110 / 160
第2章
7.夜勤明けの朝食は最高
しおりを挟む
「ほれ、できたぞー」
フレイムが大きなプレートを二枚浮かせて運んで来た。乗っている各料理を適温に保たせる霊具が付いているので、熱いものと冷たいものを一緒に盛り付けていても問題ない。
「よっと」
プレートを揺らさないよう、そっとアマーリエとフルードの前に着地させる。乗っているのは、パンとサラダ、肉類、飲み物。だが、両者で内容が異なる。
アマーリエはぷるぷるのパンケーキ。トッピングはホイップクリームとメイプルシロップ、チョコレートソースとストロベリー、チキンとベビーリーフの三種類だ。
それに、キャベツとコーンとパプリカのサラダ。カリカリのベーコン。ふわふわのスクランブルエッグ。トマトの酸味が効いた豆類たっぷりのミネストローネ。砂糖入りの紅茶。デザートはシャーベット。
フルードはこんがりと焼き目が付いたトースト。トッピングはピーナッツバターとマーマレードジャム、とろけるチーズとロースハム、ツナと玉ねぎの三種類。
それから、トマトとレタスとブロッコリーのサラダ。肉汁あふれるソーセージ。半熟のオムレツ。ムール貝とマッシュルーム入りのクラムチャウダー。薄切りのレモンを浮かべた紅茶。デザートはプディング。
間違いなく、双方の好みを熟知した上でのメニューだ。
「二人ともいっぱい食べるんだぞ」
(朝から贅沢すぎるわ……!)
自身の大好物ばかりを前にしたアマーリエは、湧き上がる生唾をこっそり飲み込む。今まで話していたことは、綺麗に頭から吹き飛んだ。
猫のようにソファベッドで身繕いしていたラミルファが、料理を指差した。
「僕の分は?」
「あるわけねえだろ、バカかお前は!」
瞬時に笑顔を剥ぎ取ったフレイムが一刀両断するが、まるで堪えた様子もなくふぁ~と欠伸をしている。
「では追加で用意するがいい。僕はもう一眠りするから、支度が整ったら起こしてくれ」
「はぁ? 何言ってんだ……」
「いや、その前にアーリーモーニングティーが先だな。あっさりした種類の茶葉が良い。抽出温度は96度。供する時の温度は67度。濃い味が良いから、蒸らす時間はベストタイムより多めで。ストレートティーにシナモンをマドラースプーン2杯分だけ振ってくれ。菓子はノンシュガーのボンボンショコラを2つほど。カカオ100%のチョコレートを使って、中のフィリングはウイスキーとスモークピーナツで良い」
「注文細かいなオイ! つか悪神なんだから、味覚も普通とは逆じゃねえのかよ。腐ったモンとか丸焦げになった失敗作とかを美味しく感じるんじゃないのか?」
「そういう悪神もいるが、僕は食の嗜好に関しては通常の神寄りだ。ということでよろしく。お休み」
「よろしくじゃねえ! 出涸らしのティーバッグでも飲んどけ! そもそも神は飯も睡眠も要らねえだろ!」
「せっかく人間のフリをしているのだから、人間らしい生活を楽しみたいのだよ」
「じゃあ自分で作れよ!」
言い合う二神の声を聞き流し、アマーリエはホイップクリームとメイプルシロップのパンケーキを一口食べた。
(あああ、おいしい~!)
しっとり焼き上げたふわふわの生地に甘いシロップが染み込み、とろける濃厚なクリームと舌の上で混ざり合う。美味しすぎて本気で涙が出る。
「幸せすぎるわ……空の上まで飛んで行けそう……」
半ば独り言のように呟くと、ラミルファとの掛け合いをやめたフレイムが、蕩ける甘い眼差しで言った。
「そしたら俺が抱いて天に連れて行ってやるよ。早く天界で一緒に暮らしたいしな。俺の神域に閉じ込めてどこへも出したくない」
(ええぇ?)
