保健室 三年生

下野 みかも

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三年生 一次試験の夜

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「夕陽」
「なぁに、先生」
 試験が終わって、先生のマンションで、いっぱいいっぱいえっちして。 もう、二十二時。 帰りたくない。


 私たちは、リビングの猫脚のソファにいる。 先生は、黒いガーターベルトに黒いストッキング、マゼンダのガウンを羽織って。 
 私は裸で、膝枕をしてもらってる。 羽毛布団を、上から掛けてもらう。
「夕陽は私の事、好き?」
「大好きだよ。 いちばん好き。 いちばん、大切」
 先生の顔を見上げて、答える。
 恥ずかしくて、照れくさくて、膝枕してもらってる、先生のあそこ……。 ガーターベルトだけ着けて、パンツを履いてない、えっちすぎる、つるつるできれいなそこを、ぺろっと舐める。
 お互い、今日は何回もいきまくった。 先生のそこもいつもより敏感になっていて、腰、ぴくんとする。
「悪い子。 悪戯っ子だわ」
「えへへ。 知らなかった?」
 二人、くすくす笑う。 幸せ。
「ね、金曜の晩、泊まりにいらっしゃいよ」
 車の中でも、言われた。 一旦、遠慮したけど……。
「うーん……。 勉強……。 二次試験、あるし……」
 先生は、ほっぺを膨らませる。 私のほっぺたを、指でむにゅっとつまむ。
「何よ。 来ないの?」
 えっ、か、かわいい。 来て欲しいのかな?
 わざと、受験生ぶってみる。
「お泊りすると、勉強絶対できないもん…」
「一晩くらい、平気よ。 今週は月曜から金曜の朝まで、一日一時間ずつ長くやりなさい」
「むちゃくちゃだ」
 先生の腰に、腕を回す。
「泊まりに来て欲しいの? 先生」
 先生は、私の髪を撫でる。
「当たり前でしょ。 一緒がいいわ。 セックスしたいし、もしあなたが疲れてるなら、しなくてもいい。 一緒がいいわ……」
 さらさらと、私の髪を触る。 先生は、私の髪が好き。 いつも、きれいって言ってくれる。
 先生。
 私の先生。 かわいい、私だけの先生。
「じゃあ、泊まっちゃおうかな。 ママ、いいって言うかなぁ」
 先生は目を細めて、嬉しそう。
「言うわよ。 今日自己採点してみたら、全部九十点以上取れたって言いなさい」
「むちゃくちゃだ……」


「夕陽」
「なぁに、先生」
 ほっぺた、ふにふに触られる。 先生の、細くて長い、きれいな指。 冷たい、指。
「好き……」
「えへへ。 私も」
 また、あそこにキスをする。
 秋の日に、私が先生のつるつるのそこに大興奮しちゃって(前から時々、気分でやってたらしい。 えっち)。 それからはもう、クリニックで脱毛し始めたんだって。 いいなぁ……。 私も、ずーっとつるつる、やりたい。 お揃いだし、えっちの時、気持ちいい気がするし……。
「ずうっと一緒がいいわ」
「私もだよ。 あのね、時々、考えるの」
「どんなこと?」
「えと……。 おばあちゃんになっても、一緒がいいなって……」
 先生は、やさしく微笑んでくれる。 なんか、恥ずかし……。 私は照れ隠しで、続ける。
「おばあちゃんになっても、先生、おしゃれできれいなおばあちゃんだよ、絶対。 私も、かわいいおばあちゃん目指さないとね」
「まあ。 素敵だわ。 手を繋いで、お散歩したいわね」
 えへ……。 そんなの、最高。
「私、ラッキーだね」
「ラッキー? どうして」
 そんなの、決まってるじゃん。
「あのね、まだ、高校生なのに、一生一緒にいたいくらい好きな人を見つけちゃったから。 それって、すごいでしょ」
「ま……。 何てこと。 すごいわね」
 先生、にこにこになって、かがんでほっぺにキスしてくれる。
「私も、見つかって良かったわ。 一生、一緒にいたい相手。 少し時間がかかったけれど」
「えへへ。 全然、若いでしょ。 だって、あと六十年くらい、一緒だよ」


 先生は、私を膝の上に座らせる。 向かい合って。 私は肩から、お布団掛けたまま。
「ね、もう一回だけ、くっ付きたいわ。 あなたをお家に帰す前に」
「うん。 しよ。 そしたら、帰るね。 一週間また頑張って、金曜日、またお泊まりする」
「いい子ね。 本当に、いい子。 頑張り屋さん。 大好き。 夕陽、大好きよ」
 そう言って、先生はキスをする。 それはやさしい言葉と裏腹に、私を食べるみたいな、えっちなキスだった。
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