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有能なる従僕の手法
(9)
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リンゴとオレンジを食べやすいよう切り分けて皿に盛る。解熱剤、水差し、湯気を立てているオートミールの椀と共に盆に載せ、寝室の扉を開けると、じっと扉の方を見ていたらしいジェイムズと目が合った。
「何だ、そんなに腹が空いていたのか」
小卓に盆を載せ、身を起こしたジェイムズの前に寝台卓をセットしてから食事を並べる。匙を渡してやり、グラスに水を注いで促すと、ジェイムズは無言のまま食べ始めた。
「食べながらでいいから聞いてくれ。今日はわたしがついているから、ゆっくり寝むといい。掃除婦と料理人を雇っていると言っていたけれど、掃除婦は今日来るのか?」
「いや」
「料理人は何時頃ここへ?」
「今日は休みを取っていて来ない」
このことをエリオットは知っていたのだろうか?
猛獣使いの手の平の上で転がされている気がしてならないが、何にせよ、随分と都合よく自分はここに残ったものだ。
「何だ、そんなに腹が空いていたのか」
小卓に盆を載せ、身を起こしたジェイムズの前に寝台卓をセットしてから食事を並べる。匙を渡してやり、グラスに水を注いで促すと、ジェイムズは無言のまま食べ始めた。
「食べながらでいいから聞いてくれ。今日はわたしがついているから、ゆっくり寝むといい。掃除婦と料理人を雇っていると言っていたけれど、掃除婦は今日来るのか?」
「いや」
「料理人は何時頃ここへ?」
「今日は休みを取っていて来ない」
このことをエリオットは知っていたのだろうか?
猛獣使いの手の平の上で転がされている気がしてならないが、何にせよ、随分と都合よく自分はここに残ったものだ。
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