とんでもない台詞に引きつっていると、フルードがにこやかに口を挟んだ。
「その時は迷わず逃げて下さい。焔神様を突き飛ばしても構いません」
フレイムとアマーリエはそろって言葉を失った。夫を――というか、神を突き飛ばす。神官としてあるまじき発言である。
「そんなことをして良いのでしょうか。聖威師とはいえ神官なのに……」
ドン引きするアマーリエだが、フルードはシレッとした顔で答える。
「そういう時は躊躇してはいけないと教わりました。必要なら顔面平手打ちだろうが飛び蹴りだろうが何でもして良いそうです。主神は絶対に愛し子を傷付けないので、その特権を思う存分使えと。使わなければ損で、下手に遠慮したらその時点で負けだそうです」
一体何の勝負をしているのだろうか。
「ちょっと待て、俺はそんな方法教えてねえぞ。誰だよ、そんなやり方伝授したのは!?」
大事な弟には強く出られないフレイムが頭を抱える。
「ふふ、良いじゃないか。権利は使ってこそ輝くものだ。持ちぐされにするのは馬鹿馬鹿しい」
ラミルファが毛布をポイと放り捨て、ソファベッドから降りた。どうやら起きる気になったらしい。
「邪神様、お茶をお淹れいたしましょうか」
先ほどモーニングティーを所望していたからだろう、フルードが声をかけた。アマーリエもつられて身じろぎする。
「いや、茶菓も朝食も不要だ。もう飲食したい気分ではなくなった。君たちは僕に構わず朝食を摂るが良い」
少し前までと言っていることが違う。まさしく気分屋だ。フルードとアマーリエは一礼してプレートに向き直った。
「それよりフレイム、泡神様はまだ寝ているのか。昨日降臨した後、疲れたと言ってもてなしの茶菓も断って引きこもったきりだが」
「ああ。けど、寝静まった気配がするのにピリピリ感が漂ってる。寝ながら緊張してるんだぜ、きっと」
「実を言えば、神官府のことを細部まで把握しておこうと、昨夜からずっと微睡みの中で府内を探っていたのだよ。だが、泡神様の神威がブクブクブクブクとバブルガンの如く漂っていて、何も視聴できない」
やれやれと金髪をかき上げた邪神が苦笑いする。これでは神官たちが遠視や透視を使おうとしても阻害されるので、表向きには神器の出力調整による一時的な神威の放出という説明をしている。
「泡神様はこれでも御稜威を抑えているのだろうが、その条件は僕も同じだ。神威を抑制した状態ではあの泡カーテンを突破できない。力押しでこじ開けることはできるが、大事な同胞相手に強引な真似はしたくない。さて、どうしたものか」
「あー、それでずっとゴロ寝してたのか、お前。悪かったよ、ちゃんと仕事してたんだな」
「僕は勤勉なのさ。しかし泡神様には困ったものだ。初めからこの調子では先が思いやられる」
「まーな。愛し子探しとか言ってたが――部下に化けてとはいえ、初対面の奴と対峙できるのか?」
クスクス笑うラミルファと、眉間に皺を寄せるフレイム。
「いっそ開き直って正体を顕し、公募でもかけてみれば良いのではないかな」
「はっ、お前もやってみたらどうだ。悪神の愛し子、募集しま~すぅってな」
「ふふ、それも面白いな。神官が震撼する」
「下らんシャレは要らねえよ! しかし、マジで大丈夫なのかよ。今みたいに急用の神官がいきなり駆け込んで来たりもするだろうし」
「ビックリして心臓麻痺でも起こして、ポックリと天界に帰還することになるかもしれないよ」
「超絶にかっこ悪い還り方だな……神は心臓麻痺なんて起こさねえよってのは置いといて……」
「そうしたら指差して笑ってやるとも」
もう一柱の神がいる続き部屋――そちらには仮眠用のベッドがある――を見ながら、二神はボソボソと言葉を交わしている。
音を立てずにオムレツを切り分けるフルードが、微かに呟いた。
「……後祭であなた方が顕れて、驚きで心臓が止まりかけたのは僕の方ですよ」
だが、あまりに小さな声だったため、誰にも届かない。最も近くにいるアマーリエも、絶品朝食をいただくのに夢中だ。
(ああもう、最っっ高だわ)
ボリュームたっぷりの料理が、あっという間に口の中に消えていく。気が付けばデザートまで綺麗に完食していた。
フレイムが大きなプレートを二枚浮かせて運んで来た。乗っている各料理を適温に保たせる霊具が付いているので、熱いものと冷たいものを一緒に盛り付けていても問題ない。
「よっと」
プレートを揺らさないよう、そっとアマーリエとフルードの前に着地させる。乗っているのは、パンとサラダ、肉類、飲み物。だが、両者で内容が異なる。
アマーリエはぷるぷるのパンケーキ。トッピングはホイップクリームとメイプルシロップ、チョコレートソースとストロベリー、チキンとベビーリーフの三種類だ。
それに、キャベツとコーンとパプリカのサラダ。カリカリのベーコン。ふわふわのスクランブルエッグ。トマトの酸味が効いた豆類たっぷりのミネストローネ。砂糖入りの紅茶。デザートはシャーベット。
フルードはこんがりと焼き目が付いたトースト。トッピングはピーナッツバターとマーマレードジャム、とろけるチーズとロースハム、ツナと玉ねぎの三種類。
それから、トマトとレタスとブロッコリーのサラダ。肉汁あふれるソーセージ。半熟のオムレツ。ムール貝とマッシュルーム入りのクラムチャウダー。薄切りのレモンを浮かべた紅茶。デザートはプディング。
間違いなく、双方の好みを熟知した上でのメニューだ。
「二人ともいっぱい食べるんだぞ」
(朝から贅沢すぎるわ……!)
