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6話、初依頼
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僕はテトと王都を出てすぐの森に来ていた。
初依頼のポプカル草を20本探すためだ。
「テト、僕たちが出会った時、僕が持ってた草覚えてる?」
((食べればわかるんだよ!))
「よし、じゃあ勝負だテト!時間は太陽が真上に上がるまで、一応念話で終了を知らせるけど時間になったらここに来てね」
太陽の位置はあと3時間ほどで真上に来るだろう。
僕たちは用意ドン!の合図で左右に分かれ、テトには大きめの竹籠を渡して、同じくらいの大きさの鞄を僕が持ってる。
ポプカル草は太陽が当たる何もない所で生えやすい。
王都の農業区で生産されてはいるが、うまくいってないらしい。
失敗したポプカル草は茶葉になってよく売られている。
「そろそろ時間だな、テトに知らせるか」
体を反り返し、背伸びをする。
テトに念話を送り、切り株に座って待つ。
鳥の囁き、木々の合間を縫って柔らかい風が吹く。
「あぁ…いい天気だ」
空を見上げ目を閉じゆったりとした時間が流れる。
突然顔面に何か重いものが乗る。
((ただいまなんだよー))
テト… 上むいてる時に乗るのはやめよ?息できないから。
気を取り直して。
「さて、どっちが多く取ってきたかな?」
鞄をひっくり返し地面に出し、テトが持ってきたポプカル草と見比べる。
僕が36本、テトが41本。
しかしテトのポプカル草は全部葉が1枚づつ無くなってる。
新芽の部分さえ大丈夫なら問題ないか。
((僕の勝ちなんだよ!))
「負けたかぁ仕方ない、テト今日お昼は何が食べたい?好きなもの食べていいよ」
((甘いのが食べたいんだよ!))
甘いものか、果物とかでいいのかな?
僕たちは王都に帰り、赤いリンの実を食べながら(テトは溶かしながら)屋台を回る。
((次は、あれが食べたいんだよ!))
紫色の実、アケビンだったかな?中央から割って、中の白い綿みたいなのを食べる実だ。
そうこうしているうちにお腹は膨れ、冒険署につく。
「おかえりなさい、ユート君ポプカル草は見つかった?」
台の上に竹籠と鞄を置く。
「テトと勝負してたらこんなになっちゃいました」
((僕が勝ったんだよ!))
「あらあら、じゃあ数えさせてもらうね」
お姉さんが一個一個丁寧に教えていく。
「合計で77本ね、達成おめでとうございます。冒険証を渡してくれる?」
冒険証を渡すと緑の枠の数字が3に変わって帰ってくる。
それと同時に17本のポプカル草と銀貨1枚銅貨5枚が台の上に置かれた
「こっちが今回の報酬ね、依頼外のポプカル草はどうする?こちらが買い取ってもいいけど依頼外となるとすっごい安くなっちゃうけど」
「大丈夫です。買い取ってください」
銅貨2枚が台の上に置かれる。
「本当は10本で1枚だけど初依頼だからお姉さんがおまけしてあげる。あと採取依頼は持ってきた量によって得点は一度である程度まではもらえるけど、討伐や護衛は絶対に1づつしか上がらないからね。もちろん採取依頼でも一度に沢山得点を上げれないものもあるからよく依頼書を読むんだよ」
お姉さんにお礼を言って、冒険署を出ようとしたらテトが頭を叩く
((僕も魔力測ってみたいんだよ!))
僕は魔力表示板を見る
「そういえば僕、魔法が使えるんだっけ」
お姉さんのところに戻り魔力測定紙を貰おうとする
「あら?ユート君昨日計らなかった?」
「いえ、僕ではなくテトが測りたいって言ってて」
((ユートに負けないんだよ!))
テトは頭の上でぴょんぴょん跳ねる。
「ふふ、じゃあテトちゃんは初めてだから無料だね」
お姉さんは魔力測定紙を渡して説明を続ける。
「魔物は魔力の塊みたいなものだから触るだけで大丈夫よ」
テトが紙に触れると真っ黒に変わった。
「さ、さすがポイズンスライムね、こんなに真っ黒に変わった紙、見たことない…」
「よかったねテト、じゃあついでに初級魔法書も読んでいこうか」
「冒険署裏に訓練所があるから試したい時はそっちに移動してね、他の人に迷惑かけちゃだめよ」
僕は初級魔法書を読み耽る。なるほど具体的に想像するのが大事なのか、名前をつけて想像しやすくするのも有効と。
「テト!訓練所に行ってみようか」
((おー!毒の霧覚えるんだよー!))
「え… あ、いや、まぁ大丈夫かな?多分…」
僕たちは訓練所に着きなるべく他の人たちと離れて練習する。
もしテトが毒の霧を成功させたら怖いからね。
「テトまず水魔法から覚えようか」
((いやー!どーくーがいいんだよー!))
「お願い本当にお願い!」
((ぶー…わかったんだよ))
大丈夫だよね?信用してるよ?
よし!じゃあ僕もやっていこうかな。まずは炎を投げる感じで…
「ふん!」
うん、でない!次!
魔法は人にも適性があるらしく何も起きなかったら使えないらしい。だからどんどん行ってみよう!
「やあ!」 「はっ!」 「てあ!」………
あらかた、魔法書に書いてあった属性は試してみた。
どうやら僕には土の属性が一番よく使えるみたいだ。
次に水、多分これはテトとの魔力交換の効果だと思う。
そしてテトは…龍のような毒の霧を自由自在に操っていた。
((ユート!見て見て!毒の龍なんだよー!))
