祝福なんていらない

スタローン

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見た目も悪けりゃ性格もやばい

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~僕は美系が1人もいないパーティと鉱山へと続く道を歩いていた~

魔女モーリン「聞いてくださいよぉ。勇者様、私ね~魔法アカデミー時代は超成績優秀で~。入学試験は10番以内に入る成績だったんですよぉ。しかも色んな男が私と付き合いたがって大変だったんですよぉ」

僕「へえ~、そうなんだ。すごいね。」

この女は城を出発してからしばらくすると堰を切ったように自分の自慢話をベラベラ喋り続けていた。
最初は我慢して聞いていたが事あるごとに自分の自慢話をしてマウントを取ってくるので流石にイライラしてうんざりしていた。

魔女モーリン「ねえ?私、すごくないですかぁ?」

僕「うん、そうだね。すごいね。」

何回も興味が無い話に相槌を打っていたらだんだん声がかすれてノドが痛くなってきた。

女騎士アリーゼ「本当すごいですよねえ。私なんて騎士養成学校時代は成績は下から数えたほうが早かったですよお」

このアリーゼはどんな性格のブスかと思ったらただの太鼓持ち女で、ますますモーリンを増長させていた。
まあ、騎士と魔法使いだったら序列は魔女のほうが上になるのは仕方がないと言ったところか。
並の剣士と魔法使いだったら確実に魔法のほうが強いからな。

魔女モーリン「ところで~勇者様って~どんなチート能力があるんですかあ~??」

こいつ・・痛いところを突いてきたな。豚は鼻が効くというが、豚みたいな顔した奴も勘が鋭いのだろうか。
どうする?こいつらと出会ってから数日経つが正直まったく打ち解けられた気がしないし、パーティを組めと言われなかったら生涯で一度でもつるみたくないと思ってる。
こんな奴らに無能力とバレた日には何をされるかわかったもんじゃない。

誤魔化そう。ラノベ愛読者として培った経験からそれっぽい技名とそれっぽい制約を教えて誤魔化すんだ。

僕「うん、それはねストームスパイラルと言って・・・」

荷物運びヤーマ「あの、少し休んでいいですか?鉱山の隣町までここから3時間はかかるので、途中でバテないようにしたいんです。」

魔女モーリン「そうだね~。じゃあ各自休憩にしようか~」

助かった。幸薄そうなブスもたまにはいいことするもんだ。
僕はちょっとトイレに行ってくるよと皆に伝えてとりあえず事なきを得た。
その後旅の道中で僕に能力があるのかどうかも触れられなかったし、異世界モノ定番のモンスターに出会うこともなかったのでチート能力がなくてもなんとかなった。

しかし僕は疑問に思うべきだったのだ。あまりにも討伐の旅が、順調に進みすぎていることに。

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