230 / 237
19章 ※
13
しおりを挟む
気持ちがいいなどと生やさしいものではない。ずぅんと重く突き上げられ怖気上がった身体は、すべての感覚を置き去りにして快楽の階を一気に駆け上がった。
「あああぁぁ───……ッ!」
中を舐められた時は滴るようだったのが、二度目だというのに白濁はぴゅくっと勢いよく飛び散った。その勢いのまま、肉筒がぎゅうっと引き絞るように締まる。
雄の形にまた感じ、鳴きながらもう一つ上の悦楽に放り投げられた志貴の中に、男の精液がしたたかに迸った。
「あ……あ……、あふぅ……」
肉筒をしとどに濡らされる感触にすら感じ、志貴の唇の端から唾液がこぼれる。
だらしない顔をしていると自覚できても、初めての交情の凄まじさに意識が浮遊してしまい、何の反応もできない。
「──強烈だな。これがあんたの、恋人の可愛いがり方か? 何もしないうちに暴発させられたのは、ガキの頃以来だ。処女のくせに、とんでもない名器だな」
「……処女って、言うな……」
「ああ、たった今喪失したな。俺がもらったんだ」
誇らしげに宣言するテオバルドは、心底うれしそうだ。その顔に、男に対する気持ち悪い言葉遣いを非難する気も失せた。
そもそも呼吸は激しく波打ち、声を出すのも億劫なのだ。
「初めてって本当か?」
「何を、言って……」
「初めてにしては、感度も中の具合も良すぎるだろ。舐めた時のよがりぶりも相当だった。もしかして俺を思いながら、自分で弄ってたのか」
露骨で卑猥な言葉に煽られるのは、無意味だ。あっけらかんとした口振りから、揶揄だけではなく純粋な驚嘆によるものだとわかるから、無神経だと怒ることもできない。
それにその問いの答えは、もう一人の男が志貴の体に刻み込んだものだった。
「──弄られたことは、ある。そうして、解放されたんだ、何度も。何度も、感じて、私は……んうっ」
胸を喘がせながら露悪的に答える志貴の唇を、奪うようにテオバルドが塞ぐ。自身の欲望を堪えて大事に抱く価値のある人間ではない──言い募ろうとした言葉が、舌で喉の奥に押しやられる。
誰も聞きたくなどないだろう。今体を交わらせている恋人の、その体の不実など。
どくり、と志貴の奥深くに収まった雄が蠢いた。卑しさの告白が、図らずも男を煽ってしまったのかもしれない。
「馴らしには十分だな。そろそろ俺の花を咲かせようか」
「……君、……も、もう……?」
「さっきのしくじりは、なかったことにしてくれ」
テオバルドはからりと言い放つが、その目は獲物を前に舌舐めずりする肉食獣のように炯っている。
──その様に気づいてから、気にはなっていた。否、恐れを感じていた、と言った方が正しい。
あれほど長く射精しておきながら、志貴の中に居座ったままの雄は、まるで萎える気配がないのだ。それどころか、絶頂に痺れる肉筒に育てられたかのように、さらに硬さを増している。
殆ど動かず強引に射精に導かれたのなら、男の矜持が引き下がることを許さないかもしれないが──それにしても、まさか、このまま、二度目を始める気なのか。
「あああぁぁ───……ッ!」
中を舐められた時は滴るようだったのが、二度目だというのに白濁はぴゅくっと勢いよく飛び散った。その勢いのまま、肉筒がぎゅうっと引き絞るように締まる。
雄の形にまた感じ、鳴きながらもう一つ上の悦楽に放り投げられた志貴の中に、男の精液がしたたかに迸った。
「あ……あ……、あふぅ……」
肉筒をしとどに濡らされる感触にすら感じ、志貴の唇の端から唾液がこぼれる。
だらしない顔をしていると自覚できても、初めての交情の凄まじさに意識が浮遊してしまい、何の反応もできない。
「──強烈だな。これがあんたの、恋人の可愛いがり方か? 何もしないうちに暴発させられたのは、ガキの頃以来だ。処女のくせに、とんでもない名器だな」
「……処女って、言うな……」
「ああ、たった今喪失したな。俺がもらったんだ」
誇らしげに宣言するテオバルドは、心底うれしそうだ。その顔に、男に対する気持ち悪い言葉遣いを非難する気も失せた。
そもそも呼吸は激しく波打ち、声を出すのも億劫なのだ。
「初めてって本当か?」
「何を、言って……」
「初めてにしては、感度も中の具合も良すぎるだろ。舐めた時のよがりぶりも相当だった。もしかして俺を思いながら、自分で弄ってたのか」
露骨で卑猥な言葉に煽られるのは、無意味だ。あっけらかんとした口振りから、揶揄だけではなく純粋な驚嘆によるものだとわかるから、無神経だと怒ることもできない。
それにその問いの答えは、もう一人の男が志貴の体に刻み込んだものだった。
「──弄られたことは、ある。そうして、解放されたんだ、何度も。何度も、感じて、私は……んうっ」
胸を喘がせながら露悪的に答える志貴の唇を、奪うようにテオバルドが塞ぐ。自身の欲望を堪えて大事に抱く価値のある人間ではない──言い募ろうとした言葉が、舌で喉の奥に押しやられる。
誰も聞きたくなどないだろう。今体を交わらせている恋人の、その体の不実など。
どくり、と志貴の奥深くに収まった雄が蠢いた。卑しさの告白が、図らずも男を煽ってしまったのかもしれない。
「馴らしには十分だな。そろそろ俺の花を咲かせようか」
「……君、……も、もう……?」
「さっきのしくじりは、なかったことにしてくれ」
テオバルドはからりと言い放つが、その目は獲物を前に舌舐めずりする肉食獣のように炯っている。
──その様に気づいてから、気にはなっていた。否、恐れを感じていた、と言った方が正しい。
あれほど長く射精しておきながら、志貴の中に居座ったままの雄は、まるで萎える気配がないのだ。それどころか、絶頂に痺れる肉筒に育てられたかのように、さらに硬さを増している。
殆ど動かず強引に射精に導かれたのなら、男の矜持が引き下がることを許さないかもしれないが──それにしても、まさか、このまま、二度目を始める気なのか。
31
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる