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26 結界の中の最後
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総本山みたいな所の事を思い出したのは何か予感めいたものだったのかね。
どこかで召喚術の魔法陣を描いている気配がして、追ってみたらあそこだった。
頑張って庭で食べられる草でも育てて生き残ってるんだと思った。そしたらもっと手っ取り早い方法で生き残ってた。
あの時一瞬蟲毒みたいになったなあ、なんて呑気に思ったら本当にそうなってた。タンパク質補給の為に保存魔法を使ったらしい。魔法の残滓があった。
実際に生き残ってるのが何人か知らないけど、この召喚術で魔力切れを起こして間違いなく全員死ぬ。
あの時言っていた“考えがある”ってこれかな?そんなに私に仕返ししたかったのかいと、その執念に涙が出そうになる。無駄な頑張りが気の毒で。
召喚術を行使してもどこにも繋がらないから魔力を無駄に消費するだけだって話、公表していなかったんだ。これからもする気はない。
どこかとんでもない世界に繋いで、密林で光学迷彩使っていた宇宙人とか、顔にしがみついてくるやつとか、南極にいた生きものとか、でっかい宇宙人みたいなのを出してやってもいいんだけど、それを最後に片づけるのは私って事になるのでやめにした。本当にやったらバカみたいじゃん、私が。
なんでもっと人が多く居た早い時期にやろうとしなかったんだろう?賛成派と反対派で争ったとか?その結果が蟲毒状態なのかねえ。
気にはなるけど出向かない。これ以上は探らない。結界が消えたら建物の掃除に行こうと思う。
半ば忘れかけてた数日後、結界が消えた。とうとう全滅したんだね。
現地に飛んで上空から様子を伺う。手入れのされてない前庭、中庭、裏庭、回廊、とにかく外に死体はない。
透視で中を調べてみると大広間に魔法陣があった。完成してるけど供給する魔力がないので休止状態になっている。これは物理的に壊せば問題ない。
魔法陣の周りには数人の死体があった。これが生き残ってた人間か。あの偉そうなおっさんの死体もあった。皆、無理やり魔力を吸われた訳ではないので干乾びてはいないが、痩せこけている。寝食忘れて没頭してたのか。
建物はあの大神殿よりも大きい。権威の象徴と言わんばかりだ。
大広間以外では貯蔵庫……食品貯蔵庫に死体があった。肉が剥がされたものとか骨だけになったものとか。やっぱり保存魔法がかかっている。
全部まとめて大広間の魔法陣の上に移動させた。魔法陣の周りにあった死体も魔法陣の上にひとまとめにした。
気が滅入ってきたのでボトルに入れて持参したコーヒーを飲んで一息ついた。死体の上空でこんな事して罰が当たるかもと一瞬思ったが、罰当てるのは私の仕事だったわ。
気を取り直して死体の処理に浄化の火を使おうと思ったところで閃いた。
丸ごとお日様に放り込んじゃえ☀
そうと決まれば敷地内全域、建物の土台から屋根、庭の元花壇まで死体ごとごっそり太陽へ瞬間移動。直撃させなくても近くなら引力で引っ張られるし、燃えなくても熱で蒸発するし。
遠見の力で間違いなく消滅したのを確認。
敷地は綺麗な更地になった。このままでは土砂崩れが起きやすいかもしれないので付近の木を数本植え替えする。しっかり根を張ってくれ給えと加護を授ける。地面の方も長年建物の下敷きになっていて栄養とかが怪しいので加護と祝福を授ける。
下草は風や鳥や虫が種を運んだり、敷地との境界に生えてる草が根を伸ばすだろう。
一仕事終えて、ボトルに残っていたコーヒーを飲んだ。やっぱり休憩って大事。
どこかで召喚術の魔法陣を描いている気配がして、追ってみたらあそこだった。
頑張って庭で食べられる草でも育てて生き残ってるんだと思った。そしたらもっと手っ取り早い方法で生き残ってた。
あの時一瞬蟲毒みたいになったなあ、なんて呑気に思ったら本当にそうなってた。タンパク質補給の為に保存魔法を使ったらしい。魔法の残滓があった。
実際に生き残ってるのが何人か知らないけど、この召喚術で魔力切れを起こして間違いなく全員死ぬ。
あの時言っていた“考えがある”ってこれかな?そんなに私に仕返ししたかったのかいと、その執念に涙が出そうになる。無駄な頑張りが気の毒で。
召喚術を行使してもどこにも繋がらないから魔力を無駄に消費するだけだって話、公表していなかったんだ。これからもする気はない。
どこかとんでもない世界に繋いで、密林で光学迷彩使っていた宇宙人とか、顔にしがみついてくるやつとか、南極にいた生きものとか、でっかい宇宙人みたいなのを出してやってもいいんだけど、それを最後に片づけるのは私って事になるのでやめにした。本当にやったらバカみたいじゃん、私が。
なんでもっと人が多く居た早い時期にやろうとしなかったんだろう?賛成派と反対派で争ったとか?その結果が蟲毒状態なのかねえ。
気にはなるけど出向かない。これ以上は探らない。結界が消えたら建物の掃除に行こうと思う。
半ば忘れかけてた数日後、結界が消えた。とうとう全滅したんだね。
現地に飛んで上空から様子を伺う。手入れのされてない前庭、中庭、裏庭、回廊、とにかく外に死体はない。
透視で中を調べてみると大広間に魔法陣があった。完成してるけど供給する魔力がないので休止状態になっている。これは物理的に壊せば問題ない。
魔法陣の周りには数人の死体があった。これが生き残ってた人間か。あの偉そうなおっさんの死体もあった。皆、無理やり魔力を吸われた訳ではないので干乾びてはいないが、痩せこけている。寝食忘れて没頭してたのか。
建物はあの大神殿よりも大きい。権威の象徴と言わんばかりだ。
大広間以外では貯蔵庫……食品貯蔵庫に死体があった。肉が剥がされたものとか骨だけになったものとか。やっぱり保存魔法がかかっている。
全部まとめて大広間の魔法陣の上に移動させた。魔法陣の周りにあった死体も魔法陣の上にひとまとめにした。
気が滅入ってきたのでボトルに入れて持参したコーヒーを飲んで一息ついた。死体の上空でこんな事して罰が当たるかもと一瞬思ったが、罰当てるのは私の仕事だったわ。
気を取り直して死体の処理に浄化の火を使おうと思ったところで閃いた。
丸ごとお日様に放り込んじゃえ☀
そうと決まれば敷地内全域、建物の土台から屋根、庭の元花壇まで死体ごとごっそり太陽へ瞬間移動。直撃させなくても近くなら引力で引っ張られるし、燃えなくても熱で蒸発するし。
遠見の力で間違いなく消滅したのを確認。
敷地は綺麗な更地になった。このままでは土砂崩れが起きやすいかもしれないので付近の木を数本植え替えする。しっかり根を張ってくれ給えと加護を授ける。地面の方も長年建物の下敷きになっていて栄養とかが怪しいので加護と祝福を授ける。
下草は風や鳥や虫が種を運んだり、敷地との境界に生えてる草が根を伸ばすだろう。
一仕事終えて、ボトルに残っていたコーヒーを飲んだ。やっぱり休憩って大事。
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