上 下
1 / 6

(1) 漂流

しおりを挟む

『9月8日 この日記を記すのは、私が生きているいた事を残すだけではなく、いつか本として出版して金持ちになりたいからだ。
どうやら私はまだ冗談が書けるようだ』

私はそう記しながらも、実際は泣くのを必死に我慢していた。

誰もいないのだから泣いても構わなかったのだが…

少し残っていた大人としての意地がそうさせた。

ここまでの経緯をお話ししよう。




まずは自己紹介…私は、ナガノ25歳

田舎から大学進学で東京へ、そのままありふれたブラック企業に勤めてはや3年

ようやく新人のレッテルが剥がれ

初めての海外出張でメキシコへ行った帰り

無理な日程なかの出張だったため

私は飛行機の中で爆睡していた 

すると、突然の爆発音と共に頭上から降りてきた酸素マスク

酸素マスクをする暇もなく私は意識を失った…



ドゴォォォオン

とんでもない音と衝撃で私は意識を取り戻したがすぐに周りが水で染まる

すぐに海の中に落ちたと理解した

私はすぐに腰についていたベルトを外し、上へ上へと足をバタつかせた

息が苦しくなる

意識が…

ギリギリのところで私の頭は海上に出た

空気が肺を満たす

常にあった空気の存在がどれだけ大切かをありきたりだが生を持って感じた

背中で何かが爆破した、熱い、熱い、熱い

必死に背中に迫る炎から逃げるように腕で水をかいて進む

水が口に入る…必死に泳ぐ中で呼吸の仕方がわからなくなる

顔は外に出てるのに波が激しく溺れそうになるが

炎から熱さから逃げようと前へ泳ぐ

り、陸だ…

必死に泳ぎきり、陸にたどり着いた

ふらふらになりながら今まさに逃げてきた海を見ると

そこには

燃え上がる機体…

もう1度大きな爆発音とともに機体は沈んでいった…

危なかった…俺は少なくとも2つの奇跡が重なり今生きている

1つ目は自分の席の近くで飛行機の機体が二つに割れた事。そのため、機体に引き込まれず外へ泳ぎでれた

2つ目に事故が起きたのが夜ではなかったということ。夕方でギリギリ日があったことからすぐに陸地を見つけられた。でなければそのまま溺れていたに違いない

しかし、すぐに日は落ち始める

とりあえず、私は海を背にして浜辺を歩いた

目の前にある渋谷109と同じような高さ

約50メートルほどあるボコボコした崖を背に座り込んだ

緊張と緩和の差が激しく、気絶するように私は眠りについた

朝日が目に入り私は目を覚ます

天気は良く、目の前には一面の海

普段なら涙が溢れるほどの綺麗な景色だが

今は違う

昨日自分が乗っていた飛行機が無かった

すでに海の底へ沈んでしまったようだ

私は背中にある崖を登ることにした

とりあえず、この場所がどこにあるのか…

できるだけ高いところから確認をしたかったのだ

俺はどこか登れる場所がないか崖を辿って時計回りに島を歩いてみた

5分ほど歩いたところに、壁のボコボコが大きく人が1人立てるくらいの岩が出てており、階段のように登れる箇所があった

そこを恐怖心と戦いながら、2時間ほどかけて登ると

崖の上は芝生のように短い草で覆われていた

そして、海を背に奥を見渡すと…

そんな……
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ルカの日常

ひいらぎ
ファンタジー
あたち、ネコ。 ルカって言うの。 あたちは毎日、とっても楽しく暮らしてるの。 とおると、ボスと一緒に暮らしているの。 あたちの日記、書いたから読んでいってよ。

強制無人島生活

デンヒロ
ファンタジー
主人公の名前は高松 真。 修学旅行中に乗っていたクルーズ船が事故に遭い、 救命いかだで脱出するも無人島に漂着してしまう。 更に一緒に流れ着いた者たちに追放された挙げ句に取り残されてしまった。 だが、助けた女の子たちと共に無人島でスローライフな日々を過ごすことに…… 果たして彼は無事に日本へ帰ることができるのか? 注意 この作品は作者のモチベーション維持のために少しずつ投稿します。 1話あたり300~1000文字くらいです。 ご了承のほどよろしくお願いします。

窓際の交錯

K.N.
恋愛
成瀬康汰(なるせ こうた)、27歳。 都内のIT企業で働く彼は、今年1月から虎ノ門の本社勤務となり、静かな日常を過ごしていた。 ビルの10階で働く康汰は、仕事以外に大きな刺激もなく、昼食を取ることも稀だった。ただ、時折1階のカフェに足を運び、窓際の席で小説を読みながらコーヒーを楽しむことが、珠の息抜きになっていた。 一方、同じビルの6階で働く23歳の小牧月香(こまき るか)。 彼女もまた、同じカフェで時折パニーニを頬張っていた。普段は週末に作り置きしたお弁当を持参する彼女だったが、うっかり忘れてしまった時には、カフェに足を運んでいた。 ある日、混雑するカフェの中、窓際の席に腰掛け小説を読んでいた康汰の前に一人の女性がふと現れた。 見覚えのある彼女に驚きながらも、康汰は気づかぬふりをしていたが、彼女は微笑みかけながら言った。 「こんにちは!」 それが、康汰と月香の初めての会話だった。日常の中で交差する二人の人生が、静かに動き始める。

女海賊ジェーンレーン

緑川らあず
ファンタジー
マロック海に浮かぶ騎士団の島、バルドス島。 島に赴任してきた若き騎士、グリンは、初めての任務に心を踊らせながら船に乗り込んだ。 美しき赤毛の女海賊との出会い、海賊船での暮らしと胸躍る冒険の日々、そして淡いロマンスを描いた、壮大な海洋冒険活劇小説です。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

魔法少女ってマジカルなのか? ――で、俺、惨状? そんな俺は社畜ブサメン瓶底メガネキモオタク。愛と夢と希望をブチ壊し世界の危機に立ち向かう?

されど電波おやぢは妄想を騙る
SF
 極平凡で、ありふれた、良くある、日常の風景――。  朝起きて、準備して、仕事に出掛ける。  俺にしてもいつも通りで、他の誰とも何も変わらない――筈だった。    気付いた時には、既に手遅れだった。  運命の歯車が突如大きく、歪み、狂い、絡みあって――まるで破滅へと誘うかのように、今日、この日、たった今――目の前で動き出したのだ――。  そして俺は――戦うことを強いられる。  何故か――『魔法少女』として?  ※一部、改稿しました。

処理中です...