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52第一次バリアス王国VSサンザー帝国の戦争
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食事が終わって父はアドラスに言った。
「アドラス、用意ができ次第私は兵をつれて出兵せねばならぬ。
アドラスお前にはお祖父様お祖母様とお母様とともに留守を頼みたい。父上はきっとわしも行くといわれるだろうが、父上には私や軍団長がいない留守の領地の防衛を任したい。
アドラス今回は本当によくやったな、エルベ領に邪心教の司祭たちがドラゴン召喚をすることをよく見抜いた。おかげでサンザー帝国がアルザス王国を襲うたくらみがわかったのだ。もしドラゴンが召喚されたら、きっと辺境は大混乱に陥り壊滅的被害を出していたろう、とてもサンザ―帝国と戦うどころではなかった。サンザー帝国軍はまるで無人の野を進むかのように、バリアス王国の辺境を蹂躙していったろう。アルザスお前の謹慎は今を持って解く。
お祖父様やお祖母様お母様の言うことをよく聞いていい子でいなさい。間違っても冒険に出ようなどとしてはいけないぞ」
「父上、どうかサンザ―帝国に勝利してください。そしてご無事に戻ってきてください、父上」
「わかった、私は必ず生きてお前たちのもとに戻ってこよう、王宮にもエルベ男爵が魔導通信で知らせたというから、王国軍もやってくる。第1騎士団は王都守備のためこないが第3騎士団、第4騎士団第5騎士団は来てくれよう、総勢2万の軍団が・・・・・
問題は間に合うかどうかだが、
辺境軍とて1万はいるし各領地からも兵は集まる。アルザス大船に乗ってまっていよ」
アルザスは父の言葉を信じたかった。でもなぜか嫌な予感がするのだ。もし此度の戦に敗れて館をサンザー帝国軍が取り巻いたら、自分のお得意のテレポートで、お祖父様やお祖母様母上を連れてテレポートしようとアドラスは決めた。
てことはマジックバッグに高価な母上の宝飾品を換金目的で詰め込まなくては、あ、いや今すぐでなくていいか、それより変装用の一介の民の服が必要だ。万一の用心が必要だな。父上がこれから命をかけて戦いに赴こうというのに、跡取り息子の僕は万一の時の逃げる算段か、
でも、でも嫌な予感がするんだ、もし万一戦いに敗れ父上がお亡くなりになったら、僕はせめてお祖父様やお祖母様お母様の命を守りたいんだ。館を守って全員首を切られるなんて絶対嫌なんだ。僕は父上の息子には相応しくない卑怯者なのかな・・・・・・・・・。
「カンカンカンカンカンカン!!!」
町から村に領地軍の招集を知らせる教会の鐘の乱打の音が鳴り響く。それはサンザー帝国との戦がいよいよはじまる知らせだった。
ちょうど大方の民の家々は朝食中だった。
父親や息子は急いで食事を書き込み食べ終わると戦支度に着替え武器を各々持つ。あるものは剣だったりある者は弓だったりある魔法使いは杖を持つ。
そして馬を持つ者は、馬上に飛び乗り馬上から妻や息子娘にいってくるといって別れのあいさつをし、家族はこれが今生になるかもしれないと己が夫、己が息子、己が兄弟を見送る。
『どうか勝ちて無事に帰りますように』
その光景は21世紀の地球でも変わらない人々の祈りだった。
「アドラス、用意ができ次第私は兵をつれて出兵せねばならぬ。
アドラスお前にはお祖父様お祖母様とお母様とともに留守を頼みたい。父上はきっとわしも行くといわれるだろうが、父上には私や軍団長がいない留守の領地の防衛を任したい。
アドラス今回は本当によくやったな、エルベ領に邪心教の司祭たちがドラゴン召喚をすることをよく見抜いた。おかげでサンザー帝国がアルザス王国を襲うたくらみがわかったのだ。もしドラゴンが召喚されたら、きっと辺境は大混乱に陥り壊滅的被害を出していたろう、とてもサンザ―帝国と戦うどころではなかった。サンザー帝国軍はまるで無人の野を進むかのように、バリアス王国の辺境を蹂躙していったろう。アルザスお前の謹慎は今を持って解く。
お祖父様やお祖母様お母様の言うことをよく聞いていい子でいなさい。間違っても冒険に出ようなどとしてはいけないぞ」
「父上、どうかサンザ―帝国に勝利してください。そしてご無事に戻ってきてください、父上」
「わかった、私は必ず生きてお前たちのもとに戻ってこよう、王宮にもエルベ男爵が魔導通信で知らせたというから、王国軍もやってくる。第1騎士団は王都守備のためこないが第3騎士団、第4騎士団第5騎士団は来てくれよう、総勢2万の軍団が・・・・・
問題は間に合うかどうかだが、
辺境軍とて1万はいるし各領地からも兵は集まる。アルザス大船に乗ってまっていよ」
アルザスは父の言葉を信じたかった。でもなぜか嫌な予感がするのだ。もし此度の戦に敗れて館をサンザー帝国軍が取り巻いたら、自分のお得意のテレポートで、お祖父様やお祖母様母上を連れてテレポートしようとアドラスは決めた。
てことはマジックバッグに高価な母上の宝飾品を換金目的で詰め込まなくては、あ、いや今すぐでなくていいか、それより変装用の一介の民の服が必要だ。万一の用心が必要だな。父上がこれから命をかけて戦いに赴こうというのに、跡取り息子の僕は万一の時の逃げる算段か、
でも、でも嫌な予感がするんだ、もし万一戦いに敗れ父上がお亡くなりになったら、僕はせめてお祖父様やお祖母様お母様の命を守りたいんだ。館を守って全員首を切られるなんて絶対嫌なんだ。僕は父上の息子には相応しくない卑怯者なのかな・・・・・・・・・。
「カンカンカンカンカンカン!!!」
町から村に領地軍の招集を知らせる教会の鐘の乱打の音が鳴り響く。それはサンザー帝国との戦がいよいよはじまる知らせだった。
ちょうど大方の民の家々は朝食中だった。
父親や息子は急いで食事を書き込み食べ終わると戦支度に着替え武器を各々持つ。あるものは剣だったりある者は弓だったりある魔法使いは杖を持つ。
そして馬を持つ者は、馬上に飛び乗り馬上から妻や息子娘にいってくるといって別れのあいさつをし、家族はこれが今生になるかもしれないと己が夫、己が息子、己が兄弟を見送る。
『どうか勝ちて無事に帰りますように』
その光景は21世紀の地球でも変わらない人々の祈りだった。
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