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21初めての友達 1
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アドラスは初めてのクエストをこなしたそのあとも、薬草採取のクエストをこなそうとしたが、たまたま冒険者ギルドで年は自分と同じくらいの少年と出会った。
6歳のジミーは平民に多い茶色の髪と茶色い瞳をしていた。
かれは前回アドラスがクエストしたクルマ草を選択した。
クルマ草はほぼ一年中生えてる野草で、子供の冒険者にとってはおなじみのクエストだった。
今回アドラスが選んだのは止血剤と用いられるアケビ草だった。
これもその気になれば森に入らなくても土手や空き地に生えていると少年は言った。
「そうなの?」
アドラスは思わずシッロとハリーを見上げてたずねた。
「ええ、まあ、でもそれじゃ冒険者の雰囲気は楽しめないし、ホーンラビットを3匹も仕留めれませんからね、それに薬草採取となると、より品質が良くて量を考えると町の郊外の平野や森に自生したもののがいいですね。」
「でも俺町の外に出るには歩いて40分以上かかるし、町の外には一人で出歩かないようにと母ちゃんが止めるんだ。
子供は人さらいに狙われやすいからって、この間なんか町の中でも行方不明の子が出たんだぞ」
「えっつ、うそほんと!?シッロとハリーはしってるの?」
「ああ、その件なら知ってます。領地軍の一隊が捜索に加わりましたからね、今から2か月前のことですね。」
「ゆくえはわかったの?」
「いいえ、今もってわからずじまいです。」
「怖いな、人身売買組織の仕業かな?」
「人身売買組織?」ジミーは首を傾げた
「奴隷商のこと」
アドラスの言葉にジミーはなるほどとうなづいた。
「でもこの国では奴隷売買は禁じられているんだよね、どこにでも抜け道はあって、国外に売買する気かな?」
「その可能性はありますね、隣国では奴隷売買は借金奴隷と犯罪奴隷は許されてますからね。かといって一度売買された非合法奴隷は、合法かそうでないか見分けがつきませんからね。」
「こわいな」
「うん、とっても怖いな、だから母ちゃんが気をつけろって口うるさく言うんだ!」
「君んち、お父さんは?」
「王都に出稼ぎに行ってる。母ちゃんは飯屋で給仕の仕事で働いているんだ。」
「ふーん、なんて店?」
「エルマって店」
「エルマ!?エルマの店、確か子持ちの女性がやってる店だね」
シッロとハリーは内心アッツとした。坊ちゃまいつの間にか子爵様の浮気相手の店を知っていたのかと・・・・・・・
「ね、君、僕たちと一緒にクエストしない?僕はシッロの馬に乗って郊外に行くんだ。君はハリーの馬に乗せてもらうといいよ、そのほうがいい薬草とれるよ」
アドラスは美しい顔でにっこりと天使の笑顔で言ったのだった。
外面天使、内面これぞ悪魔はいいすぎかな?
何も知らないジミーはアドラスの美しくかわいい笑顔にどきりとした。
アドラスの容姿は彼の周りにはいない美形ぶりだったのだ。
6歳のジミーは平民に多い茶色の髪と茶色い瞳をしていた。
かれは前回アドラスがクエストしたクルマ草を選択した。
クルマ草はほぼ一年中生えてる野草で、子供の冒険者にとってはおなじみのクエストだった。
今回アドラスが選んだのは止血剤と用いられるアケビ草だった。
これもその気になれば森に入らなくても土手や空き地に生えていると少年は言った。
「そうなの?」
アドラスは思わずシッロとハリーを見上げてたずねた。
「ええ、まあ、でもそれじゃ冒険者の雰囲気は楽しめないし、ホーンラビットを3匹も仕留めれませんからね、それに薬草採取となると、より品質が良くて量を考えると町の郊外の平野や森に自生したもののがいいですね。」
「でも俺町の外に出るには歩いて40分以上かかるし、町の外には一人で出歩かないようにと母ちゃんが止めるんだ。
子供は人さらいに狙われやすいからって、この間なんか町の中でも行方不明の子が出たんだぞ」
「えっつ、うそほんと!?シッロとハリーはしってるの?」
「ああ、その件なら知ってます。領地軍の一隊が捜索に加わりましたからね、今から2か月前のことですね。」
「ゆくえはわかったの?」
「いいえ、今もってわからずじまいです。」
「怖いな、人身売買組織の仕業かな?」
「人身売買組織?」ジミーは首を傾げた
「奴隷商のこと」
アドラスの言葉にジミーはなるほどとうなづいた。
「でもこの国では奴隷売買は禁じられているんだよね、どこにでも抜け道はあって、国外に売買する気かな?」
「その可能性はありますね、隣国では奴隷売買は借金奴隷と犯罪奴隷は許されてますからね。かといって一度売買された非合法奴隷は、合法かそうでないか見分けがつきませんからね。」
「こわいな」
「うん、とっても怖いな、だから母ちゃんが気をつけろって口うるさく言うんだ!」
「君んち、お父さんは?」
「王都に出稼ぎに行ってる。母ちゃんは飯屋で給仕の仕事で働いているんだ。」
「ふーん、なんて店?」
「エルマって店」
「エルマ!?エルマの店、確か子持ちの女性がやってる店だね」
シッロとハリーは内心アッツとした。坊ちゃまいつの間にか子爵様の浮気相手の店を知っていたのかと・・・・・・・
「ね、君、僕たちと一緒にクエストしない?僕はシッロの馬に乗って郊外に行くんだ。君はハリーの馬に乗せてもらうといいよ、そのほうがいい薬草とれるよ」
アドラスは美しい顔でにっこりと天使の笑顔で言ったのだった。
外面天使、内面これぞ悪魔はいいすぎかな?
何も知らないジミーはアドラスの美しくかわいい笑顔にどきりとした。
アドラスの容姿は彼の周りにはいない美形ぶりだったのだ。
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