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ハイド・パークの昼食、あるいはデート
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――銀の匙を咥えて生まれてきたような男の手に、買い物籠!
しかもその中味がお手製のサンドウィッチだと知った時、レジナルドは殆ど気絶せんばかりに驚いた。
(やんごとない生まれの君が、どうしてこんなことまでできるんだ、ジェイムズ…)
なるほど彼には従僕が必要だ、と妙に納得したものだ。手製の弁当を携えて王者のように、しかしいそいそとやって来るジェイムズは、善良な一般市民にとって視覚の暴力以外の何物でもない。
今日も今日とて場違いなオーラを撒き散らしているジェイムズの姿に内心ため息をつきながら、レジナルドは片手を上げて挨拶した。
「やあ、ジェイムズ」
「秒針レベルで時間通りだな、監督生」
眩しいものを見るように目を細めて応えるジェイムズに、肩を竦めてみせる。
「でも君を待たせたみたいだ」
「監督生に会うためなら、十年百年待たされてもかまわない」
「…それはどうも」
しかもその中味がお手製のサンドウィッチだと知った時、レジナルドは殆ど気絶せんばかりに驚いた。
(やんごとない生まれの君が、どうしてこんなことまでできるんだ、ジェイムズ…)
なるほど彼には従僕が必要だ、と妙に納得したものだ。手製の弁当を携えて王者のように、しかしいそいそとやって来るジェイムズは、善良な一般市民にとって視覚の暴力以外の何物でもない。
今日も今日とて場違いなオーラを撒き散らしているジェイムズの姿に内心ため息をつきながら、レジナルドは片手を上げて挨拶した。
「やあ、ジェイムズ」
「秒針レベルで時間通りだな、監督生」
眩しいものを見るように目を細めて応えるジェイムズに、肩を竦めてみせる。
「でも君を待たせたみたいだ」
「監督生に会うためなら、十年百年待たされてもかまわない」
「…それはどうも」
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