〈完〉クリスマスイブに街で女装した弟と出会ってしまったお兄ちゃんの話

アウレオールス

文字の大きさ
上 下
4 / 18

はしゃぎすぎるな弟よ

しおりを挟む
「すげー、カラオケとかもあるよ」

あらかた食べ終わると、片付けは俺に任せてぴょこぴょこと部屋の中を探索して回っていた。

「そんなにはしゃいでいたら、すぐ飽きるぞ」

「~~~~~~♪~~~~~~♪」

「聞いちゃいねぇし無駄にうめぇし」

よくもまぁ、そんな高い声が出る
普通の人が目を瞑って聴いても、本当に女の子が歌っているようにしか聴こえないだろう。

「ほら、盛り上げろっ♪」

ビシッと指を指す
本人はノリノリなのに、これ以上どう盛り上げればいいのやら。

「うぇーい」

適当に余った紙皿を振る。

「それ2時間くらい歌った後の知らない曲歌われてる時のテンションじゃん!」

「いや、実際知らないし」

それでも弟はノリノリで歌う
歌っている笑顔が可愛い
こういう子が彼女だったら、きっと楽しいだろうな、とふと自然に思いかけてかき消すようにコーラを一気飲みする

「ゲホッゲホッ」

「コラコラ~、そこ、応援しろ~?」

「う、うまいぞ~~」

「さんきゅーーー♪」

弟はその後何曲か歌い、その度に俺は色々催促をされた。
そのお陰か、ラブホだという事で感じていた気恥ずかしさはどこかへ行ってしまった。

「ふぅ~、休憩、飲み物とって」

「ほらよ」

「うぇ、ちょっと薄い」

「薄くなったコーラ結構すき」

「えー、それはわからない」

取り留めも無い話をし、ふと疑問に思っている事を聞いた

「お前、その声で歌も歌えるんだな」

「ん?あ゛ーあ゛ー…っ…どっちかというと、歌が先で声が後」

不意に弟の素の声に戻る
俺が最初に弟と気づけなかったのはこの声のせいでもある。

「戻して」

「あ?…ぁー…ぁー…んだよ、可愛い方がお好み?」

「その格好でお前の声がしたら頭がバグる」

「ふーん」

弟は少し口角があがり、またぴょこぴょこと部屋の探索をし始めた。

「おーーーい、お風呂でっかいよ」

どうやら次のターゲットはお風呂らしい。

「家の風呂もこんぐらいあればな」

「掃除とかめんどくさそうじゃない?」

「お前は全然しないだろうが」

「湯はっちゃお」

そして弟は鼻歌を歌いながら上機嫌そうにお風呂を見て回る

「ま、ゆったりできそうで楽しみではあるな」

「………一緒に入る?」

「は?」

「こんな可愛い子と入れるチャンス、今日ぐらいしかないぞ?」

「自分で可愛いとかいうな」

一瞬、入りたいかもしれないと思ってしまった情けない自分を誤魔化すように、弟のおでこに軽くツッコミを入れる。

「へへ、じゃあ…ここはこんなもんか」

おでこを摩りながらクルリと後ろを向き、パタパタと弟は出ていった。
横を通りすぎる時、なんとなく頬が紅かったのは、自分で言っといて恥ずかしかったんだろう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

愛され末っ子

西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。 リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。 (お知らせは本編で行います。) ******** 上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます! 上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、 上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。 上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的 上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン 上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。 てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。 (特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。 琉架の従者 遼(はる)琉架の10歳上 理斗の従者 蘭(らん)理斗の10歳上 その他の従者は後々出します。 虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。 前半、BL要素少なめです。 この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。 できないな、と悟ったらこの文は消します。 ※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。 皆様にとって最高の作品になりますように。 ※作者の近況状況欄は要チェックです! 西条ネア

自称チンタクロースという変態

ミクリ21
BL
チンタク……? サンタクじゃなくて……チンタク……? 変態に注意!

僕の穴があるから入りましょう!!

ミクリ21
BL
穴があったら入りたいって言葉から始まる。

目の前に色男が!早速ケツを狙ったら蹴られました。イイ……♡

ミクリ21
BL
色男に迫ったら蹴られた話。

どうして、こうなった?

yoyo
BL
新社会として入社した会社の上司に嫌がらせをされて、久しぶりに会った友達の家で、おねしょしてしまう話です。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

ガテンの処理事情

BL
高校中退で鳶の道に進まざるを得なかった近藤翔は先輩に揉まれながらものしあがり部下を5人抱える親方になった。 ある日までは部下からも信頼される家族から頼られる男だと信じていた。

チョコは告白じゃありませんでした

佐倉真稀
BL
俺は片桐哲哉。大学生で20歳の恋人いない歴が年齢の男だ。寂しくバレンタインデ―にチョコの販売をしていた俺は売れ残りのチョコを買った。たまたま知り合ったイケメンにそのチョコをプレゼントして…。 残念美人と残念イケメンの恋の話。 他サイトにも掲載。

処理中です...