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第二章 ヴァンパイアシスターズ
第二章 第五十九話 俺の魂がある限り
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身支度を済ませマンションの部屋を出る。
マンションの入口には叔父である上条 龍牙が掃除をしていた。
「おはようございます」
朝の挨拶をすると、彼は振り向き目を丸くして俺を見つめ「お、おはよう」と返した。
俺はそのまま彼を尻目に学校へ向かおうと一歩踏み出した瞬間、叔父が「宏!」と呼び止め、こう質問する。
「昨日、何かいいことあったのか?」
「なんでそんな事を聞くの?」
そう言うと彼は笑顔でこう言うのだ。
「前あった時よりもいい顔してるから」
そうか、表情に出ていたのか。
俺は頷き「うん、いいことがあった」と答えた。
「そうか、いってらっしゃい」
「いってきます」
そう答え俺は踵を返し、学校へと向かった。
流星学園の通学路、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「大神くーん! 昨日ぶりー!」
振り向くと岩城が手を振りながらこっちへ向かってくる。
「岩城くん」
「あーもう真吾でいいよ。だから僕も宏くんって言っていい?」
夢の世界の件でお世話になったし、いいか。
「あぁ、いいぞ」
「よし! それじゃ宏くん今後もよろしくね!」
俺は「うん」と頷き、俺たちはそのまま流星学園へ向かった。
流星学園に着くと、校門に凭(もた)れる亮夜がいた。
亮夜は俺たちに気付き、右手を挙げ「よう」と挨拶する。
「やあ」
俺はそう返し右手を挙げる。
「おはよう水島! 今日の目覚めはどうだったかなー?」
「いつもよりスッキリした目覚めだったぜ」
彼はそう答え、俺たちは教室へ向かう。
教室へ向かう途中、神代の姿が見えた。
俺は亮夜、真吾を無視し、彼女に近づく。
「神代さんおはよう」
彼女は一瞬ビクッと反応し、こっちを振り向く。
「大神くん……おはよう」
そう答え彼女はどこかへ行ってしまった。
「相変わらず神代さんのガードは固いねー」
「最初に比べたらマシだ」
そう言うと亮夜が「確かにそうだな」と答える。
「そうだ、みんな放課後空いてる?」
「俺は大丈夫だぜ、宏は?」
「俺も大丈夫」
「よーし! じゃ放課後一緒にどこか食べに行こうよ」
「それはいいな。俺も行きたい」
「さすが宏くん。水島どうする?」
「宏が行くんだったら、俺も行く」
「了解! それじゃ放課後校門に集合で! それと水島」
「ん? なんだ?」
「神代さんにも念のため言って。それじゃ僕は体育だから。じゃね」
そう言い真吾は更衣室のほうへ去っていくのだった。
「マジかよ」と呟く亮夜。
「どんまい」
「はぁぁぁ、声かけてみるか。それじゃまた放課後」
「うん、また放課後」
そう言って俺たちは各々の教室に向かうのだった。
授業が終わり放課後。
校門に向かうと亮夜、真吾。そして神代がいた。
俺は神代がいたことに驚いた。
「何驚いてるの? これからの話をしましょ」
そう言い彼女が先導するように先に行く。
真吾が「あぁ、待ってよ神代さん!」と言い、彼女を追いかける。
その姿を見ていた亮夜は俺に振り向きこう言う。
「宏、行くぞ」
「あぁ、行こう」
俺はそう答え、彼らと一緒に歩んでいく。
母さん、神様はいないけれど。
仲間と呼べる人たちはいたよ。
俺は主人公ではないけれど。
主人公ぽくなれただろうか。
逃げるだけの自分をやめて、俺は生きていることを決意したんだ。
俺の魂がある限り。
マンションの入口には叔父である上条 龍牙が掃除をしていた。
「おはようございます」
朝の挨拶をすると、彼は振り向き目を丸くして俺を見つめ「お、おはよう」と返した。
俺はそのまま彼を尻目に学校へ向かおうと一歩踏み出した瞬間、叔父が「宏!」と呼び止め、こう質問する。
「昨日、何かいいことあったのか?」
「なんでそんな事を聞くの?」
そう言うと彼は笑顔でこう言うのだ。
「前あった時よりもいい顔してるから」
そうか、表情に出ていたのか。
俺は頷き「うん、いいことがあった」と答えた。
「そうか、いってらっしゃい」
「いってきます」
そう答え俺は踵を返し、学校へと向かった。
流星学園の通学路、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「大神くーん! 昨日ぶりー!」
振り向くと岩城が手を振りながらこっちへ向かってくる。
「岩城くん」
「あーもう真吾でいいよ。だから僕も宏くんって言っていい?」
夢の世界の件でお世話になったし、いいか。
「あぁ、いいぞ」
「よし! それじゃ宏くん今後もよろしくね!」
俺は「うん」と頷き、俺たちはそのまま流星学園へ向かった。
流星学園に着くと、校門に凭(もた)れる亮夜がいた。
亮夜は俺たちに気付き、右手を挙げ「よう」と挨拶する。
「やあ」
俺はそう返し右手を挙げる。
「おはよう水島! 今日の目覚めはどうだったかなー?」
「いつもよりスッキリした目覚めだったぜ」
彼はそう答え、俺たちは教室へ向かう。
教室へ向かう途中、神代の姿が見えた。
俺は亮夜、真吾を無視し、彼女に近づく。
「神代さんおはよう」
彼女は一瞬ビクッと反応し、こっちを振り向く。
「大神くん……おはよう」
そう答え彼女はどこかへ行ってしまった。
「相変わらず神代さんのガードは固いねー」
「最初に比べたらマシだ」
そう言うと亮夜が「確かにそうだな」と答える。
「そうだ、みんな放課後空いてる?」
「俺は大丈夫だぜ、宏は?」
「俺も大丈夫」
「よーし! じゃ放課後一緒にどこか食べに行こうよ」
「それはいいな。俺も行きたい」
「さすが宏くん。水島どうする?」
「宏が行くんだったら、俺も行く」
「了解! それじゃ放課後校門に集合で! それと水島」
「ん? なんだ?」
「神代さんにも念のため言って。それじゃ僕は体育だから。じゃね」
そう言い真吾は更衣室のほうへ去っていくのだった。
「マジかよ」と呟く亮夜。
「どんまい」
「はぁぁぁ、声かけてみるか。それじゃまた放課後」
「うん、また放課後」
そう言って俺たちは各々の教室に向かうのだった。
授業が終わり放課後。
校門に向かうと亮夜、真吾。そして神代がいた。
俺は神代がいたことに驚いた。
「何驚いてるの? これからの話をしましょ」
そう言い彼女が先導するように先に行く。
真吾が「あぁ、待ってよ神代さん!」と言い、彼女を追いかける。
その姿を見ていた亮夜は俺に振り向きこう言う。
「宏、行くぞ」
「あぁ、行こう」
俺はそう答え、彼らと一緒に歩んでいく。
母さん、神様はいないけれど。
仲間と呼べる人たちはいたよ。
俺は主人公ではないけれど。
主人公ぽくなれただろうか。
逃げるだけの自分をやめて、俺は生きていることを決意したんだ。
俺の魂がある限り。
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