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プロローグ③
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要が落ち着いてから、僕達はフードコートでお昼ご飯を食べることにした。
フードコートというだけあって、いろんなお店が並んでいる。
平日ということもあってか、人もそんなにたくさんいないから、空いてるテーブルも結構ある。
席取りをしなくていいから、先に食べたいものを探すことにした。
「要は何が食べたい?」
「私、オムライスが食べたい!あ、でも、リュウガと同じのがいい!」
「じゃあ、僕もオムライス食べたいからオムライスにするよ」
「やったー!リュウガ大好き!」
要は手をぎゅーと握って、笑顔ではしゃぐ。
オムライスのお店に並び、店員さんに注文をする。
呼び出しの電子ベルをもらい、近くの通路側のテーブルに座った。
「こうやって、毎日リュウガとデート出来るなんて幸せだなぁ。リュウガもそう思うよね?」
「うん。僕は要のことが大好きだから、ずっと一緒にいられるなんで最高だよ」
「えへへ、私もリュウガ大好き!あー、早くオムライス来ないかなぁー?」
その時、通路側に座っていた僕のイスに鞄をぶつけてきた女性がいた。
「わっ…」
「あ、ごめんなさーい…わっ、ちょっとかっこいいんだけどいまの子、あ、でねー?昨日の講義マジ意味不明で…ずっと寝ちゃってたわー」
「マジ?そんなんじゃ留年するんじゃない?」
大学生だろうちょっとキレイ系の女性2人が、キャハハハ言いながら適当に謝って歩いていく。
別に僕はなんとも思わないが、不意にも驚いてわっ、なんて声が出てしまったことがよくなかった。
要がイスを思いっきり鳴らし、立ち上がる。
「私のリュウガにぶつかっておいて……。ちょっと!待ちなさいよ!ぶつかったんだから!リュウガに!ちゃんと謝りなさいよ!」
マズイ!と思った時には、もう遅い。僕はいつも1手、2手遅れてしまうんだ。
「は?何?謝ったんだけど?」
「テキトーに謝ってたじゃない!私のリュウガが驚いたのよ!?もっとしっかり謝りなさい!」
ヒートアップした要を落ち着かせるには、ほとぼりが冷めるまで待つしかない。
不用意に止めると、僕が要じゃない人を庇ったと思われてしまい、要を悲しませてしまう。
だが、そうもいかなくなってしまった。
「は?こいつやば。あんたもこんなのと付き合うのやめたら?」
お姉さんの1人が僕に話しかける。
その瞬間、要は2人に近づき、2人を殴ろうと拳を振り上げる。
流石に、それはよくないと思い、まあもうすでによくないことには変わらないんだけど。
要の手を握り、引っ張ってその場を走り去ろうとする。
「すみませんでしたーー!悪気はないんです!!」
突然の僕の行動にお姉さん2人は、あっけにとられており、要は僕の手から血が滲むほど、握った手に爪を食い込ませていた。
フードコートから離れ、人気のないショッピングモールの階段まで移動する。
僕が立ち止まると、要は手を離し、僕を蹴り飛ばす。
「なんで!私じゃなくて!あの2人を!かばうの!リュウガは!私だけのリュウガ!なのに!」
「ちがっ...。僕は要をっ………」
悔しさなのか、嫉妬なのか、言葉と共に零れ落ちる感情が暴力という形で僕にぶつけられる。
顔を腕を足を足を振りかぶり蹴り飛ばしてくる。
あのままだったら、要はあの2人のお姉さんを殴ってしまい、最悪警察沙汰になっていたかもしれない。
だから、止めた。でもそれは、要にとってはただの言い訳で、僕が裏切ったと思われても仕方ない。
僕は理由を話そうとしたが、無駄だと諦め、黙って要を受け入れる。
その間も僕の体は蹴られ続ける。
要は言葉にならない気持ちを発し続けている。
問題ない。いつものことだし。僕は痛みを感じない。
いや、痛みを感じないだとおかしいか。僕は、痛みで感情が揺さぶられない。要への気持ちは変わらない。
要は最後に僕の顔に思いっきり蹴りを食らわせ。
「………」
黙ってどこかへ去っていった。
大丈夫。問題ない。要はすぐに戻ってくる。
手をぐっぱぐっぱするときちんと動く。体のどこも、骨は大丈夫そうだ。
5分後
要は笑顔で戻ってきた。
「リュウガごめんね。私間違ってた」
そう言って、要は未だに体のダメージで壁に背を預け座っている僕に、目線を合わせて微笑みかけてくれる。
そして………。
後ろ手に隠していた包丁を………。
僕の目の前で見せびらかし...。
「大丈夫だよ。悪いリュウガは、私以外も見てしまう悪いリュウガは、私が殺してあげるから」
僕のお腹に包丁を突き立てた。
