにだって秩序はある。実際に空き家だったら、オレもドアぶっ飛ばして入ったかもしれねぇ。だがよ、人がいたら殺し合いになるぞ」
そう言い切られたら、今度こそ反論できなかった。
ハシモトは目を伏せ、ついに泣きだした。
「いや、ハシモトの考えは、あながち悪くないかもしれない」
そこにマスナガが助け舟を出してくれた。
こめかみに手を当て、虚空を見つめたマスナガのメガネフレームに、ダークブルーの光が明滅した。
「この辺りの情報をすこし調べてみた。カツヤマ橋を渡った先に、閉店したパチンコ屋がある」
ハシモトは洟をすすり、訝しげに目をあげた。
それはいいのか、と疑義を抱いたのだ。
答えはアサクラが態度で示した。
「そういうことな、らっ」
観念して苦笑をもらし、ソファから身をのり出したのだ。
「準備が整い次第、パチンコ屋へ乗りこむとしようぜ」
身体を揺さぶられ重いまぶたを上げると、怪しげな男に見下ろされていた。
トゲトゲのついたジージャン、気の抜ける文字入りのTシャツ。
独特なファッションは威圧的ですらあって、相手を一言で表すなら感性の獣といった感じだ。
おそらく、こんなにもファッションセンスの狂い切った人物は、二人といない。少なくとも、ハシモトは他に知らない。
彼の名はアサクラ。
そして、彼が目の前にいるということは、ここはフクイ県に相違なかった。
「……着いたんですか」
「ああ、カツヤマだぜ」
いつの間にか眠っていたようだった。
窓の外を見ると、辺りはすっかり闇に覆われていた。
身体によどんだ疲労感は、しかし小さな子どもに圧し掛かられているかのように重かった。
「立てるか?」
「大丈夫、です」
ハシモトは差し伸べられた手をあえて断った。青いシートに手をつき、己が力で立ちあがった。
甘えてばかりはいられないからだ。
フクイ市でさえ、あれだけ過酷だったのだ。
恐竜の都カツヤマ市は、より危険な土地に違いない。
いざというときは、自分自身の力で窮地をのり越えねばならない場面もやって来るだろう。
「よいしょ」
ホームに降り立つハシモトたちを迎えたのは、駅舎の仄かな明かりだった。どんなに殺伐とした場所なのかと気を揉んでいたわりに、あたりは森閑として穏やかである。
駅舎の内装は小さなカフェテリアのようで、いっそう落ち着きを誘うようだ。
通用口の脇に、小さな窓口が設けられ、そこにメガネイターがひとり腰かけている。
アサクラが窓口のカルトンに切符を置いたので、ハシモトも慌てて自分の切符を置いた。
都会暮らしで、すっかり自動改札に慣れてしまっていたが、地方ではこうした切符文化が生きているのだ。
「よっこらせい」
妙に感心していると、アサクラが年寄りじみた仕種で待合室のソファに腰かけた。
忙しくなく手招きしてくるので、仕方なくハシモトはその隣、マスナガはふたりの対面に腰を下ろした。
アサクラは満足した様子で頷いて、腹のうえに手を組むと、こう切り出した。
「さて、それでは今後の予定について話そう」
尊大な態度がやや鼻についたものの、ハシモトは真っ先に手を挙げた。
「はい! いいですか!」
「あん? なんだ?」
「とりあえず、今晩はここで一夜を明かしましょう!」
「却下」
即答だった。
ハシモトは眉をひそめた。納得のいく説明を求めた。
「面倒くせぇな……」
アサクラは大仰な嘆息をついた。
話そうと切り出したのは、こいつなのに!
