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38アドラスの考察

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今日は良い天気だった、天気は晴天、絶好の洗濯日和、メイドたちがおしゃべりしながらシーツを木と木の間に渡したロープに干していた、マナー違反かなと思いながらメイドたちを人体透視する。筋肉骨、そして内蔵、どこのも異常はなさそうだ。
今度は庭の手入れをしている庭師親子を透視する、庭師の父親は少し酒を飲みすぎてるらしい、肝臓が少し痛んでいるのがアドラスの脳内に見えた。
アドラスは相変わらず1週間に2回程度医療ギルドに通い診察と治療の見学をしていた、むろん治療はさせてもらえない。
あくまでも見学だ
それでも医療ギルドには体の悪い人しか来ないので、患者を人体透視してどこがどのように悪いのか内緒で検査することができた。
色々の患者が医療ギルドを頼ってきていた。意外と一番多いのが骨折とか腰痛持ち、つまり骨に異常があるもの
だ、普通腕や足の単純骨折なら全治1か月はかかるが、医療ギルドなら光魔法でその日のうちに治ってしまう、椎間板ヘルニアにしても光魔法でこれまた一日で全快してしまう。
むろん術者がそれだけ有能ということは切って捨てられない。光魔法のすごさをまざまざと見せつける光景だった。
アドラスはヒールの訓練に、屋敷の使用人たちにヒールをかけて練習していた。
おおむね使用人たちには、疲れが取れたとか好評である。
最初のうちは「まあなんんとなく疲れが良くなったような」といってた使用人たちも、次第に効果のほどをはっきり感じ取るようになっていったらしい。父の命でアドラスに余計な負担をかけないよう1日に3人ほどしか掛けないが、まだ8才なら仕方ないと使用人たちも納得していた。ていうか普通使用人相手にヒールを若様がかけたりしないのだが・・・・・・・
一方アドラスの修繕魔法だが、家令がせっせとノミ市からこわれた壺や皿買ってきて、
アドラスに修繕させて今日もニコリ顔だ。
修繕した皿や壺は,店に売りつけいくらのもうけになるんだろう、一度聞ぜひともきいてみたいとアドラスは思った。
「さてと」そこでアドラスは思考を変えた。
この世界は元日本が千年前までいたため、日本文化の品がある程度残っていた。
日本消滅後この世界は大混乱期が起こり暗黒時代と言われる時代が100年ほど起こり日本の技術がかなり失われたが,それでもソロバンとかチェスとかトランプとかはのこってひとびとは日常生活で楽しんでいる。
これはつまり異世界チートをやろうとしても、なかなかむつかしいということの証であった。
料理一つをとってもハンバーガーもあるしプリンもある。ご飯ではドリアもあるしおかゆまである、失われたのはこの世界の人間から見てあまりに高度すぎる技術、半導体しかりコンピュータ技術にロボット技術しかりだ、どうすればいいかなぁ・・・・・・・・。
今のままじゃあまりにも心もとないのだ、父上は伯爵の誕生パーティに飯屋の女を連れて行こうとした。これってかなり危険な兆候だと思う、一日でも早く手に職をつけていざとなったら母上を支えるべきだと思う。だからこそ 医療ギルドで勉強してるし、使用人相手にヒーリングの練習もしてるんだ。幸い漢方薬の本はうちの書庫室にあった。ちゃんと帝国語で翻訳出版された本だった。これを見たときご先祖様に雨あられと感謝のキスをささげたのだ。漢方薬の本はアドラスの大切な愛読書に変わった。精密な植物の本が書かれた本はそれだけでも見るのに十分な魅力があった。アドラスは実際にこの本にのった植物をさがしてまわり、新聞紙に挟んで押し花にして保存したり、つかってない小屋に天井からつるし乾燥させ切り刻んでラベルの張った瓶に詰めて自分の部屋の棚に置いた。そして家令に銘じて冒険者ギルドに自分とジミーに薬剤採取の依頼を頼んだ。こうして知ると話しにジミーも薬草の効能を身に着けたのだった。
そうそうジミーも教会学校に通うようになった。ジミーの母の給料が上がったのだ、これはひとえに働いてる店の売り上げが上がったに他ならない。
「よかったね、ジミー」というと彼は嬉しそうに「うん」とうなづいた。
アドラスに教わっていたせいで授業についていけないということは何もなかった、それどころか進んでいたのだ。このことにジミーは友人のアドラスに心から「ありがとう」と礼を述べたのだ



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