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最悪の事態
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「来たか、シュウ!」
ギルドの扉を勢いよく開けると、中にいる顔見知り冒険者が俺を呼ぶ。
「一体なんの騒ぎだ!?」
「俺らも分からねぇ……」
「約立たずが……!」
「おい、聞こえてんぞ!」
俺たちが話していると、なにやら人一倍デカい図体の男が出てくる。
「アイツは一体……」
「たしか、ここのギルドのギルド長だったハズだぞ。普段はあまり顔を出さないハズだが……」
「……つまり、そのギルド長が出てくる程の緊急事態ってことかよ」
さっきから嫌な予感しかしねぇ……。頼むから軽い事で済んでくれよ……。
「今日はパーティーだぞー」とか、「実は僕ギルド長引退しまーす」とか、そんなことで済んでくれよ……?
「……今日皆に集まってくれたことは、他でもない……」
なんだ?他でもないなんだ?頼むから不安になるから余計に溜めないで!
「……この街周辺に魔王軍が確認された」
っざけんなテメー!序盤の街に襲撃するとか、この世界の魔王頭イカれてんじゃねぇの!?
「それも……魔王軍のトップ、四天王のうち一人だ」
「「「な、なんだってー!?」」」
なんだってー!?じゃねぇよ!何処のギャグ漫画だ!四天王って普通物語終盤に出てくる敵だろ!なんで最初の敵が四天王なんだよ!
「……しかも序列二位の強者だ」
さっきからなんでそんな嫌な情報しかないんだよ!もっと良い情報ねぇのかよ!
「幸い、城からも騎士団が普段よりも多めに出動されている。不幸中の幸い、といった所だろうか……」
あ、少しだけ良い情報あった。
「時間が無い! 早速で悪いが、今から街の外に出てもらう。魔王軍の襲撃に備えるんだ!」
「「「了解!」」」
もう俺だけ逃げ出そうかな……。いや、そんなわけにもいかないか。大体、逃げたところでまだこの辺の地理が分からないし、そこへんで野垂れ死にしそうだ。
ため息を吐いながらステータスカードを取り出す。
===
名前 ヤマニシ シュウ
性別 男性
年齢 16
職業 盗賊
レベル 18
HP 76/76
MP 38/38
攻撃力 58
物理防御 57
魔法防御 38
素早さ 77
知力 684
【スキル】
隠密Lv.3
敵感知Lv.1
危険感知Lv.1
千里眼Lv.1
===
……確かに大分レベルは上がってる。ホームレスの俺は、帰る場所も無いので他の冒険者よりも時間が有り余っている。だからレベルが上がるのは早い。
けど!だからってまだ四天王戦は早くないかな!?
……だが俺には『知力』と言う名のチートがある。これからは知力と書いてチートと読もう。
この世界は知力の高さによってスキルポイントの獲得量が左右される。ここだけは、学力至上主義である日本出身の俺の独壇場だ。
事実、俺の今のスキルポイント91だ。節約癖があったため、中々勿体なくて使えなかったが……この四天王戦で死んでしまえばそれまで。今回ばかりは全てのスキルポイントを使わせて貰う。
まず真っ先に取るべきは特殊スキルの『思考加速』。60ポイント使用して思考加速をレベル3まで上げる。そして次に10ポイント使って『危険感知』をレベル2に上げる。
「残り21ポイントか……」
適当に強そうなのを習得しても、中途半端にレベルを上げてもあまり効果は無いだろう。
ならば3ポイントで習得出来る魔法にポイント使うのが吉。
回復魔法はダメだな。四天王の攻撃を一撃でもくらってみろ。回復する間もなく死にそうだ。
闇魔法は魔王軍というだけあって効かなそうだな……。なら風か氷……。
「まぁ……氷属性魔法かな……」
氷なら、相手の動きを鈍く出来る可能性もある。15ポイント使って氷属性魔法をレベル5まで上げる。
あとは、5ポイントで強化スキルでも習得しておこう。何を強化してくれるのかは分からんが、少しは役に立つだろう。
===
名前 ヤマニシ シュウ
性別 男性
年齢 16
職業 盗賊
レベル 18
HP 76/76
MP 38/38
攻撃力 58
物理防御 57
魔法防御 38
素早さ 77
知力 684
【スキル】
隠密Lv.3
思考加速Lv.3
敵感知Lv.1
危険感知Lv.2
千里眼Lv.1
身体強化Lv.1
氷魔法Lv.5
===
「まぁ、こんなもんか」
強化スキルってのは身体強化のことだったのか……。結構使いやすそうなスキルで助かった。
「何ボサっとしてんだ、シュウ。早く行くぞ!」
「あぁ、行くか」
ギルドの扉を勢いよく開けると、中にいる顔見知り冒険者が俺を呼ぶ。
「一体なんの騒ぎだ!?」
「俺らも分からねぇ……」
「約立たずが……!」
「おい、聞こえてんぞ!」
俺たちが話していると、なにやら人一倍デカい図体の男が出てくる。
「アイツは一体……」
「たしか、ここのギルドのギルド長だったハズだぞ。普段はあまり顔を出さないハズだが……」
「……つまり、そのギルド長が出てくる程の緊急事態ってことかよ」
さっきから嫌な予感しかしねぇ……。頼むから軽い事で済んでくれよ……。
「今日はパーティーだぞー」とか、「実は僕ギルド長引退しまーす」とか、そんなことで済んでくれよ……?
