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101回目のプリィーチング

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 嫁が死んだという悲しき事件から早、1週間と4日。なんとか、そのショックから立ち直ったかと思えば、いつの間にか期末テストが終わっていた。……あまりのショックに、ここ数日の記憶がない。果たして、いつの間にテストが終わっていたのだろうか。勉強した記憶どころか、テストを受けた記憶すら曖昧って相当だと思う。

 そして、手元には、テストの成績表。もちろん結果は悪くない。あぁ、悪くない…………のだが、いつもと比べれば…………大分順位を落としてしまったようである。いつもは基本320人中10位以内だと言うのに、今回は52位。赤点回避はもちろん、平均点以上ではあるが、これは、これはやばい。此処まで順位が下がるなんて、なんということだろうか。
 そりゃぁ、愛すべき嫁が死んだというのにテストなんか受けてられっか!といった感じだった為、ある意味?この成績は仕方ないといえば仕方ないのかもしれない。だが、ここまで順位を落とすとなると……翔真に、あのオカン幼馴染に絶対、怒られる。




 いつも、いい成績とってるんだから別なそこまで真面目に勉強しなくていいでしょー。的な態度でこれまで過ごしてきた。はっきりいってそれが真だったし、無駄なことはしたくなかった。という、そもそも真面目に勉強しても、私の場合、将来刑務所送り(仮)だから意味ないなぁ、ある程度の成績を取っていればいいでしょ的な風に過ごしてきた。だから「少しは勉強しろ!!」といつも怒る翔真を無視して、夢の中へ逃亡しまくっていた。
だというのに、そんな風な態度で過ごしてきたというのに、こんな成績で帰ったら、オカンになんと言われるやら目に見えている。ひぃ、もう帰りたくない。帰りたくないよ!あぁ、こんな点数を取るならもっと勉強をしておくべきだった。………いや、でもなぁ。今回はそんな気にならなかったしなぁ。













「テストの結果を見せろ」

 証拠隠滅。全てなかったことにしよう。そう思い、さっさと家に帰ってきた私であるが、隠滅する前に、翔真に捕まってしまった。

「今日テストの結果が返ってくるってネタはあがってるんだよ!! さぁ、渡せ」

 まるでその姿は、犯人を追い詰める刑事。っく、このままでは、大変だ。というか、何故それを知っているんだ。そして、どうして知ろうとするんだ!!オカンかよ!!……オカンだった。

「別に見せたくてもいいじゃん。今回も今回とて、いい結果であったよ。」

 はっはっは。と笑いながらこのままさっさとこの場をトンズラしようと目の前の翔真に立ち向かう。が、次の瞬間、だらしなく肩にかけていたカバンが思い切り引っ張られた。

「お前がそう言う態度を取るときは、決まって後ろめたい事があるときだ。つまり、今回の成績はあまり振るわなかったってことだろう、違うか?」

ぐわぅとそのまま、私のカバンを奪い取り許可もなく、中を漁る翔真。

まぁ、そう簡単には見つからないところに隠したので、簡単には見つからないだろう。探すがいい!!!見つかればな!!

「俺の予想が正しければ……っと、あったこれだな」

 なに!?見つかった、だと!?
 そんな、念のため、カバンの奥底。しかも、底板の下に隠したと言うのに!!あっけなく見つかってしまった。何故、そこにあるとわかったんだ。

「何年幼馴染をやってるんだと思うんだ。……さてと、今回の成績はっと」

 二つ折りにした成績表を広げ、結果をみる翔真。………みるみるうちに、その表情は恐ろしいものに変わっていく。

「確かに、悪くはない成績だ。だが、いつもと比べると、下がってるな」
「うっ」

ヒシヒシと感じる圧力。般若、般若が目の前にいるよ。

「勉強しなくても、いい成績を取れる………そう言っているから大目に見られてると言うのに、なんだこの成績は。」
「うっ」

顔は笑っているが、目が、目が!!

「べ、別に悪くないからいいじゃん。悪くはないんだよ!?それに、翔真には、関係ないじゃん!」

 最後のあがきとして、反論するがそれは逆に火に油を注ぐ結果となった。爆弾が爆発した。

「そこに正座しろ!!!奏!!!」


 家中に響く翔真の叫び声。親にさえ、ここまで怒られたことないのに!!!なんで、ここまで怒られなくちゃいけないんだ!!!
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