「だから、生まれ変わって良いリュウガになって」
あぁ、要。
僕が死んだら、要と一緒にいれないじゃないか。
フードコートというだけあって、いろんなお店が並んでいる。
平日ということもあってか、人もそんなにたくさんいないから、空いてるテーブルも結構ある。
席取りをしなくていいから、先に食べたいものを探すことにした。
「要は何が食べたい?」
「私、オムライスが食べたい!あ、でも、リュウガと同じのがいい!」
「じゃあ、僕もオムライス食べたいからオムライスにするよ」
「やったー!リュウガ大好き!」
要は手をぎゅーと握って、笑顔ではしゃぐ。
オムライスのお店に並び、店員さんに注文をする。
呼び出しの電子ベルをもらい、近くの通路側のテーブルに座った。
「こうやって、毎日リュウガとデート出来るなんて幸せだなぁ。リュウガもそう思うよね?」
「うん。僕は要のことが大好きだから、ずっと一緒にいられるなんで最高だよ」
「えへへ、私もリュウガ大好き!あー、早くオムライス来ないかなぁー?」
その時、通路側に座っていた僕のイスに鞄をぶつけてきた女性がいた。
「わっ…」
「あ、ごめんなさーい…わっ、ちょっとかっこいいんだけどいまの子、あ、でねー?昨日の講義マジ意味不明で…ずっと寝ちゃってたわー」
「マジ?そんなんじゃ留年するんじゃない?」
大学生だろうちょっとキレイ系の女性2人が、キャハハハ言いながら適当に謝って歩いていく。
別に僕はなんとも思わないが、不意にも驚いてわっ、なんて声が出てしまったことがよくなかった。
要がイスを思いっきり鳴らし、立ち上がる。
「私のリュウガにぶつかっておいて……。ちょっと!待ちなさいよ!ぶつかったんだから!リュウガに!ちゃんと謝りなさいよ!」
マズイ!と思った時には、もう遅い。僕はいつも1手、2手遅れてしまうんだ。
「は?何?謝ったんだけど?」
「テキトーに謝ってたじゃない!私のリュウガが驚いたのよ!?もっとしっかり謝りなさい!」
ヒートアップした要を落ち着かせるには、ほとぼりが冷めるまで待つしかない。
不用意に止めると、僕が要じゃない人を庇ったと思われてしまい、要を悲しませてしまう。
だが、そうもいかなくなってしまった。
「は?こいつやば。あんたもこんなのと付き合うのやめたら?」
お姉さんの1人が僕に話しかける。
その瞬間、要は2人に近づき、2人を殴ろうと拳を振り上げる。
流石に、それはよくないと思い、まあもうすでによくないことには変わらないんだけど。
要の手を握り、引っ張ってその場を走り去ろうとする。
「すみませんでしたーー!悪気はないんです!!」
突然の僕の行動にお姉さん2人は、あっけにとられており、要は僕の手から血が滲むほど、握った手に爪を食い込ませていた。
フードコートから離れ、人気のないショッピングモールの階段まで移動する。
僕が立ち止まると、要は手を離し、僕を蹴り飛ばす。
「なんで!私じゃなくて!あの2人を!かばうの!リュウガは!私だけのリュウガ!なのに!」
「ちがっ...。僕は要をっ………」
悔しさなのか、嫉妬なのか、言葉と共に零れ落ちる感情が暴力という形で僕にぶつけられる。
顔を腕を足を足を振りかぶり蹴り飛ばしてくる。
あのままだったら、要はあの2人のお姉さんを殴ってしまい、最悪警察沙汰になっていたかもしれない。
だから、止めた。でもそれは、要にとってはただの言い訳で、僕が裏切ったと思われても仕方ない。
僕は理由を話そうとしたが、無駄だと諦め、黙って要を受け入れる。
その間も僕の体は蹴られ続ける。
要は言葉にならない気持ちを発し続けている。
問題ない。いつものことだし。僕は痛みを感じない。
いや、痛みを感じないだとおかしいか。僕は、痛みで感情が揺さぶられない。要への気持ちは変わらない。
要は最後に僕の顔に思いっきり蹴りを食らわせ。
「………」
黙ってどこかへ去っていった。
大丈夫。問題ない。要はすぐに戻ってくる。
手をぐっぱぐっぱするときちんと動く。体のどこも、骨は大丈夫そうだ。
5分後
要は笑顔で戻ってきた。
「リュウガごめんね。私間違ってた」
そう言って、要は未だに体のダメージで壁に背を預け座っている僕に、目線を合わせて微笑みかけてくれる。
そして………。
後ろ手に隠していた包丁を………。
僕の目の前で見せびらかし...。
「大丈夫だよ。悪いリュウガは、私以外も見てしまう悪いリュウガは、私が殺してあげるから」
僕のお腹に包丁を突き立てた。
「だから、生まれ変わって良いリュウガになって」
あぁ、要。
僕が死んだら、要と一緒にいれないじゃないか。
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