「……今日皆に集まってくれたことは、他でもない……」
なんだ?他でもないなんだ?頼むから不安になるから余計に溜めないで!
「……この街周辺に魔王軍が確認された」
っざけんなテメー!序盤の街に襲撃するとか、この世界の魔王頭イカれてんじゃねぇの!?
「それも……魔王軍のトップ、四天王のうち一人だ」
「「「な、なんだってー!?」」」
なんだってー!?じゃねぇよ!何処のギャグ漫画だ!四天王って普通物語終盤に出てくる敵だろ!なんで最初の敵が四天王なんだよ!
「……しかも序列二位の強者だ」
さっきからなんでそんな嫌な情報しかないんだよ!もっと良い情報ねぇのかよ!
「幸い、城からも騎士団が普段よりも多めに出動されている。不幸中の幸い、といった所だろうか……」
あ、少しだけ良い情報あった。
「時間が無い! 早速で悪いが、今から街の外に出てもらう。魔王軍の襲撃に備えるんだ!」
「「「了解!」」」
もう俺だけ逃げ出そうかな……。いや、そんなわけにもいかないか。大体、逃げたところでまだこの辺の地理が分からないし、そこへんで野垂れ死にしそうだ。
ため息を吐いながらステータスカードを取り出す。
===
名前 ヤマニシ シュウ
性別 男性
年齢 16
職業 盗賊
レベル 18
HP 76/76
MP 38/38
攻撃力 58
物理防御 57
魔法防御 38
素早さ 77
知力 684
【スキル】
隠密Lv.3
敵感知Lv.1
危険感知Lv.1
千里眼Lv.1
===
……確かに大分レベルは上がってる。ホームレスの俺は、帰る場所も無いので他の冒険者よりも時間が有り余っている。だからレベルが上がるのは早い。
けど!だからってまだ四天王戦は早くないかな!?
……だが俺には『知力』と言う名のチートがある。これからは知力と書いてチートと読もう。
この世界は知力の高さによってスキルポイントの獲得量が左右される。ここだけは、学力至上主義である日本出身の俺の独壇場だ。
事実、俺の今のスキルポイント91だ。節約癖があったため、中々勿体なくて使えなかったが……この四天王戦で死んでしまえばそれまで。今回ばかりは全てのスキルポイントを使わせて貰う。
まず真っ先に取るべきは特殊スキルの『思考加速』。60ポイント使用して思考加速をレベル3まで上げる。そして次に10ポイント使って『危険感知』をレベル2に上げる。
「残り21ポイントか……」
適当に強そうなのを習得しても、中途半端にレベルを上げてもあまり効果は無いだろう。
ならば3ポイントで習得出来る魔法にポイント使うのが吉。
回復魔法はダメだな。四天王の攻撃を一撃でもくらってみろ。回復する間もなく死にそうだ。
闇魔法は魔王軍というだけあって効かなそうだな……。なら風か氷……。
「まぁ……氷属性魔法かな……」
氷なら、相手の動きを鈍く出来る可能性もある。15ポイント使って氷属性魔法をレベル5まで上げる。
あとは、5ポイントで強化スキルでも習得しておこう。何を強化してくれるのかは分からんが、少しは役に立つだろう。
===
名前 ヤマニシ シュウ
性別 男性
年齢 16
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レベル 18
HP 76/76
MP 38/38
攻撃力 58
物理防御 57
魔法防御 38
素早さ 77
知力 684
【スキル】
隠密Lv.3
思考加速Lv.3
敵感知Lv.1
危険感知Lv.2
千里眼Lv.1
身体強化Lv.1
氷魔法Lv.5
===
「まぁ、こんなもんか」
強化スキルってのは身体強化のことだったのか……。結構使いやすそうなスキルで助かった。
「何ボサっとしてんだ、シュウ。早く行くぞ!」
「あぁ、行くか」
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