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14 ぶらり異世界散歩旅 夜空編

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 どこかの原っぱに敷物を広げて仰向けに転がる。ベイビーは私の脇腹に背中をつけて横になっている。体温が心地いい。
 満点の星空を見上げる。人生で初めてだ。
 

 私、天の川って見た事なかったんだよね。停電になった時は全然頭になくて、復旧してから天の川見れたかもって気がついたんだよね。
「テイデンって何だよ」
 都市部育ちで、夜でも明るくて、星は一等星でも暗くてよく見えなくてさ。
「トシブって首都か?城下育ちって自慢か?」

 こうしてみるとこの世界の成り立ちって言うの?異世界でも物理法則って同じなんだなあって思うのよ。思うだけね、調べてないから。
 なんでも、物理法則は宇宙共通だったかな?そんな話を何かで読んでさ。
「ブツリって何だよ。ウチュウって空か?」
 
 物理って私の苦手科目でさ。数学も苦手で。何が分からないかが分からないって言うのを初めて体験したね。
「スウガク……」

 地学も苦手だったんだ。数学でまだ習ってない三角関数だったかな、なんか公式が出てきて、先生が何言ってんのか分からなくて散々だったんだよね。
「俺はさっきからあんたが何言ってんのか解んねえよ」

 そうだ、今の私なら宇宙の果てまで行けるんだ。宇宙服着なくても平気なんだ。行ってみようかなあ。でもこの世界の宇宙だから画像で見たなんとか星雲とかないんだよなあ。しかも画像って加工して公開してるから肉眼では画像と同じに見えないんだっけか。
「……」


 さて、もう帰るかな。はい、抱っこするよ。
 私の独り言に付き合ってくれてありがとね、追剥さん。
「礼はいらねえ、縄ほどいてくれ」 
 それは無理だなあ。誰かに見つかるまでそこに居てね。


 星空を観るために場所探ししてたら、女一人と小さい犬でいい獲物と思われたらしく、ナイフ持った男が目の前に出てきた。すぐさまロープでぐるぐる巻きにしてやって放っておいたけど、ツッコミしてくれるとは思わなかった。

 朝になったら誰かが見つけるかもね。多分命の危険はないはず。
 虫に刺されるとは思うけど。



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