しかも片眉をつり上げると、ブタのように鼻まで鳴らした。人を苛立たせるのに、これ以上ないパフォーマンスを見せつけてきたのだ。
ジージャンのトゲトゲをむしり取りたい衝動を堪えつつ、ハシモトは待った。
しかしアサクラはとうとう答えなかった。
マスナガが代弁してくれたからだ。
「追手が電車でカツヤマまで来れば鉢合わせる危険があるし、駅はいずれ閉まる。メガネイターは情では動いてくれない。抵抗すれば武力行使もあり得る」
「ああ……なるほど」
「そういうわけだ。カツヤマはヤバいところだが、何とか他に寝泊まりできるところを探さなくちゃならねぇ」
「やっぱり、ここは危険なんですね……?」
アサクラが深刻そうに眉根をよせるので、ハシモトの怒りは不安に取って代わられた。
「逆に訊くが、お前はカツヤマについて何を知ってる?」
「観光もしようと思ってたので、多少は調べましたよ。恐竜ミュージアムがあって、冬はスキー場も盛況だとか」
「まあ、そうだなぁ。一応、冬のスキー場は、盛況だな」
歯の奥にものが挟まったような言い方を、ハシモトはもどかしく感じた。
アサクラは、腕を組んでソファにもたれかかると、目頭を揉みほぐしながら言う。
「聞いて驚くなよ? スキーやるのなんてな、カツヤマじゃ恐竜だけなんだ」
「は?」
「だから驚くなって。近頃の恐竜は頭良くなってきてんだよ。スキーだってやんのさ」
「恐竜が、スキー……」
ハシモトはこめかみを押さえた。恐竜がスキー板を装着して滑っている姿を想像したら、頭痛がしてきたのだ。
「で、でも、恐竜ミュージアムはどうなんです? さすがに恐竜が資料や化石を眺めてるなんてことはないでしょう?」
「ないな。恐竜ミュージアム自体がない」
「えっ、ない? 恐竜ミュージアムって言ったら、世界三大恐竜博物館のひとつですよね?」
「それは外に向けて発信されてる偽の情報だ。釣り針にかけられた餌みてぇなもん。実際、カツヤマにあるのは恐竜養殖場」
「恐竜養殖場だって……!」
ハシモトは恐怖のあまり震えあがった。
あり得る話だと感じたのだ。
フクイには恐竜がいる。
ハシモトには恐竜に襲われた経験もある。
養殖場くらいあっても不思議はない。
「つまり、フクイの恐竜はここから各地に?」
「そういうこった。だから、ここらは恐竜が多い。フクイの駅前なんか比べ物にならねぇ」
「それで、プテラノドン……」
「だがよ、今日はもう日も落ちた。探すのは明日からだ。今はとりあえず宿を探して、それまでの道程をどうやって切り抜けるか考えなくちゃならねぇ」
「無理では?」
「無理じゃない」
断言したのはマスナガだった。
「恐竜を退けることは、ある程度可能だ。小型なら倒すこともできる。あれを見ろ」
マスナガはそう言って、ホーム側とは逆の扉を指し示した。
「……ん?」
が、そこには何の変哲もない扉があるだけだった。
怪訝に目を眇めたハシモトに、マスナガは「箱だ」と補足した。
「ああ、あれですか!」
それでようやく気付いた。
それは扉ではなく、扉の傍らにあったのだ。
やたら角の丸い字体で『お客様の安全をお祈り申し上げます』と書かれた貼り紙の下、壁に沿う形でずらりと木箱が並べられているのである。
箱には何らかの分類がされているのか、それぞれに数字やアルファベットを組み合わせたラベルが貼られていた。ハシモトに解ったのは、そこまでだった。
「……で、つまり、あれは?」
「弾薬だ。ここのラインナップは充実している。たしか、フラッシュバンもあったはずだ」
「大型恐竜にも有効だ」
と、アサクラ。
「問題はどこへ向かい、どのルートをとるかだ」
「ショットガンって、マスターキーとか呼ばれたりするんですよね? じゃあ、適当な家のドアを破壊して侵入するというのは?」
言いながら、それが画期的な提案に思えてきた。
「家の中に家具とか残ってれば、バリケードにも」
ところが、そこでハシモトは、絶句して目を見開いたアサクラに気付いた。
「え?」
隣を見れば、感情表現に乏しいマスナガまで、ぞっとした表情を浮かべていた。
「……ハシモト、あのな。お前、大丈夫か?」
やがて、本気で案じるような眼差しを向けられ、ハシモトは傷ついた。この男にだけは、正気を疑われたくなかったのだ。
「やめてくださいよ。人を狂人みたいに!」
「狂人の発想だろうが。正気じゃねぇぞ。人様の家に勝手に出入りしていいのは、ゲームのキャラクターだけだ。断りもなく壺割ったりタンス開けたりするつもりか? オレたちはリアルの人間だぞ?」
正論だった。間違いなく正論だった。
だからこそハシモトはさらに傷付き、目許を潤ませた。
「フクイなら、それくらいみんなやってるかと思ったんですよ!」
「フクイにだって秩序はある。実際に空き家だったら、オレもドアぶっ飛ばして入ったかもしれねぇ。だがよ、人がいたら殺し合いになるぞ」
そう言い切られたら、今度こそ反論できなかった。
ハシモトは目を伏せ、ついに泣きだした。
「いや、ハシモトの考えは、あながち悪くないかもしれない」
そこにマスナガが助け舟を出してくれた。
こめかみに手を当て、虚空を見つめたマスナガのメガネフレームに、ダークブルーの光が明滅した。
「この辺りの情報をすこし調べてみた。カツヤマ橋を渡った先に、閉店したパチンコ屋がある」
ハシモトは洟をすすり、訝しげに目をあげた。
それはいいのか、と疑義を抱いたのだ。
答えはアサクラが態度で示した。
「そういうことな、らっ」
観念して苦笑をもらし、ソファから身をのり出したのだ。
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