訓練所にいた人たちが自分の訓練も忘れ空を見上げている。
よし、逃げるか。
初依頼のポプカル草を20本探すためだ。
「テト、僕たちが出会った時、僕が持ってた草覚えてる?」
((食べればわかるんだよ!))
「よし、じゃあ勝負だテト!時間は太陽が真上に上がるまで、一応念話で終了を知らせるけど時間になったらここに来てね」
太陽の位置はあと3時間ほどで真上に来るだろう。
僕たちは用意ドン!の合図で左右に分かれ、テトには大きめの竹籠を渡して、同じくらいの大きさの鞄を僕が持ってる。
ポプカル草は太陽が当たる何もない所で生えやすい。
王都の農業区で生産されてはいるが、うまくいってないらしい。
失敗したポプカル草は茶葉になってよく売られている。
「そろそろ時間だな、テトに知らせるか」
体を反り返し、背伸びをする。
テトに念話を送り、切り株に座って待つ。
鳥の囁き、木々の合間を縫って柔らかい風が吹く。
「あぁ…いい天気だ」
空を見上げ目を閉じゆったりとした時間が流れる。
突然顔面に何か重いものが乗る。
((ただいまなんだよー))
テト… 上むいてる時に乗るのはやめよ?息できないから。
気を取り直して。
「さて、どっちが多く取ってきたかな?」
鞄をひっくり返し地面に出し、テトが持ってきたポプカル草と見比べる。
僕が36本、テトが41本。
しかしテトのポプカル草は全部葉が1枚づつ無くなってる。
新芽の部分さえ大丈夫なら問題ないか。
((僕の勝ちなんだよ!))
「負けたかぁ仕方ない、テト今日お昼は何が食べたい?好きなもの食べていいよ」
((甘いのが食べたいんだよ!))
甘いものか、果物とかでいいのかな?
僕たちは王都に帰り、赤いリンの実を食べながら(テトは溶かしながら)屋台を回る。
((次は、あれが食べたいんだよ!))
紫色の実、アケビンだったかな?中央から割って、中の白い綿みたいなのを食べる実だ。
そうこうしているうちにお腹は膨れ、冒険署につく。
「おかえりなさい、ユート君ポプカル草は見つかった?」
台の上に竹籠と鞄を置く。
「テトと勝負してたらこんなになっちゃいました」
((僕が勝ったんだよ!))
「あらあら、じゃあ数えさせてもらうね」
お姉さんが一個一個丁寧に教えていく。
「合計で77本ね、達成おめでとうございます。冒険証を渡してくれる?」
冒険証を渡すと緑の枠の数字が3に変わって帰ってくる。
それと同時に17本のポプカル草と銀貨1枚銅貨5枚が台の上に置かれた
「こっちが今回の報酬ね、依頼外のポプカル草はどうする?こちらが買い取ってもいいけど依頼外となるとすっごい安くなっちゃうけど」
「大丈夫です。買い取ってください」
銅貨2枚が台の上に置かれる。
「本当は10本で1枚だけど初依頼だからお姉さんがおまけしてあげる。あと採取依頼は持ってきた量によって得点は一度である程度まではもらえるけど、討伐や護衛は絶対に1づつしか上がらないからね。もちろん採取依頼でも一度に沢山得点を上げれないものもあるからよく依頼書を読むんだよ」
お姉さんにお礼を言って、冒険署を出ようとしたらテトが頭を叩く
((僕も魔力測ってみたいんだよ!))
僕は魔力表示板を見る
「そういえば僕、魔法が使えるんだっけ」
お姉さんのところに戻り魔力測定紙を貰おうとする
「あら?ユート君昨日計らなかった?」
「いえ、僕ではなくテトが測りたいって言ってて」
((ユートに負けないんだよ!))
テトは頭の上でぴょんぴょん跳ねる。
「ふふ、じゃあテトちゃんは初めてだから無料だね」
お姉さんは魔力測定紙を渡して説明を続ける。
「魔物は魔力の塊みたいなものだから触るだけで大丈夫よ」
テトが紙に触れると真っ黒に変わった。
「さ、さすがポイズンスライムね、こんなに真っ黒に変わった紙、見たことない…」
「よかったねテト、じゃあついでに初級魔法書も読んでいこうか」
「冒険署裏に訓練所があるから試したい時はそっちに移動してね、他の人に迷惑かけちゃだめよ」
僕は初級魔法書を読み耽る。なるほど具体的に想像するのが大事なのか、名前をつけて想像しやすくするのも有効と。
「テト!訓練所に行ってみようか」
((おー!毒の霧覚えるんだよー!))
「え… あ、いや、まぁ大丈夫かな?多分…」
僕たちは訓練所に着きなるべく他の人たちと離れて練習する。
もしテトが毒の霧を成功させたら怖いからね。
「テトまず水魔法から覚えようか」
((いやー!どーくーがいいんだよー!))
「お願い本当にお願い!」
((ぶー…わかったんだよ))
大丈夫だよね?信用してるよ?
よし!じゃあ僕もやっていこうかな。まずは炎を投げる感じで…
「ふん!」
うん、でない!次!
魔法は人にも適性があるらしく何も起きなかったら使えないらしい。だからどんどん行ってみよう!
「やあ!」 「はっ!」 「てあ!」………
あらかた、魔法書に書いてあった属性は試してみた。
どうやら僕には土の属性が一番よく使えるみたいだ。
次に水、多分これはテトとの魔力交換の効果だと思う。
そしてテトは…龍のような毒の霧を自由自在に操っていた。
((ユート!見て見て!毒の龍なんだよー!))
訓練所にいた人たちが自分の訓練も忘れ空を見上げている。
よし、逃げるか。
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