19 / 176
猛獣使い
(1)
しおりを挟む
嵐のように現れた『館』創設以来の悪童は、嵐のような宣言を放ち、呆然とするレジナルドにかまわず一方的に再訪を約束すると、嵐のように去っていた。
それが昨日の早朝。
そして一方的な約束通り、ジェイムズは再びザ・ジャロルズに現れた。ホテルに勤める自分には自由になる時間が少なく、また職場で会うのは何かと不都合なので、予定を確認した上で別の場所で会おうとレジナルドは提案したのだが。
(やはり人の話を聞いていなかったか…)
ため息しか出てこない彼の行動様式はいまだ健在、それに慣れ対等に渡り合っていた自分もまた健在なようで、脱力しつつもこの事態を予測していた自分に楽しかった学生時代を思い出し、レジナルドは何となく温かい気持ちになる。彼の親友にして悪友、悪戯の良き相棒だったアルバート・シェリングフォードは同じフラットの下階に住むご近所さんだそうで、再訪時には首に輪を掛けてでも連れて来て過去の不始末を詫びさせてやる、とジェイムズが偉そうに予告した時には、さすがに堪えきれず吹き出してしまった。
それが昨日の早朝。
そして一方的な約束通り、ジェイムズは再びザ・ジャロルズに現れた。ホテルに勤める自分には自由になる時間が少なく、また職場で会うのは何かと不都合なので、予定を確認した上で別の場所で会おうとレジナルドは提案したのだが。
(やはり人の話を聞いていなかったか…)
ため息しか出てこない彼の行動様式はいまだ健在、それに慣れ対等に渡り合っていた自分もまた健在なようで、脱力しつつもこの事態を予測していた自分に楽しかった学生時代を思い出し、レジナルドは何となく温かい気持ちになる。彼の親友にして悪友、悪戯の良き相棒だったアルバート・シェリングフォードは同じフラットの下階に住むご近所さんだそうで、再訪時には首に輪を掛けてでも連れて来て過去の不始末を詫びさせてやる、とジェイムズが偉そうに予告した時には、さすがに堪えきれず吹き出してしまった。
2
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる