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19章 ※
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テオバルドが、膝裏に掛けた手にぐっと力を入れた。あられもなく晒された尻の双丘の狭間に、掴んだ自身の欲望の先端を押し当てる。──生々しい、生の証を。
志貴の痴態に煽られ、十分に勃起したテオバルドの陰茎は、殆どの男が劣等感を抱くと思われるほど長大だった。高く反り返る様は優美な大刀だが、相当な太さがあり、とても男の身ですべてを受け入れられるとは思えない。
いつだったかテオバルドが、自身を巨大な陰茎を持つ半人半獣の精霊になぞらえ、その持ち物を自慢したことがあった。テオバルドとの距離の取り方を計りかねていた頃で、過剰なからかいに辟易しすげなくあしらったが、誇張などではなかったのだ。
凄まじい威容に強張る志貴に気づきながら、テオバルドはもう一欠片の遠慮も見せなかった。
「忘れるな、俺があんたの初めての男だ。──愛してる、志貴」
鋭い切っ先をためらうことなく濡れた後孔に押し入れ、ずぷっとくびれまで含ませる。男の形に拡げられ、その太さに添って健気に口を開く様を堪能しながら、じりじりと腰を進めていく。
逸りながらも、急でも乱暴でもない、十分にいたわりを感じられる挿入に──志貴は拓かれていく。
「く、ふぅっ……はぁっ、あっ……んんっ」
真上から串刺しにするように、長いだけでなく太さも誇る雄に犯される。その様を目を逸らすことも許さず見せつけてくる男に、つい縋る眼差しを向けていた。
太く硬いもので隘路を押し拡げられ、引き裂かれるような苦痛が喉を震わせる。どれほど舌と指で馴らされても、入ってくるものが大きすぎて、受け入れようとするより先に体が拒むのだ。
実って透明な蜜を浮かべていた欲望も、痛みに弱々しく萎れていく。
その様を気にしたテオバルドが、哀れな陰茎を掴み、ゆるゆると扱き始めた。反応を窺いながらのやさしい愛撫に、強張っていた体から力が抜ける。
気遣う気配に、素直に泣き言をこぼす気になれた。
「……酷いことはしないと、言ったのに……っ」
「仕方がない、破瓜の痛みだ。愛する男に処女を捧げたご感想は?」
まったく反省した風もなく、テオバルドがニヤリと笑う。
色気の滴るそれに誤魔化されそうになり、ふざけた言い草も悔しくて涙目で睨み上げると、余裕を見せていた男が息を詰めた。
「っ……そんな目で見るな、イっちまうだろ」
「ぜひ、そうしてくれ……君は、大きすぎる、──あっ、あアァッ!」
突然の衝撃に、恨み言が嬌声で掻き消された。
慎重に奥へと入り込んでいたテオバルドが、志貴の最も弱いところ──前立腺を鋭く抉ったのだ。
ゾクゾクと腰骨を這い上がるような快楽に肌が粟立ち、拓かれる痛みが遠のく。
「あっ、あっ、アァッ、そこ、そんなに、ぁんッ!」
「酷い目に遭わせてるのは、どっちだ……!」
悔しそうな声にも、してやったりと返す余裕などない。続けざまにそこを押し潰され、堪えようとしても喘ぎが唇を割る。
志貴の痴態に煽られ、十分に勃起したテオバルドの陰茎は、殆どの男が劣等感を抱くと思われるほど長大だった。高く反り返る様は優美な大刀だが、相当な太さがあり、とても男の身ですべてを受け入れられるとは思えない。
いつだったかテオバルドが、自身を巨大な陰茎を持つ半人半獣の精霊になぞらえ、その持ち物を自慢したことがあった。テオバルドとの距離の取り方を計りかねていた頃で、過剰なからかいに辟易しすげなくあしらったが、誇張などではなかったのだ。
凄まじい威容に強張る志貴に気づきながら、テオバルドはもう一欠片の遠慮も見せなかった。
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逸りながらも、急でも乱暴でもない、十分にいたわりを感じられる挿入に──志貴は拓かれていく。
「く、ふぅっ……はぁっ、あっ……んんっ」
真上から串刺しにするように、長いだけでなく太さも誇る雄に犯される。その様を目を逸らすことも許さず見せつけてくる男に、つい縋る眼差しを向けていた。
太く硬いもので隘路を押し拡げられ、引き裂かれるような苦痛が喉を震わせる。どれほど舌と指で馴らされても、入ってくるものが大きすぎて、受け入れようとするより先に体が拒むのだ。
実って透明な蜜を浮かべていた欲望も、痛みに弱々しく萎れていく。
その様を気にしたテオバルドが、哀れな陰茎を掴み、ゆるゆると扱き始めた。反応を窺いながらのやさしい愛撫に、強張っていた体から力が抜ける。
気遣う気配に、素直に泣き言をこぼす気になれた。
「……酷いことはしないと、言ったのに……っ」
「仕方がない、破瓜の痛みだ。愛する男に処女を捧げたご感想は?」
まったく反省した風もなく、テオバルドがニヤリと笑う。
色気の滴るそれに誤魔化されそうになり、ふざけた言い草も悔しくて涙目で睨み上げると、余裕を見せていた男が息を詰めた。
「っ……そんな目で見るな、イっちまうだろ」
「ぜひ、そうしてくれ……君は、大きすぎる、──あっ、あアァッ!」
突然の衝撃に、恨み言が嬌声で掻き消された。
慎重に奥へと入り込んでいたテオバルドが、志貴の最も弱いところ──前立腺を鋭く抉ったのだ。
ゾクゾクと腰骨を這い上がるような快楽に肌が粟立ち、拓かれる痛みが遠のく。
「あっ、あっ、アァッ、そこ、そんなに、ぁんッ!」
「酷い目に遭わせてるのは、どっちだ……!」
悔しそうな声にも、してやったりと返す余裕などない。続けざまにそこを押し潰され、堪えようとしても喘ぎが唇を割る。
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