天国庁 地球統括部 日本営業所 異世界転生推進課 担当女神 オーロラさん

転生者1人目：田中 一郎

サラリーマンとしての最後

「あのクソハゲ部長が、前と言っていることが違うじゃないかっ、、、」

そんな、サラリーマンであれば誰もが一度は愚痴るようなことを、
誰もいない深夜の道を歩きながら、独りつぶやく。

横断歩道を見つけ目線だけで信号が青であることを確認し、歩み続ける。
横目に大きくなっていくヘッドライトが見えたが、青信号であることは確認済み。

(まぁ、止まるだろう、、、)

疲れているから首を横に向けるのは嫌だったというのもあり、そのまま歩み続けた。

直後、「ドンっ」

大きな音と衝撃が走った後、視界が車、夜空、を順に移した後、
「ドサッ」という音と一緒に見えたのは走り去っていく車だった。

(待てっ、ひき逃げ！)
叫ぼうとして声が出ないことに気づく

(くそっ、、、！！)
動こうとして手足が動かないことに気づく

(痛っ！)
遅れて激痛が走る。

(あれ、、、俺、、、これ、、、？)
自分の置かれている状況を少しづつ理解していくが、
次第に視界も思考も暗闇に包まれていく。