健康オタク、異世界へ

姫乃 ひな

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1章 出会いです?

3 . 誰ですか?

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「誰かいるのか?」

 突然の声にロゼリアは驚いてローランドにしがみ付いて隠れてしまった。

「ガルルル」

 ローランドが威嚇するように呻る。現れたのは紫の瞳に銀髪の綺麗な男だった。男はローランドに威嚇され少し目を見開いていた。

「ジャピュータそんなに威嚇しないでくれ。君がこんな手前まで来るなんて珍しいね。どうしたんだい?」

「あっあの、お兄さんは誰ですか?」

 お兄さんと呼ばれた男はさらに驚いていた。いつもは穏やかなジャピュータの威嚇に突然現れた少女。男はとりあえず話してみることにした。

「僕はガーディナル侯爵家の息子、ウィルフレッドだよ。君は誰かな?」

《ロゼ、大丈夫だ。こいつは信用できる奴だ。何があっても俺がついてる。》

未だ怯えたようなロゼリアにローランドは優しく声をかけた。

「……私はロゼリアです。えっと、気づいたらこの森にいて、それで……」

ロゼリアは必死に今の自分の状況を伝えようとした。しかし、精神が体に引っ張られているからかうまく言葉にできずに今にも泣きそうな表情をしていた。

「大丈夫だよ。ゆっくりでいい。説明が難しいなら僕から質問をしていいかい?」

ウィルフレッドの言葉にロゼリアはコクンと頷いた。

「じゃあ、君はどこから来たんだい?」

「多分この世界じゃないところです。日本ってところです。」

帰ってきた答えにウィルフレッドはまたも驚いていた。

「そうか。ロゼリア、ロゼって呼んでもいいかい?」

ロゼリアはまたコクンと頷いた。

「気づいたらここにいたと言うことは、ロゼはここがどこだかもこの世界のことも何も知らないということだね。」

そう言うとウィルフレッドは少し考え込んでしまった。
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