英国紳士の恋の作法

音羽夏生

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悪童の流儀(2)※

(6)

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 うつ伏せにされているせいで、ジェイムズの顔を見ることができなかったことは、レジナルドにとって幸いだった。レジナルドの婀娜な声に、ジェイムズは最高の玩具を手に入れた悪童そのものの、悪辣な笑みを浮かべていたからだ。
 耳や首筋、うなじを存分に舐め回し、レジナルドが身を震わせたところは強く吸い上げ、ジェイムズは着々と獲物に所有の痕を残していく。

 仕事にかまけて恋人を作らず、ろくに自慰もしないで放置されていた体は、レジナルドが自覚する以上に性的な刺激に飢えていた。一番弱いところを甘やかすような直截な手技に、何とか声は堪えても、んぅ、くぅん、と鼻を鳴らして悦んでいることを凌辱者に伝えてしまう。
 レジナルドの体の声に満足したように、上半身を起こすと、ジェイムズはいよいよ本気で秘処を攻略にかかった。竿を愛撫するだけではなく、残った片手で根元の双珠を揉み上げ、こりこりと転がしては、強情な唇からかすかな喘ぎ声を搾り取る。
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