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三年生 秘密はこんなふうに
しおりを挟む「ママ、おやすみ」
「おやすみ、夕陽ちゃん」
歯磨きして、部屋に戻る。 通学用の黒いリュックに隠してある、ダイヤのネックレスを着ける。 お誕生日にって、先生がくれたもの。
あとで検索したら(ほんと、よくない! 貧乏くさい。 やめたい悪い癖)、すっごく、高かった……。
ママには、貰ったこともまだ言ってない。
ベッドに入って、夏掛け布団を、首まで掛ける。 電気は全部消して、真っ暗が好き。
そして。 目を閉じて、頭の中の先生に、話し掛ける。
先生、好き。 私の事、好き?
先生はきっと、当たり前でしょ、って答えてくれる。 そして、私のほっぺたにすっと手をやって、キスしてくれる。
キス、大好きだから。 考えただけで、ほんの少し、唇が開いてしまう。 舌、入れて欲しい。 先生の、やらしい長い舌。 私の舌と絡まったら、唾液を交換したい。
もう、下の方、うずうずする。 でもまだ、触らない。
髪の毛、触ってみる。 学校でも、車の中でも、先生の家でも、いつでも撫でてくれる、髪。
私の髪は真っ黒で、真っ直ぐで、ずっと、あんまり好きじゃなかった。
前髪、無い方が楽だから。 真ん中で分けて、前下がりのショートボブ。 こだわり、別に、ない。 結ぶの、不器用だから、肩に付く前に切りに行くだけ。
でも、先生は…。 髪を撫でて、きれいな髪、つやつやで、真っ直ぐで、とっても素敵、って言ってくれる。
先生の細い指にくるくる巻いて、でも、全然癖が付かないのよ、強くて素敵な髪、って褒めてくれる。
知らなかった。 私の髪が、きれいで、素敵だったなんて。
どきどきしてきた。 枕元に置いた、白いハンカチを手に取る。 いい匂い。 春に、先生がくれたもの。
大切な、ハンカチだから。 使ったら、手洗いするの。 これだけは。 そして、アイロンかけたら、保健室に持って行く。
そうすると先生が、ハンカチに香水を付けてくれるから。 これでまた、先生のいい香りのハンカチになる。 本物の先生は、香水と先生の身体の匂いが混じって、もっともっといい匂いだけど……。
「先生……」
すっごく小さい声で、呼ぶ。 聴こえてるかな。 聴こえるわけ、ないんだけど。
左手を、パンツの中に入れる。 小さいあれは、もうかたくなっている。 その下は、濡れてる。
「んっ」
指を挿れて、動かす。 ぬるぬるが、くっ付く。 あれに擦り付けて、指を動かす。
「ん……」
ハンカチを、噛む。 先生が、これで声、我慢して、って言って、くれたハンカチ。
あの時は、保健室のカーテンの向こうに寝てる子がいたのに、くび、何回も、キスされて。 気持ちよかったな……。
小さなあれを触ってるだけなのに、心臓が、早くなる。 息が、上がる。
右利きなのに、わざわざ左手で、するのは。
左手だと、上手にできないから。 先生が意地悪する時みたいに、自分で自分を焦らすみたいに、なるから。
心臓、どんどん早くなる。
指も、強く、早くなる。 でも、利き手でするより、上手にできないの。
先生。 気持ちいいよ。 意地悪、しないで。 ほんとは、指、いれて欲しい。 長い指。 何回も。 気持ちいいところ、私より知ってる、その指を────。
ひとしきり、いって。
トイレに行くふりして、手を洗う。 石鹸で。
部屋に戻って、メールする。 メールは、一日三回まで。 約束しないと、離れてる間じゅう、メールしちゃうから。
二十四時を回ったから、また送れる。
「先生へ。 こんばんは。 先生のこと考えて、寝ます。 おやすみなさい。 大好き。」
すぐに、返信が来る。
「おやすみなさい。 私もよ。 かわいい声、聴こえましたよ」
ほんとう? 先生、大好き。 夢に、出てきてくれますように。
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