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一章
二話「初勝利の味は気持ちの良い物ではなかった。」
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「ギギギギ!!」
物体が俺目掛けてがむしゃらに剣を振るう。
俺は其れをまた避けると、二撃目が振るわれるがそれも後ろへ飛び避けた。
剣の重たさが釣り合っていないのか、動作が遅い。
始めは焦って間一髪だったが、動きも単調で避けれない速さではない。
「ギギギギ。」
しばし互いに動きを止め、唾を飲み込む。
完全に向うは殺る気だ。
その瞬間、俺の足の下にあった枝がパキッと音を鳴らし、緊張の糸を切った。
「ギャギギギ!!」
物体はまた正面から突っ込んできて、真上から剣を振り下ろした。
やはり動作は遅い。
冷静に其れを避け、剣は地に当たる。
その隙に俺は物体に突進してマウンドを取った。
正直、ケンカなんて小学校低学年ぐらいでしかした事が無い。
だがそっちが殺す気ならこっちだって加減しない。
俺はそのまま物体の顔面を殴り付けた。
ガン!ガン!ガン!!
物体は必死の抵抗で剣を持ち上げ様とするが俺はその手を押さえつけ、剣をもぎ取ろうとすると、物体の拳が俺の顔面に炸裂する。
ガン!!
痛い!単発で意識を失う程ではないが、何回も食らえば確実に意識は朦朧としてくる痛さだ。
ガン!ガン!と顔や頭に拳が当てられるが、とりあえず剣だけは取り上げねばと、しがみ付き、ヤケ糞ぎみに物体の手に思いっきり噛み付いた。
こんな時に恥ずかしいとか汚いとか言ってられない!
その効果もあってか、物体の握力が緩み見事に武器を取り上げた。
取り上げる事に意識を取られ過ぎたのか、その隙に物体は俺の下から抜け出し、俺目掛けて飛び上がった。
俺は咄嗟に剣を突き立てると、そのまま生々しい音と何とも言えない感触をつ足り、物体の体を貫いた。
「ぎ、ギギギギ‥」
そして、物体は体全体を脱力させ動きを止めた。
はぁ‥はぁ‥と息が上がる。
そして目の前で剣が突き刺さったまま紫色の血を流す生き物に俺は嘔吐した。
〇〇〇〇
吐き切った所為なのかは分からないが時間が経つと徐々に落ち着きを取り戻し、今の状況を把握する。
顔は腫れ上がっているのかジンジンとしていて、体には引っ掻き傷が至る所に付いていて、生傷だらけだ。
我ながら情けない勝ち方だ。
それに生き物を殺したのは勿論始めてで、とても嬉しいと言える雰囲気では無かった。
だが殺るか殺られるか、選択肢は2つしか無かったのだ。
「悪く思わないでくれ。」
物体に手を合わせると、気色悪いが念の為、物体から剣を抜き取り回収した。
「また似たような奴と出くわすかもしれんからな。」
そして俺は歩きだした。
行く当て。と言うよりも何処に行けばいいか分からないのだが、取り敢えず川を下る事にした。
変に森の中に入って迷子になるより川を下る方が迷う心配が無いからだ。
「ま、元々迷ってんだけどな。」
それに加えて食べ物はまだ無限収納の中に何日かは持つぐらいに残っている。
無くなってしまえば、それこそ問題だが、今は節約しつつ前に進む事に専念するべきだろう。
「あの場所にいても仕方ないしな。」
====== ===== ====== =======
取り敢えず書き溜めた物を小出しにしていきます。
お付き合い頂けると幸いです。
物体が俺目掛けてがむしゃらに剣を振るう。
俺は其れをまた避けると、二撃目が振るわれるがそれも後ろへ飛び避けた。
剣の重たさが釣り合っていないのか、動作が遅い。
始めは焦って間一髪だったが、動きも単調で避けれない速さではない。
「ギギギギ。」
しばし互いに動きを止め、唾を飲み込む。
完全に向うは殺る気だ。
その瞬間、俺の足の下にあった枝がパキッと音を鳴らし、緊張の糸を切った。
「ギャギギギ!!」
物体はまた正面から突っ込んできて、真上から剣を振り下ろした。
やはり動作は遅い。
冷静に其れを避け、剣は地に当たる。
その隙に俺は物体に突進してマウンドを取った。
正直、ケンカなんて小学校低学年ぐらいでしかした事が無い。
だがそっちが殺す気ならこっちだって加減しない。
俺はそのまま物体の顔面を殴り付けた。
ガン!ガン!ガン!!
物体は必死の抵抗で剣を持ち上げ様とするが俺はその手を押さえつけ、剣をもぎ取ろうとすると、物体の拳が俺の顔面に炸裂する。
ガン!!
痛い!単発で意識を失う程ではないが、何回も食らえば確実に意識は朦朧としてくる痛さだ。
ガン!ガン!と顔や頭に拳が当てられるが、とりあえず剣だけは取り上げねばと、しがみ付き、ヤケ糞ぎみに物体の手に思いっきり噛み付いた。
こんな時に恥ずかしいとか汚いとか言ってられない!
その効果もあってか、物体の握力が緩み見事に武器を取り上げた。
取り上げる事に意識を取られ過ぎたのか、その隙に物体は俺の下から抜け出し、俺目掛けて飛び上がった。
俺は咄嗟に剣を突き立てると、そのまま生々しい音と何とも言えない感触をつ足り、物体の体を貫いた。
「ぎ、ギギギギ‥」
そして、物体は体全体を脱力させ動きを止めた。
はぁ‥はぁ‥と息が上がる。
そして目の前で剣が突き刺さったまま紫色の血を流す生き物に俺は嘔吐した。
〇〇〇〇
吐き切った所為なのかは分からないが時間が経つと徐々に落ち着きを取り戻し、今の状況を把握する。
顔は腫れ上がっているのかジンジンとしていて、体には引っ掻き傷が至る所に付いていて、生傷だらけだ。
我ながら情けない勝ち方だ。
それに生き物を殺したのは勿論始めてで、とても嬉しいと言える雰囲気では無かった。
だが殺るか殺られるか、選択肢は2つしか無かったのだ。
「悪く思わないでくれ。」
物体に手を合わせると、気色悪いが念の為、物体から剣を抜き取り回収した。
「また似たような奴と出くわすかもしれんからな。」
そして俺は歩きだした。
行く当て。と言うよりも何処に行けばいいか分からないのだが、取り敢えず川を下る事にした。
変に森の中に入って迷子になるより川を下る方が迷う心配が無いからだ。
「ま、元々迷ってんだけどな。」
それに加えて食べ物はまだ無限収納の中に何日かは持つぐらいに残っている。
無くなってしまえば、それこそ問題だが、今は節約しつつ前に進む事に専念するべきだろう。
「あの場所にいても仕方ないしな。」
====== ===== ====== =======
取り敢えず書き溜めた物を小出しにしていきます。
お付き合い頂けると幸いです。
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