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日本刀 を 手に入れた !

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「よーおっちゃん! 例のものができたって聞いたんだが」

 次の日、これは朝一番……とまではいかないが、比較的早めに武器屋を訪れる。

「おぅ兄ちゃん! 待ってたぜ」

 俺の声を聞いて、おっちゃんが店の奥から出て来る。おっちゃんの手には俺の頼んだ物が握られていた。

「それが例の物か?」
「そうだぞ」
「それで、たしか5万だっけか?」
「あぁ、前払いで5万貰った。残り5万だ」

 金銭確認を終えると、学生服のポケットから5万アルト取り出し、おっちゃんに渡す。

「……はいよ、確かに5万アルト頂いたぜ! ほら、約束の物だ」
「よっしゃ! 無理言って悪かったな、ありがとう!」

 そう嬉しがる俺におっちゃんが左手に握られた物を俺に差し出す。

「それにしても、随分と変わった刀身だな。兄ちゃんオリジナルのアイデアか?」
「そんなんじゃねぇよ。俺の知り合いが教えてくれたんだ。どっかの国の武器かもしれねぇけど、俺は知らねぇよ」

 そう言いながら、俺はを鞘から抜いて刀身を見つめる。うん、よく分かんねぇけど良さそうだ。

 そう、俺はおっちゃんに日本刀の製作を依頼した。日本刀なら軽く、扱いやすいだろうし、日本人と出会えばなにかアクションを貰えるかもしれない。

 決してカッコイイからとかそういうのではない。決して。絶対。

「知り合い? 兄ちゃん知り合いなんていたのか?」
「お前俺をなんだと思ってるんだ……。俺の言葉の訛りから分かるだろうけど、俺は他の国出身だ。そこに沢山いるよ」

 自分で言うのもなんだが、こうもスラスラと嘘が口から出ると、ある種の才能なのではないだろうかと思ってしまう。。日本にいる時もよく嘘ついてたし……。

「刀、だっけか? それ、確かに戦闘には向いているが、劣化が激しいな。ちょくちょく手入れしないとあっという間にポッキリいくぞ」
「あぁ、分かった。気を付けるよ」

 刀身を再び鞘へ収める。早速今日のゴブリン狩りで切れ味を確かめさせて貰おう。

「よし、なら早速ゴブリン狩りに行ってくるぜ!」
「全く……油断するなよ」
「安心しろ、俺は慎重さだけには定評があるんだ」

 嘘だけど。

「ならいいけどな」
「よっしゃ行ってく――」

 瞬間、街に警報が鳴り響いた。

――ブウゥウウウウウウウウン!!

「なんだ!? 一体なにが……!?」

 この妙に不安になる音。この世界の知識に乏しい俺でも、緊急事態だと一発で分かる。

「これは警報だ! 兄ちゃん冒険者だろ!? この警報は冒険者はギルドに集合の合図だ!」
「まじか! 勘弁してくれよ……」

 そう悪態つきながら、武器屋を飛び出してギルドへと向かう。頼むから命の危機に晒されないような事だといいな……。

 神様にでも祈っとくか。言語能力も無しに俺を異世界に飛ばした神なんざ信じたくねぇけど。
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