自身の大好物ばかりを前にしたアマーリエは、湧き上がる生唾をこっそり飲み込む。今まで話していたことは、綺麗に頭から吹き飛んだ。
猫のようにソファベッドで身繕いしていたラミルファが、料理を指差した。
「僕の分は?」
「あるわけねえだろ、バカかお前は!」
瞬時に笑顔を剥ぎ取ったフレイムが一刀両断するが、まるで堪えた様子もなくふぁ~と欠伸をしている。
「では追加で用意するがいい。僕はもう一眠りするから、支度が整ったら起こしてくれ」
「はぁ? 何言ってんだ……」
「いや、その前にアーリーモーニングティーが先だな。あっさりした種類の茶葉が良い。抽出温度は96度。供する時の温度は67度。濃い味が良いから、蒸らす時間はベストタイムより多めで。ストレートティーにシナモンをマドラースプーン2杯分だけ振ってくれ。菓子はノンシュガーのボンボンショコラを2つほど。カカオ100%のチョコレートを使って、中のフィリングはウイスキーとスモークピーナツで良い」
「注文細かいなオイ! つか悪神なんだから、味覚も普通とは逆じゃねえのかよ。腐ったモンとか丸焦げになった失敗作とかを美味しく感じるんじゃないのか?」
「そういう悪神もいるが、僕は食の嗜好に関しては通常の神寄りだ。ということでよろしく。お休み」
「よろしくじゃねえ! 出涸らしのティーバッグでも飲んどけ! そもそも神は飯も睡眠も要らねえだろ!」
「せっかく人間のフリをしているのだから、人間らしい生活を楽しみたいのだよ」
「じゃあ自分で作れよ!」
言い合う二神の声を聞き流し、アマーリエはホイップクリームとメイプルシロップのパンケーキを一口食べた。
(あああ、おいしい~!)
しっとり焼き上げたふわふわの生地に甘いシロップが染み込み、とろける濃厚なクリームと舌の上で混ざり合う。美味しすぎて本気で涙が出る。
「幸せすぎるわ……空の上まで飛んで行けそう……」
半ば独り言のように呟くと、ラミルファとの掛け合いをやめたフレイムが、蕩ける甘い眼差しで言った。
「そしたら俺が抱いて天に連れて行ってやるよ。早く天界で一緒に暮らしたいしな。俺の神域に閉じ込めてどこへも出したくない」
(ええぇ?)
とんでもない台詞に引きつっていると、フルードがにこやかに口を挟んだ。
「その時は迷わず逃げて下さい。焔神様を突き飛ばしても構いません」
フレイムとアマーリエはそろって言葉を失った。夫を――というか、神を突き飛ばす。神官としてあるまじき発言である。
「そんなことをして良いのでしょうか。聖威師とはいえ神官なのに……」
ドン引きするアマーリエだが、フルードはシレッとした顔で答える。
「そういう時は躊躇してはいけないと教わりました。必要なら顔面平手打ちだろうが飛び蹴りだろうが何でもして良いそうです。主神は絶対に愛し子を傷付けないので、その特権を思う存分使えと。使わなければ損で、下手に遠慮したらその時点で負けだそうです」
一体何の勝負をしているのだろうか。
「ちょっと待て、俺はそんな方法教えてねえぞ。誰だよ、そんなやり方伝授したのは!?」
大事な弟には強く出られないフレイムが頭を抱える。
「ふふ、良いじゃないか。権利は使ってこそ輝くものだ。持ちぐされにするのは馬鹿馬鹿しい」
ラミルファが毛布をポイと放り捨て、ソファベッドから降りた。どうやら起きる気になったらしい。
「邪神様、お茶をお淹れいたしましょうか」
先ほどモーニングティーを所望していたからだろう、フルードが声をかけた。アマーリエもつられて身じろぎする。
「いや、茶菓も朝食も不要だ。もう飲食したい気分ではなくなった。君たちは僕に構わず朝食を摂るが良い」
少し前までと言っていることが違う。まさしく気分屋だ。フルードとアマーリエは一礼してプレートに向き直った。
「それよりフレイム、泡神様はまだ寝ているのか。昨日降臨した後、疲れたと言ってもてなしの茶菓も断って引きこもったきりだが」
「ああ。けど、寝静まった気配がするのにピリピリ感が漂ってる。寝ながら緊張してるんだぜ、きっと」
「実を言えば、神官府のことを細部まで把握しておこうと、昨夜からずっと微睡みの中で府内を探っていたのだよ。だが、泡神様の神威がブクブクブクブクとバブルガンの如く漂っていて、何も視聴できない」
やれやれと金髪をかき上げた邪神が苦笑いする。これでは神官たちが遠視や透視を使おうとしても阻害されるので、表向きには神器の出力調整による一時的な神威の放出という説明をしている。
