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16章※
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潤滑剤として男の体液を尻の中に、そして今夜は、男の「遊び」でぷっくりとふくらんでしまった乳首にも塗りたくられる。それは、三ヵ月もの間迎え入れる指もなく、すっかり固く閉じてしまった中を、以前のようにやわらかくほころぶまでくつろげる、長い行為を意味していた。
延々と続く手技の間、潤いが足らなくならないように、志貴は一洋の欲望を扱くように命じられた。一洋が溢れさせる透明な雫も、噴き出す勢いで迸る白濁も、すべて志貴を潤わせていく。
中を拡げられる愉悦に啼きながら、雄々しいものに手を添え奉仕する行為は、命じられたというよりは、許されたという方が正しいかもしれない。唯一許された献身――一洋の欲望に寄り添う行為を、志貴は嬉々として受け入れたのだから。
「……はっ、あ、あぅ……は……んぁっ」
一本の指でもきつかったそこを、一洋は辛抱強くくつろげ、かつてのように三本飲み込めるようになる頃には、すでに二時間近くが経っていた。
穴に指を入れられたままの志貴は、その間に二度達し、自身の白濁も中を潤わせるのに使われた。一洋と自分のものが体内で混ざり合い、染み込んでいく。
昼寝の前には、精路もそうして支配されたのだ――男の象徴の中までも。被虐的な思いに、体がさらに高まっていく。
互いへの執着を深めながらも一線は越えない、この生々しい行為を、どんな名で呼べばいいのか志貴にはわからなかった。相互自慰というには背徳的で、情交と呼ぶには体の交わりが足らない。口づけすらも交わさずに、二人は濡れていく。
それでも、その精にぬるぬると侵された中は、もう処女地とは呼べない気がした。一洋の精液に灼かれ、被虐の快楽に堕ちた精路も――。
男を知らないまま、志貴の体は穢されたのだ。二人の執着と欲望に。
そう思い至った時、理由のわからない涙がすっと眦から流れ落ちた。
(どうして……)
自身の目的のためにやさしい幼馴染を縛り付けようとする、不誠実で醜い人間に、綺麗な涙は似合わない。頬を濡らすのは、おそらく過ぎた快楽の発露だろう。
その証拠に、今はもう切羽詰まった喘ぎ声でしか、一洋の名を呼ぶことができない。
「……は、んっ、……イチ兄さん……っ」
とっくに蕩けているのに、一洋は指を入れたまま執拗に中を拡げ、擦り上げる。終わりの見えない行為に目眩を感じ、志貴は男の腕に縋りついた。
「もう、出ない、……も、無理……っ」
「嘘を吐くな。お前の、また勃ってるぞ」
「おかしく、なってるだけ……にぃさん、もぅ、いや……あぁん!」
ずぶぅっ、とぬかるんだ肉の狭間を太い指が貫き、前立腺を押し上げる。背を仰け反らせ、志貴は高く鳴いた。男に縋っていた腕が力を失い、シーツの上に落ちる。
今夜の『薬』は中を拡げ手懐けるのを目的としているらしく、一洋はなかなか前立腺を触ってくれなかった。あまりのつらさに志貴が根を上げると、こうして言い聞かせるように指先で潰される。
それは褒美ではなく、懲罰だった。鋭い快楽で志貴を陥落させながら、加減をよく知る指は射精には導いてくれないのだ。
延々と続く手技の間、潤いが足らなくならないように、志貴は一洋の欲望を扱くように命じられた。一洋が溢れさせる透明な雫も、噴き出す勢いで迸る白濁も、すべて志貴を潤わせていく。
中を拡げられる愉悦に啼きながら、雄々しいものに手を添え奉仕する行為は、命じられたというよりは、許されたという方が正しいかもしれない。唯一許された献身――一洋の欲望に寄り添う行為を、志貴は嬉々として受け入れたのだから。
「……はっ、あ、あぅ……は……んぁっ」
一本の指でもきつかったそこを、一洋は辛抱強くくつろげ、かつてのように三本飲み込めるようになる頃には、すでに二時間近くが経っていた。
穴に指を入れられたままの志貴は、その間に二度達し、自身の白濁も中を潤わせるのに使われた。一洋と自分のものが体内で混ざり合い、染み込んでいく。
昼寝の前には、精路もそうして支配されたのだ――男の象徴の中までも。被虐的な思いに、体がさらに高まっていく。
互いへの執着を深めながらも一線は越えない、この生々しい行為を、どんな名で呼べばいいのか志貴にはわからなかった。相互自慰というには背徳的で、情交と呼ぶには体の交わりが足らない。口づけすらも交わさずに、二人は濡れていく。
それでも、その精にぬるぬると侵された中は、もう処女地とは呼べない気がした。一洋の精液に灼かれ、被虐の快楽に堕ちた精路も――。
男を知らないまま、志貴の体は穢されたのだ。二人の執着と欲望に。
そう思い至った時、理由のわからない涙がすっと眦から流れ落ちた。
(どうして……)
自身の目的のためにやさしい幼馴染を縛り付けようとする、不誠実で醜い人間に、綺麗な涙は似合わない。頬を濡らすのは、おそらく過ぎた快楽の発露だろう。
その証拠に、今はもう切羽詰まった喘ぎ声でしか、一洋の名を呼ぶことができない。
「……は、んっ、……イチ兄さん……っ」
とっくに蕩けているのに、一洋は指を入れたまま執拗に中を拡げ、擦り上げる。終わりの見えない行為に目眩を感じ、志貴は男の腕に縋りついた。
「もう、出ない、……も、無理……っ」
「嘘を吐くな。お前の、また勃ってるぞ」
「おかしく、なってるだけ……にぃさん、もぅ、いや……あぁん!」
ずぶぅっ、とぬかるんだ肉の狭間を太い指が貫き、前立腺を押し上げる。背を仰け反らせ、志貴は高く鳴いた。男に縋っていた腕が力を失い、シーツの上に落ちる。
今夜の『薬』は中を拡げ手懐けるのを目的としているらしく、一洋はなかなか前立腺を触ってくれなかった。あまりのつらさに志貴が根を上げると、こうして言い聞かせるように指先で潰される。
それは褒美ではなく、懲罰だった。鋭い快楽で志貴を陥落させながら、加減をよく知る指は射精には導いてくれないのだ。
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