三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃

紫月 由良

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終幕後03 アーヴァイン大司教の活躍

14. リリーの結婚と地方貴族の諍い 5

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 ゴールトンが処刑され、家が取り潰されたのは約半年後だった。事件が多すぎ、全てを調べ切るのに時間がかかったからだ。

 カーティス伯爵は罪の全てを詳らかにした功績で報奨金を得たが、被害者やその家族の救済にと、全額をその場で寄付した。

 長男の醜聞からくる損害は大きかったが、しかし自分よりも困窮した家への配慮をみせた。

 そもそもカーティス伯爵は報奨金を目当てにしていなかった。かつて自分が犯した罪を償う気持ちから全力を尽くして、ゴールトンの罪を全て調べ上げたのだ。

 罪が明らかになれば、没収された財産から被害者の救済が行われる。それを見込んでのことだった。

 己の面子のためではなく、見ず知らずの他人のために行為によって、カーティス伯爵は汚名を雪いだのだ。





「報奨金を受け取っておいてもよかったのでは?」

 アーヴァインはイライジャとリリーの結婚式の後、カーティスに話しかけた。

「いいえ、報奨金がなくとも我が家は立て直せます。息子は私よりも良い領主になり家を栄えさせることができるでしょう」

「無欲ですね」

「無欲ではありません。ただの罪滅ぼしです。長男が犯した罪を私はできるだけ小さくしようと奔走しました。犠牲になった嫁を見捨てて。相手は成人したとはいえ、まだ手を貸す必要があるような少女でした。彼女が嫁いできてから、私は気を使う振りをしていただけで、何も見ていなかった。幼い少女を不幸にした挙句、家の事だけしか考えなかったのです。人として最低の行いでした」

「今、彼女は幸せですよ」

「それが何よりも救いです」

「カーティス伯爵、人は過ちを犯す生き物です。神はすべてを見ておられ、そして許します。あなたもとうの昔に許されていますよ」

「そうでしょうか……」

 囁くように呟いたその顔に一筋の涙が伝った。
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