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出会いと取引➁
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「なにそれ!そんなひどい話があるかしら!でも、スキルが発現したのは良かったわね!それでも、魔王候補の兄弟達のあなたへの仕打ちはひどいわ!!」
僕がなぜ瀕死で倒れていたかをロールに説明すると、自分のことのように起こってくれた。
そして、僕より何歳も年下であろうに僕の頭の上に手をのせ撫でてくれる。
「あなたは頑張ったわ!だからこそ、そんなに強いスキルを得ることが出来たのよ!あなたはすごいわ!誇っていい!生きてるじゃない!あなたは他の魔王候補に負けてない!」
その言葉を聞くと、なぜか涙が出てきた。
今まで我慢していた心の痛みがにじみ出てくるように、少しの間涙は止まらなかった。
僕が、泣き止むまで、ロールは僕をじっと無言で見つめてくれた。
「ありがとう……ございます。もう……大丈夫です」
そういうと、ロールは少し照れ臭そうに距離をとり、さっきの話の続きをしてくれる。
「その話を聞いて、余計にあなたが気に入ったわ!いい!結論から言うわよ!あなた!魔王になりなさい!」
「えっ……ま……魔王!?」
「そう。魔王よ!あなたも魔王候補でしょ!だから魔王になるの!そして国王になる私と一緒に人間と魔族の争いを止めましょう!長い争いを終わらせるのよ!」
ロールが国王で、僕が魔王。確かに僕は争いは嫌いだし。人間と共存できるならその方がいいとも思う。けど、そのためには、兄弟達みんなよりも強いことを証明しないといけない。それに魔王であるお父様をも倒せる証明が必要になる。
「ろ…ロールは出来るかもしれないけど、僕にはそんなことできませんよ……」
「そうね!私は出来るわ!兄様や姉様よりも手柄を立てればいいだけだもの。だけどね、あなたもできるわ!あなたには発現したばかりのスキルがあるじゃない!」
「確かに、コピーのスキルはありますけど……」
「もう!大丈夫よ!それよりも!敬語!やめなさい!なんか嫌だわ!」
「わ……わかったよ」
どうもロールは押しが強い。僕の方が年上のはずなのに全く逆らうことが出来ない。僕の性格のせいかもしれないけど。
「そうだ!ダイヤはコピーのスキルで今は何かコピー出来てないの?」
そういわれて、コピー出来ているスキルがあるか右手の甲を見てみた。
「あ!スキル4つコピー出来ているみたいだ!」
「え!どんなスキルなの?私スキルは見たことないの!人間は魔法が使えるけどスキルがある者はいないから見るの初めてだわ!」
僕は幼少期からずっとスキルに憧れていたから、たいていのスキルは王族の権限を使って調べたりしたこともある。
魔王城の書庫に、魔界で魔族が発現させたスキルをほぼすべて記録してまとめた本があったのだ。僕はスキルが全く発現しなかったからその本を見て、発現スキルについて日夜妄想していた。
僕のスキル〈コピー〉は、スキルを持つ相手に触れるとそのスキルをコピーすることが出来るというもの。そして、コピーしたスキルは右手の甲に魔界の文字で刻印される。
今の僕の右手の甲に4つの刻印がある。つまり、僕を人間界に運んだ魔物か魔族かと僕の手が触れたということだろう。その数が4体以上だったようだ。
僕の右手に刻印されたスキルはこの4つだった。
〈ヒートフィンガー〉
〈スライダー〉
〈スモーク〉
〈アルコールショット〉
確かこのスキルの効果は……。
僕がなぜ瀕死で倒れていたかをロールに説明すると、自分のことのように起こってくれた。
そして、僕より何歳も年下であろうに僕の頭の上に手をのせ撫でてくれる。
「あなたは頑張ったわ!だからこそ、そんなに強いスキルを得ることが出来たのよ!あなたはすごいわ!誇っていい!生きてるじゃない!あなたは他の魔王候補に負けてない!」
その言葉を聞くと、なぜか涙が出てきた。
今まで我慢していた心の痛みがにじみ出てくるように、少しの間涙は止まらなかった。
僕が、泣き止むまで、ロールは僕をじっと無言で見つめてくれた。
「ありがとう……ございます。もう……大丈夫です」
そういうと、ロールは少し照れ臭そうに距離をとり、さっきの話の続きをしてくれる。
「その話を聞いて、余計にあなたが気に入ったわ!いい!結論から言うわよ!あなた!魔王になりなさい!」
「えっ……ま……魔王!?」
「そう。魔王よ!あなたも魔王候補でしょ!だから魔王になるの!そして国王になる私と一緒に人間と魔族の争いを止めましょう!長い争いを終わらせるのよ!」
ロールが国王で、僕が魔王。確かに僕は争いは嫌いだし。人間と共存できるならその方がいいとも思う。けど、そのためには、兄弟達みんなよりも強いことを証明しないといけない。それに魔王であるお父様をも倒せる証明が必要になる。
「ろ…ロールは出来るかもしれないけど、僕にはそんなことできませんよ……」
「そうね!私は出来るわ!兄様や姉様よりも手柄を立てればいいだけだもの。だけどね、あなたもできるわ!あなたには発現したばかりのスキルがあるじゃない!」
「確かに、コピーのスキルはありますけど……」
「もう!大丈夫よ!それよりも!敬語!やめなさい!なんか嫌だわ!」
「わ……わかったよ」
どうもロールは押しが強い。僕の方が年上のはずなのに全く逆らうことが出来ない。僕の性格のせいかもしれないけど。
「そうだ!ダイヤはコピーのスキルで今は何かコピー出来てないの?」
そういわれて、コピー出来ているスキルがあるか右手の甲を見てみた。
「あ!スキル4つコピー出来ているみたいだ!」
「え!どんなスキルなの?私スキルは見たことないの!人間は魔法が使えるけどスキルがある者はいないから見るの初めてだわ!」
僕は幼少期からずっとスキルに憧れていたから、たいていのスキルは王族の権限を使って調べたりしたこともある。
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僕のスキル〈コピー〉は、スキルを持つ相手に触れるとそのスキルをコピーすることが出来るというもの。そして、コピーしたスキルは右手の甲に魔界の文字で刻印される。
今の僕の右手の甲に4つの刻印がある。つまり、僕を人間界に運んだ魔物か魔族かと僕の手が触れたということだろう。その数が4体以上だったようだ。
僕の右手に刻印されたスキルはこの4つだった。
〈ヒートフィンガー〉
〈スライダー〉
〈スモーク〉
〈アルコールショット〉
確かこのスキルの効果は……。
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