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『ソヴァ皇太子殿下、ご報告がございます。
昨日、畑を耕しておりましたら、怪しい人物を見かけました。
殿下がおっしゃっていた人物かはわかりませんが、お知らせしたくて急ぎ文をしたためております。乱筆乱文、どうかお許しください。
肥料を取りに小屋に向かったウドゥンがなかなか戻ってこなかったので、畑を耕し終えた私はようすを見にいきました。そこで見てしまったのです。
小屋の中で黒ずくめの男と深刻な顔で話し込んでいるところを。
その男は旅装のようでした。見おぼえのない顔です。身元がわかりません。ウドゥンはその男に布袋を手渡しました。なにが詰まっていたのかはわかりませんが、ずっしりとした重さを感じさせる袋でした。男はニヤニヤと笑っておりました。ウドゥンはなにか悪の組織に荷担しているのでしょうか。
怖くなってすぐにその場を去りましたので、ウドゥンもその男も、覗かれていたことは気づいていないでしょう。これからはさらに慎重に調べてまいります。
明日も早起きしなければなりませんので、簡単な報告で申し訳ありません。キュウリは風が強いと上手く育たないので囲いをする予定なのです。美味しいキュウリが出来たら、お届けいたしますね。すべては貴方のために。ソーキより』
昨日、畑を耕しておりましたら、怪しい人物を見かけました。
殿下がおっしゃっていた人物かはわかりませんが、お知らせしたくて急ぎ文をしたためております。乱筆乱文、どうかお許しください。
肥料を取りに小屋に向かったウドゥンがなかなか戻ってこなかったので、畑を耕し終えた私はようすを見にいきました。そこで見てしまったのです。
小屋の中で黒ずくめの男と深刻な顔で話し込んでいるところを。
その男は旅装のようでした。見おぼえのない顔です。身元がわかりません。ウドゥンはその男に布袋を手渡しました。なにが詰まっていたのかはわかりませんが、ずっしりとした重さを感じさせる袋でした。男はニヤニヤと笑っておりました。ウドゥンはなにか悪の組織に荷担しているのでしょうか。
怖くなってすぐにその場を去りましたので、ウドゥンもその男も、覗かれていたことは気づいていないでしょう。これからはさらに慎重に調べてまいります。
明日も早起きしなければなりませんので、簡単な報告で申し訳ありません。キュウリは風が強いと上手く育たないので囲いをする予定なのです。美味しいキュウリが出来たら、お届けいたしますね。すべては貴方のために。ソーキより』
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