「泡神様はこれでも御稜威を抑えているのだろうが、その条件は僕も同じだ。神威を抑制した状態ではあの泡カーテンを突破できない。力押しでこじ開けることはできるが、大事な同胞相手に強引な真似はしたくない。さて、どうしたものか」
「あー、それでずっとゴロ寝してたのか、お前。悪かったよ、ちゃんと仕事してたんだな」
「僕は勤勉なのさ。しかし泡神様には困ったものだ。初めからこの調子では先が思いやられる」
「まーな。愛し子探しとか言ってたが――部下に化けてとはいえ、初対面の奴と対峙できるのか?」
クスクス笑うラミルファと、眉間に皺を寄せるフレイム。
「いっそ開き直って正体を顕し、公募でもかけてみれば良いのではないかな」
「はっ、お前もやってみたらどうだ。悪神の愛し子、募集しま~すぅってな」
「ふふ、それも面白いな。神官が震撼する」
「下らんシャレは要らねえよ! しかし、マジで大丈夫なのかよ。今みたいに急用の神官がいきなり駆け込んで来たりもするだろうし」
「ビックリして心臓麻痺でも起こして、ポックリと天界に帰還することになるかもしれないよ」
「超絶にかっこ悪い還り方だな……神は心臓麻痺なんて起こさねえよってのは置いといて……」
「そうしたら指差して笑ってやるとも」
もう一柱の神がいる続き部屋――そちらには仮眠用のベッドがある――を見ながら、二神はボソボソと言葉を交わしている。
音を立てずにオムレツを切り分けるフルードが、微かに呟いた。
「……後祭であなた方が顕れて、驚きで心臓が止まりかけたのは僕の方ですよ」
だが、あまりに小さな声だったため、誰にも届かない。最も近くにいるアマーリエも、絶品朝食をいただくのに夢中だ。
(ああもう、最っっ高だわ)
ボリュームたっぷりの料理が、あっという間に口の中に消えていく。気が付けばデザートまで綺麗に完食していた。
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。

学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?
今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。
しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。
が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。
レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。
レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。
※3/6~ プチ改稿中
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

死に戻り公爵令嬢が嫁ぎ先の辺境で思い残したこと
Yapa
ファンタジー
ルーネ・ゼファニヤは公爵家の三女だが体が弱く、貧乏くじを押し付けられるように元戦奴で英雄の新米辺境伯ムソン・ペリシテに嫁ぐことに。 寒い地域であることが弱い体にたたり早逝してしまうが、ルーネは初夜に死に戻る。 もしもやり直せるなら、ルーネはしたいことがあったのだった。

黒豚辺境伯令息の婚約者
ツノゼミ
ファンタジー
デイビッド・デュロックは自他ともに認める醜男。
ついたあだ名は“黒豚”で、王都中の貴族子女に嫌われていた。
そんな彼がある日しぶしぶ参加した夜会にて、王族の理不尽な断崖劇に巻き込まれ、ひとりの令嬢と婚約することになってしまう。
始めは同情から保護するだけのつもりが、いつの間にか令嬢にも慕われ始め…
ゆるゆるなファンタジー設定のお話を書きました。
誤字脱字お許しください。

婚約破棄されたけど前世が伝説の魔法使いだったので楽勝です
sai
ファンタジー
公爵令嬢であるオレリア・アールグレーンは魔力が多く魔法が得意な者が多い公爵家に産まれたが、魔法が一切使えなかった。
そんな中婚約者である第二王子に婚約破棄をされた衝撃で、前世で公爵家を興した伝説の魔法使いだったということを思い出す。
冤罪で国外追放になったけど、もしかしてこれだけ魔法が使えれば楽勝じゃない?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる