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45隠れ家を作ろう
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コックがパンケーキの生地を、フライパンで焼く何とも甘いいい匂いが、プーンとしてきた。
ただしこのパンケーキの生地は、業務上パンケーキの素で作られている。
アドラスはそのことを、コックがボールに業務用パンケーキの素と書かれた袋から、粉を注いでいるのを、ばっちり確かめていたのだ。
<別に構わん、値段は手ごろだし、おそらくどこのホットケーキ屋でも使っていることだろう、うまけりゃいいのだ。この考え方貴族的じゃないな、前世の影響は色濃く残ってるな
・・・・・>
「ねえウエートレスのお姉さん、空き家への放火が5件も起きたんだって?、怖いねえ」
「そうなのよ、次は人の住んでる家が放火されるんじゃないかってみんな不安がってるのよ。この町の警備隊だけじゃなく、騎士隊まで出て次の放火がされないように見回りをしてるのよ。」
「なんで放火なんかするんだろう?」
「放火犯の本当の気持ちなんて私も知りようがないけど、きっと火がパーとアカアカともえるのに興奮するんじゃない。」
「僕なら火事を見たら恐怖を感じるんだけどな、」
「きっと放火犯は変態なのよ」
「放火犯が変態、異常者というのは私も賛成だね、」
「えっ」
そういったのはりりしい騎士服をきた美しい女性だった。
燃えるような赤い髪に緑の瞳、アドラスはお子様ながら美しくもりりしいその女性にぽかんと見とれてしまった。
その女性はアドラスの左横の席に腰を下ろした。
アドラスのむねがどきどきしだした。
「いらっしゃい、アンジェさんいつものやつでいいですか?」
ウエートレスの言葉にああ頼むと彼女は注文した。
「ところで放火の話をしてたようだが、君はこの町の子じゃないね、どこから来たんだい?」
<鋭い!!さすが女性でも騎士だ!!>
「僕ミュラー領より来ました、」
「君平民の子かい?目が紫・・・・」アンジェの手がアドラスのパーカーのフードにのび、くいっとあたまから脱がされた。
途端にあらわになるアドラスの見事な青銀の髪!!
<<<!!!!>>>
此れには店主であるコックも、ウエートレスも、抜がした本人も驚愕する。
この国で青銀の髪と濃い紫の瞳を持つものは王族だ。
特にアドラスは母方の王族の祖父の血が色濃く出て、ミュラー領では知らないものはない。年が大きくなるにつれ、父親譲りの銀の髪はどんどん青みを増して、王家の色の青銀の髪に変わった。
瞳もこれまた王家の血の濃さをあらわかわす、濃い紫にかわったのだ。
これは母方の首狩り伯爵家に流れる王家の血が色濃く表れた結果だった。
ちなみに首狩り伯爵の由来は、当時男爵だった母方のご先祖が、100年前戦場で、サンザー帝国の皇帝の首一刀のもとに切り落としたことによるもので、その時の功績で伯爵に昇爵されたのだ。
「あ、あなた様は、ご無礼大変失礼いたしました。平に平にご容赦を、」
<王族と誤解してない?これ先祖返りなんだけど>
アンジェはあたりを見回し護衛がいないことにきづいた。
「失礼、まさかおひとりですか?護衛のものはどうされたのですか?殿下?」
<面倒なことになった、これ正体明かす以外ないじゃないか!、よしこれからはカツラをかぶることにするぞ>
「誤解しないでください、僕はミュラー領領主の息子アドラス・ミュラーです、僕の母のミュラー夫人は首狩り伯爵の妹です。」
「首狩り伯爵の甥御様、あーだからその髪と目の色ですか、確か先代伯爵様は王家から婿入りなさったはず、だからその髪と目の色ですか?」
「そうです」
「で、供のものは?、護衛は?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「護衛はどこですか?まさかおひとりってことじゃない・で・す・ね??」
「えー一人です」
「家出ですか!?まさかそのお年で??」
「家出じゃありません、冒険です!」
「どっちも似たようなものにしか聞こえません」
コックもウエートレスもウンウンと力強くうなずいていた。
「失礼ですがあなたの身分を保証するものはお持ちですか?、念のためお聞きしますが、」
「冒険者ギルドタグを持ってます」
アドラスは首から服の下にかけていた冒険者ギルドタグ証を外してアンジェに見せた。
アンジェはそれを受け取り確かめた。
「確かに、まだ8歳なんですか?、それなのにこんなことを?これは御領主様にお知らせしなくては!」
「え!?知らせるんですか!?」
「当然です」
「父様と母様に怒られるぅ~~~~~」
と、何とも情けない声を出すアドラス
「今頃ご家族があなたを探して、どれだけ心配してるかわからないのですか?」
アンジェは厳しい目でアドラスを見据え、コックとウエートレスもうんうんとうなずいて見せた。
結局のところ、注文したパンケーキと、追加で注文したミルクは、食べさせてもらい料金を支払った。アンジェもリンゴジュースとパンケーキを食べ代金を支払うと、アドラスをつれて外に出た。
アンジェは外に止めてあった自分の白毛の美しい馬に、アドラスをヒョィとその背に乗せ、自分はその後ろにまたがり馬をかけさせた。
目指すは領主館!!、
アドラスは冒険はまだ始まったばかりなのにこんなに簡単にばれるなんて―と心から思った。
ただしこのパンケーキの生地は、業務上パンケーキの素で作られている。
アドラスはそのことを、コックがボールに業務用パンケーキの素と書かれた袋から、粉を注いでいるのを、ばっちり確かめていたのだ。
<別に構わん、値段は手ごろだし、おそらくどこのホットケーキ屋でも使っていることだろう、うまけりゃいいのだ。この考え方貴族的じゃないな、前世の影響は色濃く残ってるな
・・・・・>
「ねえウエートレスのお姉さん、空き家への放火が5件も起きたんだって?、怖いねえ」
「そうなのよ、次は人の住んでる家が放火されるんじゃないかってみんな不安がってるのよ。この町の警備隊だけじゃなく、騎士隊まで出て次の放火がされないように見回りをしてるのよ。」
「なんで放火なんかするんだろう?」
「放火犯の本当の気持ちなんて私も知りようがないけど、きっと火がパーとアカアカともえるのに興奮するんじゃない。」
「僕なら火事を見たら恐怖を感じるんだけどな、」
「きっと放火犯は変態なのよ」
「放火犯が変態、異常者というのは私も賛成だね、」
「えっ」
そういったのはりりしい騎士服をきた美しい女性だった。
燃えるような赤い髪に緑の瞳、アドラスはお子様ながら美しくもりりしいその女性にぽかんと見とれてしまった。
その女性はアドラスの左横の席に腰を下ろした。
アドラスのむねがどきどきしだした。
「いらっしゃい、アンジェさんいつものやつでいいですか?」
ウエートレスの言葉にああ頼むと彼女は注文した。
「ところで放火の話をしてたようだが、君はこの町の子じゃないね、どこから来たんだい?」
<鋭い!!さすが女性でも騎士だ!!>
「僕ミュラー領より来ました、」
「君平民の子かい?目が紫・・・・」アンジェの手がアドラスのパーカーのフードにのび、くいっとあたまから脱がされた。
途端にあらわになるアドラスの見事な青銀の髪!!
<<<!!!!>>>
此れには店主であるコックも、ウエートレスも、抜がした本人も驚愕する。
この国で青銀の髪と濃い紫の瞳を持つものは王族だ。
特にアドラスは母方の王族の祖父の血が色濃く出て、ミュラー領では知らないものはない。年が大きくなるにつれ、父親譲りの銀の髪はどんどん青みを増して、王家の色の青銀の髪に変わった。
瞳もこれまた王家の血の濃さをあらわかわす、濃い紫にかわったのだ。
これは母方の首狩り伯爵家に流れる王家の血が色濃く表れた結果だった。
ちなみに首狩り伯爵の由来は、当時男爵だった母方のご先祖が、100年前戦場で、サンザー帝国の皇帝の首一刀のもとに切り落としたことによるもので、その時の功績で伯爵に昇爵されたのだ。
「あ、あなた様は、ご無礼大変失礼いたしました。平に平にご容赦を、」
<王族と誤解してない?これ先祖返りなんだけど>
アンジェはあたりを見回し護衛がいないことにきづいた。
「失礼、まさかおひとりですか?護衛のものはどうされたのですか?殿下?」
<面倒なことになった、これ正体明かす以外ないじゃないか!、よしこれからはカツラをかぶることにするぞ>
「誤解しないでください、僕はミュラー領領主の息子アドラス・ミュラーです、僕の母のミュラー夫人は首狩り伯爵の妹です。」
「首狩り伯爵の甥御様、あーだからその髪と目の色ですか、確か先代伯爵様は王家から婿入りなさったはず、だからその髪と目の色ですか?」
「そうです」
「で、供のものは?、護衛は?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「護衛はどこですか?まさかおひとりってことじゃない・で・す・ね??」
「えー一人です」
「家出ですか!?まさかそのお年で??」
「家出じゃありません、冒険です!」
「どっちも似たようなものにしか聞こえません」
コックもウエートレスもウンウンと力強くうなずいていた。
「失礼ですがあなたの身分を保証するものはお持ちですか?、念のためお聞きしますが、」
「冒険者ギルドタグを持ってます」
アドラスは首から服の下にかけていた冒険者ギルドタグ証を外してアンジェに見せた。
アンジェはそれを受け取り確かめた。
「確かに、まだ8歳なんですか?、それなのにこんなことを?これは御領主様にお知らせしなくては!」
「え!?知らせるんですか!?」
「当然です」
「父様と母様に怒られるぅ~~~~~」
と、何とも情けない声を出すアドラス
「今頃ご家族があなたを探して、どれだけ心配してるかわからないのですか?」
アンジェは厳しい目でアドラスを見据え、コックとウエートレスもうんうんとうなずいて見せた。
結局のところ、注文したパンケーキと、追加で注文したミルクは、食べさせてもらい料金を支払った。アンジェもリンゴジュースとパンケーキを食べ代金を支払うと、アドラスをつれて外に出た。
アンジェは外に止めてあった自分の白毛の美しい馬に、アドラスをヒョィとその背に乗せ、自分はその後ろにまたがり馬をかけさせた。
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