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プロローグ④
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要は、包丁を僕のお腹に数回刺し捻りながら抜きを繰り返す。
僕はすでに大量出血で意識がもうろうとしている。
要は、泣きながら僕を抱きしめ、言葉にならない言葉をぶつぶつとつぶやき続けている。
僕はもうすでに声を出せるほど気力が残っていない。
要、早くどこかに行かないと、ここはショッピングモールなんだから、平日とはいってもそろそろ人が来てもおかしくないよ。
あぁ、だめだ。目も見えなくなってきた。
光がなくなってきたとき、最後に要の声が聞こえた。
「あ………。リュウガ………。死んじゃった………?じゃあ、私も...死なないと………」
そこで僕の意識は完全に途切れた。
「………ガ!………ュウガ!リュウガ!リュウガ!起きて!」
要に呼ばれている。そう思い、目を開ける。
「リュウガ!あっ!やっと起きた!おはよう、リュウガ!」
そう言って、カナメは、僕に抱き着いてくる。
僕はまださえない頭を働かせながらカナメを抱きしめ返す。
「おはよう...カナメ。あれ?僕死んだんじゃなかったっけ?」
「何言ってるの?そんなどうでもいいことより。ここどこ?」
確かに、僕はカナメに殺された気がするんだけど...。まぁ、確かにここがどこだがもわからない。僕とカナメが寝ていたのは、木でできた家のさほど広くない部屋のベッドの上。
「あ!この家はね私達、最初はそこら辺の道端に寝てたんだけど、私が先に起きて、近くにこの家があったからリュウガを運んでこのベッドに寝かせてあげたんだよ!私は添い寝してあげてたの!ほめて!」
なるほど、知らない家に勝手に上がり込んでベッドまで………。とりあえずカナメの頭を撫でておいた。
カナメはえへへと照れている。
ただ、この家、いや部屋を見て思うのは、生活感のなさ。
周りの家具も壊れていたり、物がやけに少なかったり、今は誰も住んでいなさそうだ。
ならいいか。
「カナメ。外に出てこのあたりに何があるか見て回ろうと思うんだけど、歩ける?」
「うん!大丈夫だよ!はい!」
カナメが手を差し出してくるので、手を取り握り、立ち上がる。
カナメと一緒に外に出る。そういえば、今の家玄関はないし、1部屋しかないし、それで木造一軒家って、家というより小屋だな。
周りを見渡すと、ここは森の中の様だ。人の気配はないし、木しかない。
「僕たちが倒れていたのは、このあたり?」
「うん!」
そう言って、指をさすカナメの指は僕の足元を指している。
なるほど。
家の前には右と左に分かれた道があって、その道に倒れたということか。
陽の位置的に夜までまだ時間はありそうだけど、あまり遠くまで移動するのも危なそうだ。
だけど、不用意に行動してこの小屋を見失うのも………。まぁ、いいか。
僕一回死んでるはずだし。きっとここは天国か何かだろう。
あれ?てことは...。カナメも死んだのか?
「ねぇカナメ?カナメも死んだの?」
「うん。リュウガを殺した後に、私も自分で首を切って死んだよ?悪いリュウガが死んで良いリュウガとまた一緒に過ごせますようにって願いながら死んだからまた会えたの!またずっと一緒だよ!」
あぁ、やっぱりカナメに殺されてはいたんだ。
カナメが上目遣いで頭を差し出してくるので、頭を撫でておく。
カナメは嬉しそうに笑っている。なら……まぁいいか。
「カナメ、ここで休むのとどこかに歩いていくの。どっちがいい?」
「んー?リュウガに任せる」
「よし!じゃあ、あっちに行ってみようか」
「うんそうしよ!」
僕たちはテキトーに指をさしてみた右側の道を進むことにした。
僕はすでに大量出血で意識がもうろうとしている。
要は、泣きながら僕を抱きしめ、言葉にならない言葉をぶつぶつとつぶやき続けている。
僕はもうすでに声を出せるほど気力が残っていない。
要、早くどこかに行かないと、ここはショッピングモールなんだから、平日とはいってもそろそろ人が来てもおかしくないよ。
あぁ、だめだ。目も見えなくなってきた。
光がなくなってきたとき、最後に要の声が聞こえた。
「あ………。リュウガ………。死んじゃった………?じゃあ、私も...死なないと………」
そこで僕の意識は完全に途切れた。
「………ガ!………ュウガ!リュウガ!リュウガ!起きて!」
要に呼ばれている。そう思い、目を開ける。
「リュウガ!あっ!やっと起きた!おはよう、リュウガ!」
そう言って、カナメは、僕に抱き着いてくる。
僕はまださえない頭を働かせながらカナメを抱きしめ返す。
「おはよう...カナメ。あれ?僕死んだんじゃなかったっけ?」
「何言ってるの?そんなどうでもいいことより。ここどこ?」
確かに、僕はカナメに殺された気がするんだけど...。まぁ、確かにここがどこだがもわからない。僕とカナメが寝ていたのは、木でできた家のさほど広くない部屋のベッドの上。
「あ!この家はね私達、最初はそこら辺の道端に寝てたんだけど、私が先に起きて、近くにこの家があったからリュウガを運んでこのベッドに寝かせてあげたんだよ!私は添い寝してあげてたの!ほめて!」
なるほど、知らない家に勝手に上がり込んでベッドまで………。とりあえずカナメの頭を撫でておいた。
カナメはえへへと照れている。
ただ、この家、いや部屋を見て思うのは、生活感のなさ。
周りの家具も壊れていたり、物がやけに少なかったり、今は誰も住んでいなさそうだ。
ならいいか。
「カナメ。外に出てこのあたりに何があるか見て回ろうと思うんだけど、歩ける?」
「うん!大丈夫だよ!はい!」
カナメが手を差し出してくるので、手を取り握り、立ち上がる。
カナメと一緒に外に出る。そういえば、今の家玄関はないし、1部屋しかないし、それで木造一軒家って、家というより小屋だな。
周りを見渡すと、ここは森の中の様だ。人の気配はないし、木しかない。
「僕たちが倒れていたのは、このあたり?」
「うん!」
そう言って、指をさすカナメの指は僕の足元を指している。
なるほど。
家の前には右と左に分かれた道があって、その道に倒れたということか。
陽の位置的に夜までまだ時間はありそうだけど、あまり遠くまで移動するのも危なそうだ。
だけど、不用意に行動してこの小屋を見失うのも………。まぁ、いいか。
僕一回死んでるはずだし。きっとここは天国か何かだろう。
あれ?てことは...。カナメも死んだのか?
「ねぇカナメ?カナメも死んだの?」
「うん。リュウガを殺した後に、私も自分で首を切って死んだよ?悪いリュウガが死んで良いリュウガとまた一緒に過ごせますようにって願いながら死んだからまた会えたの!またずっと一緒だよ!」
あぁ、やっぱりカナメに殺されてはいたんだ。
カナメが上目遣いで頭を差し出してくるので、頭を撫でておく。
カナメは嬉しそうに笑っている。なら……まぁいいか。
「カナメ、ここで休むのとどこかに歩いていくの。どっちがいい?」
「んー?リュウガに任せる」
「よし!じゃあ、あっちに行ってみようか」
「うんそうしよ!」
僕たちはテキトーに指をさしてみた右側の道を進むことにした。
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