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訪れる放課後

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「……はぁ~、何であんな奴のこと信用したんだろうな、僕……もう最悪」

「最悪~…?全部聞こえてますけど~???」

「ひっ」


思わず拒否反応を起こしてしまう。僕、椎那麗威はとある事情で空き教室に居た。
僕だけじゃない、弑名翔望というあの笑顔爆弾も。


「受け入れたのお前じゃん、ほら着替えて」

「…………弑名……くんも着替えるんでしょ」

「何でそこ疑うんだよ」


けらけらと笑い転げる弑名。ムカつく。


「んじゃ俺ここで着替えっからそっちのカーテンみてーなやつの後ろで着替えろよ~」


何でこんなことに巻き込まれなきゃいけないんだ。インターネットで知り合った人間と簡単に会うんじゃなかった。しかも同じ学校だし。
しかもコイツ、僕みたいな女装する男が性癖とか頭おかしいだろ……

僕はパーティションの裏に隠れてのそのそと着替えながら、鑑賞会という今から起こる地獄を思い浮かべてげんなりしていた。


「はぁ、終わったよ……え、は?」


着替えが終わった僕を待っていたのは着替え途中の翔望。いつも早く着替え終わっているので完全に油断した、気まずいにも程がある。


「あ、やっと来たなお前ぇ……おっそいんだよ、待ちくたびれちった」

「……は?そんな変な格好で何言ってんの、女装するクラスメイト見るの大好きな変態だった癖に他のジャンルの変態にもなってない?」

「うへぇ、辛辣だよなぁお前。そーだよ、変態だよ。今日決心しちゃったんだよ、もうお前のこと犯そっかなぁって」


話が飛躍しすぎて誰もついていけない。何言ってんだこいつ、というような目で翔望を見る。


「はぁ……?僕男なんだけど。頭大丈夫?」

「え、男とか関係無くね?」

「いや、そう……だけど…………僕には関係ないじゃん」


そう言うとちっちっち、と舌を鳴らして僕を見てきた。


「それが関係あるんだなぁ、今からオレに犯されんだから」

「え、は?何言ってんの、無理なんだけどッ」


最後の一言を言い終えた瞬間、翔望が僕に覆いかぶさる。押し倒された、と言った方が良いだろうか。


「お前もっと警戒心持てよ……だからオレみてーな男に捕まんの。分かる?どーせ筋肉つけてないんだから逃げれねーだろ、ほら」

「ッ!?やめろよッ……ちょ、ホントに無理なんだって……ッ!!」


翔望はにやにや笑いながら僕の服をゆっくり脱がせていく。
服を脱がせられるとかいつぶりだよマジで……やどと呑気に考えながら必死に抵抗する。


「マジで筋肉ねーじゃん……ほら、すぐ脱げた。オレのこと大好きってこと?」

「ちが……抑えてんのお前だしッ…………」

「でも全部脱がしてねーからよくね~?まぁコレが好きなんだけどな」


マジで逃げ場が無い。信用しなきゃ良かった、 帰りたい。
開始早々に戦意喪失。だらんと脱力していると……


「……ッ!?……ぁ、」


翔望が下着越しに僕を触ってくる。今までに無い行為と刺激。クソ童貞で悪かったな、とか思ってる暇は無い。思ったよりも反応して翔望を喜ばせてしまう。


「ふは、顔赤くして可愛いな~、お前」



……マジでコイツ嫌い。
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