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猛獣使い
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嵐のように現れた『館』創設以来の悪童は、嵐のような宣言を放ち、呆然とするレジナルドにかまわず一方的に再訪を約束すると、嵐のように去っていた。
それが昨日の早朝。
そして一方的な約束通り、ジェイムズは再びザ・ジャロルズに現れた。ホテルに勤める自分には自由になる時間が少なく、また職場で会うのは何かと不都合なので、予定を確認した上で別の場所で会おうとレジナルドは提案したのだが。
(やはり人の話を聞いていなかったか…)
ため息しか出てこない彼の行動様式はいまだ健在、それに慣れ対等に渡り合っていた自分もまた健在なようで、脱力しつつもこの事態を予測していた自分に楽しかった学生時代を思い出し、レジナルドは何となく温かい気持ちになる。彼の親友にして悪友、悪戯の良き相棒だったアルバート・シェリングフォードは同じフラットの下階に住むご近所さんだそうで、再訪時には首に輪を掛けてでも連れて来て過去の不始末を詫びさせてやる、とジェイムズが偉そうに予告した時には、さすがに堪えきれず吹き出してしまった。
それが昨日の早朝。
そして一方的な約束通り、ジェイムズは再びザ・ジャロルズに現れた。ホテルに勤める自分には自由になる時間が少なく、また職場で会うのは何かと不都合なので、予定を確認した上で別の場所で会おうとレジナルドは提案したのだが。
(やはり人の話を聞いていなかったか…)
ため息しか出てこない彼の行動様式はいまだ健在、それに慣れ対等に渡り合っていた自分もまた健在なようで、脱力しつつもこの事態を予測していた自分に楽しかった学生時代を思い出し、レジナルドは何となく温かい気持ちになる。彼の親友にして悪友、悪戯の良き相棒だったアルバート・シェリングフォードは同じフラットの下階に住むご近所さんだそうで、再訪時には首に輪を掛けてでも連れて来て過去の不始末を詫びさせてやる、とジェイムズが偉そうに予告した時には、さすがに堪えきれず吹き出してしまった。
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