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第2章ー冬ー
溶けだす感情
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11月、枯れ葉が落ちていく中、約束の時間より30分も早く駅前で待つ奏多は洋平が来るのを待った。
やばい、緊張してきた。服変じゃないかな?話せるかな…
突然、後ろから肩を叩かれハッとする。振り向くとそこには洋平がいた。
「おはよう、日下部くん」
「おはようございます!」
「ごめんね寒いのに、待ったかな?」
「いや、全然待ってないです!!」
「良かった、じゃあ行こうか」
洋平は微笑んで映画館へ向かった。
「映画、楽しかったね」
先に口を開いたのは洋平だった。
「はい、とても感動しました…」
「日下部くん後半ずっと泣いてたね笑
そういえば、この後はどうする?」
「もし椿先生が大丈夫ならご飯行きたいです…」
「いいよ、行こうか」
そう言ってファストフード店に入った。
映画のことを話したり学校のことを話をしたりした。
「今日は楽しかったです!」
「俺も楽しかったよ、気を付けてね」
洋平は奏多に手を振った。奏多も洋平に笑顔を向け手を振り返して帰った。
奏多は洋平を映画やご飯に誘い、積極的に距離を縮めていった。
12月、気温が低くなり寒くなっていく中、奏多は白い息を小さく吐いて久しぶりに珈琲屋に向かった。
「いらっしゃいませ、奏多君じゃないか久しぶりだね、コーヒーはいつものかい?」
「お久しぶりです、はい!いつものお願いします。」
「今から入れるから待っててね」
奏多はカウンター席に座り一息ついた。
はぁ、最近椿先生と出かけてたからなかなか珈琲屋来れなかったけど、ここはやっぱり雰囲気が良くて、コーヒーのいい匂いで落ち着くなぁ…
「はいどうぞ」
「ありがとうございます」
久しぶりのコーヒー、ほろ苦い香りが鼻にスーッと入っていった。
「いい匂い、美味しいや、やっぱり店長さんの入れるコーヒー好きです」
「ありがとうね、奏多君は最近忙しかったのかい?」
「あ、いえ、そういう訳ではないんですけど、最近好きな方が出来て…」
「ほぅ、詳しく聞きたいな…?」
「僕の好きな人は学校の人なんですけどその人は優しくて気遣いができて、でも時々子供みたいな笑顔で笑って、気持ちを伝えたいんですけど…」
「勇気が出ないのかい?」
「はい…でも、恋をしてはいけな人を好きになってしまったんです…」
「奏多君はその人が他の人と付き合ってもいいのかい?」
「嫌に決まってるじゃないですか…!!もう、気持ちが溢れるんです…溶けだして止まらないんです…」
「ならその気持ちをそのまま伝えてみるのがいいと思うよ」
「でも…」
「ねぇ、奏多君、君がどんな人を好きになったかは分からないけど、きちんと伝えれば相手にしっかりと気持ち受け取って貰えるもんだよ、伝えないと一生後悔してしまうよ?」
「僕…気持ち伝えます。ダメだとわかっていても伝えてみます…」
奏多は携帯を出して急いで洋平にメールを送った。
『椿先生、今日珈琲屋来れますか?』
数分後返信が返ってきた。
『いいよ、少し遅くなってしまうけど大丈夫かな?』
『大丈夫です。待ってます。』
20時洋平は白い息を切らしながらお店に入ってきた。
「ごめんね、日下部くん遅くなってしまって…」
「大丈夫ですよ、それより椿先生大丈夫ですか??息切らしてくるほど走ってきたんですか?」
「ちょっとね…久々に走ったから体力がね、もう俺も歳だな笑」
奏多は洋平の姿を見てドクンドクンと鼓動が早くなった。
「そういえば、どうしたの?呼び出して、、すいませんマスター、ブラックお願いします。」
「はいかしこまりました」
「あの…僕…」
「お待たせしました、ブラックコーヒーです。」
「椿先生の事が好きです…」
洋平は突然の告白に思わずコーヒーをこぼしそうになった。
「あ、え、?」
奏多は苦笑いしながら話した。
「ごめんなさい。でも一目会った時から先生に恋したんです。優しいから、先生だからじゃなくて椿洋平だからこそ好きになりました。」
「日下部くん…」
「返事はいいんです。気持ちを伝えたかっただけです一方的に気持ち伝えて図々しいと思うんですけど、もう気持ちを抑えるのが耐えられなかったので…」
「そっか、日下部くんの気持ち伝えてくれてありがとな」
そう言って頭を撫でた。
「こちらこそありがとうございます。」
奏多は下を向いて今にも泣くのを堪えて、洋平に精一杯の笑顔を作った。
あぁ、よかった、しっかりと気持ち伝えられて、辛いけど、泣きそうだけど後悔はしたくないからね…
家に帰り、ベッドにうつ伏せになり止まらない涙で枕を濡らし眠りについた。
洋平は家に帰り考えた。そしてメールを奏多に送った。
『日下部くんへ、今日はありがとう。君の気持ち嬉しかった。やっぱり戸惑ってしまっている自分がいる。返事はいらないって言ってくれたけど、少し考えさせて欲しい』
やばい、緊張してきた。服変じゃないかな?話せるかな…
突然、後ろから肩を叩かれハッとする。振り向くとそこには洋平がいた。
「おはよう、日下部くん」
「おはようございます!」
「ごめんね寒いのに、待ったかな?」
「いや、全然待ってないです!!」
「良かった、じゃあ行こうか」
洋平は微笑んで映画館へ向かった。
「映画、楽しかったね」
先に口を開いたのは洋平だった。
「はい、とても感動しました…」
「日下部くん後半ずっと泣いてたね笑
そういえば、この後はどうする?」
「もし椿先生が大丈夫ならご飯行きたいです…」
「いいよ、行こうか」
そう言ってファストフード店に入った。
映画のことを話したり学校のことを話をしたりした。
「今日は楽しかったです!」
「俺も楽しかったよ、気を付けてね」
洋平は奏多に手を振った。奏多も洋平に笑顔を向け手を振り返して帰った。
奏多は洋平を映画やご飯に誘い、積極的に距離を縮めていった。
12月、気温が低くなり寒くなっていく中、奏多は白い息を小さく吐いて久しぶりに珈琲屋に向かった。
「いらっしゃいませ、奏多君じゃないか久しぶりだね、コーヒーはいつものかい?」
「お久しぶりです、はい!いつものお願いします。」
「今から入れるから待っててね」
奏多はカウンター席に座り一息ついた。
はぁ、最近椿先生と出かけてたからなかなか珈琲屋来れなかったけど、ここはやっぱり雰囲気が良くて、コーヒーのいい匂いで落ち着くなぁ…
「はいどうぞ」
「ありがとうございます」
久しぶりのコーヒー、ほろ苦い香りが鼻にスーッと入っていった。
「いい匂い、美味しいや、やっぱり店長さんの入れるコーヒー好きです」
「ありがとうね、奏多君は最近忙しかったのかい?」
「あ、いえ、そういう訳ではないんですけど、最近好きな方が出来て…」
「ほぅ、詳しく聞きたいな…?」
「僕の好きな人は学校の人なんですけどその人は優しくて気遣いができて、でも時々子供みたいな笑顔で笑って、気持ちを伝えたいんですけど…」
「勇気が出ないのかい?」
「はい…でも、恋をしてはいけな人を好きになってしまったんです…」
「奏多君はその人が他の人と付き合ってもいいのかい?」
「嫌に決まってるじゃないですか…!!もう、気持ちが溢れるんです…溶けだして止まらないんです…」
「ならその気持ちをそのまま伝えてみるのがいいと思うよ」
「でも…」
「ねぇ、奏多君、君がどんな人を好きになったかは分からないけど、きちんと伝えれば相手にしっかりと気持ち受け取って貰えるもんだよ、伝えないと一生後悔してしまうよ?」
「僕…気持ち伝えます。ダメだとわかっていても伝えてみます…」
奏多は携帯を出して急いで洋平にメールを送った。
『椿先生、今日珈琲屋来れますか?』
数分後返信が返ってきた。
『いいよ、少し遅くなってしまうけど大丈夫かな?』
『大丈夫です。待ってます。』
20時洋平は白い息を切らしながらお店に入ってきた。
「ごめんね、日下部くん遅くなってしまって…」
「大丈夫ですよ、それより椿先生大丈夫ですか??息切らしてくるほど走ってきたんですか?」
「ちょっとね…久々に走ったから体力がね、もう俺も歳だな笑」
奏多は洋平の姿を見てドクンドクンと鼓動が早くなった。
「そういえば、どうしたの?呼び出して、、すいませんマスター、ブラックお願いします。」
「はいかしこまりました」
「あの…僕…」
「お待たせしました、ブラックコーヒーです。」
「椿先生の事が好きです…」
洋平は突然の告白に思わずコーヒーをこぼしそうになった。
「あ、え、?」
奏多は苦笑いしながら話した。
「ごめんなさい。でも一目会った時から先生に恋したんです。優しいから、先生だからじゃなくて椿洋平だからこそ好きになりました。」
「日下部くん…」
「返事はいいんです。気持ちを伝えたかっただけです一方的に気持ち伝えて図々しいと思うんですけど、もう気持ちを抑えるのが耐えられなかったので…」
「そっか、日下部くんの気持ち伝えてくれてありがとな」
そう言って頭を撫でた。
「こちらこそありがとうございます。」
奏多は下を向いて今にも泣くのを堪えて、洋平に精一杯の笑顔を作った。
あぁ、よかった、しっかりと気持ち伝えられて、辛いけど、泣きそうだけど後悔はしたくないからね…
家に帰り、ベッドにうつ伏せになり止まらない涙で枕を濡らし眠りについた。
洋平は家に帰り考えた。そしてメールを奏多に送った。
『日下部くんへ、今日はありがとう。君の気持ち嬉しかった。やっぱり戸惑ってしまっている自分がいる。返事はいらないって言ってくれたけど、少し考えさせて欲しい』
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