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一章
3話「初戦闘」
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試合開始の合図と共に、先に動いたのはクライス兄さんだ。
流石はNo. 1なだけあり、先ほどの相手とは比べ物にならぬ速さで、あっという間に俺の間合いに入り込み、レイピアを躊躇なく突き入れる。
俺は咄嗟に抜き取ったダガーで、レイピアの起動をずらすと、クライス兄さんはそのまま追撃を止め、一旦バックステップで俺の間合いから退いた。
あっぶねぇ~!!後一歩遅かったら刺さってたよマジで!?
「へぇ、今の一撃を躱すなんて‥。正直躱されると思ってなかったよ。」
「正直、俺自身も躱せるとは思ってなかったよ。」
俺がそう返すとクライス兄さんは少し笑う。
「だろうね。その驚き様。」
クライス兄さんが気づくのも無理はない。俺は胸に手を当て、目を見開き肩を鳴らしていたからだ。
「それにしてもアルがこんなに戦えたなんてね。 さっきの一撃を受け止めれるとしたらこの学園だとカルマぐらいだったんだけどね。 これは本気でいかないとマズイかな。」
クライス兄さんはまた爽やかに笑顔を作ると、構えを解くかのように肩の力をダランと落とした。
なんだ?
俺は訝しげな表情を作る。
「いくよ。」
クライス兄さんはまた一気に俺との間合いを詰め、今度はレイピアと腕を鞭のようにしならせ下から振り上げる。
くっ、さっきより早い。
迫り上がるレイピアを俺は状態を逸らし躱すが、アゴの薄皮を掠め取られ血が吹き出す。
だが、痛いと思うよりも先にクライス兄さんはもう一方の手で続け様の攻撃を繰り出した。
「【水弾】」
クライス兄さんの手から水の玉が至近距離で放たれるが、それも俺は少し飛び上がり、身体を捻り躱す。
我ながら今凄い動きをしたのではないだろうかと感心しつつも、クライス兄さんの次の行動に目を向ける。
クライス兄さんは俺の着地と同時に足払いをかけれる様に俺の足元に蹴りを入れる瞬間だった。
なので俺は更に身体を捻り、グルン!と、その遠心力で蹴りを繰り出してみる。
クライス兄さんは、思わぬ俺の攻撃だったのか驚き、直ぐ様防御体制に入り、俺の一撃を受け止めるが吹き飛ばされる形となった。
ドカッ!!
だがやはり、先ほどの相手とは違い転ぶことなく地に足をつけ踏み止まった。
「凄いよ!アル!あの状態から攻撃するなんて有り得ない!だけど、僕だってまだまだだ!」
またもやクライス兄さんは俺に向かい来る。
「無慈悲な雨」
しなるレイピアをあらゆる方向へと動かし、俺へ襲いかかる。
俺はその無数の斬撃を間一髪の所で躱し続けるが、徐々に俺の薄皮が削れ始める。
このままじゃどうしようもない。
俺はそう思い、咄嗟に手を地につけ足を蹴り上げ遠心力で回した足をクライス兄さんの腹部に直撃させる。
「ぐぅ!」
その衝撃でまたクライス兄さんは後方へ飛んでいくが、空中でクライス兄さんは俺向けて手をかざす。
「【大、水弾】!!】」
すると人一人飲み込める程の大きな水の弾がクライス兄さんから勢いよく放たれる。
グオオオオオ!!
これは流石に躱しきれない為、俺はその水弾に無駄な抵抗だと理解しつつも、何もしないよりも、がむしゃらにダガーを振ってみた。
すると真空波が巻き起こり、バシァ!!と水弾はその衝撃で水飛沫となり辺りに散らばった。
俺はその事に驚き同様する。
その隙をクライス兄さんは逃さない。
「【雷撃】!!」
天から舞い落ちる雷撃が鳴る。
グォガァァ!!!
さっきの水で水浸しになった場所に雷撃を伝わらせ、俺の身体へと雷が流れ込んだ。
そしてそのまま俺は意識を失った。
流石はNo. 1なだけあり、先ほどの相手とは比べ物にならぬ速さで、あっという間に俺の間合いに入り込み、レイピアを躊躇なく突き入れる。
俺は咄嗟に抜き取ったダガーで、レイピアの起動をずらすと、クライス兄さんはそのまま追撃を止め、一旦バックステップで俺の間合いから退いた。
あっぶねぇ~!!後一歩遅かったら刺さってたよマジで!?
「へぇ、今の一撃を躱すなんて‥。正直躱されると思ってなかったよ。」
「正直、俺自身も躱せるとは思ってなかったよ。」
俺がそう返すとクライス兄さんは少し笑う。
「だろうね。その驚き様。」
クライス兄さんが気づくのも無理はない。俺は胸に手を当て、目を見開き肩を鳴らしていたからだ。
「それにしてもアルがこんなに戦えたなんてね。 さっきの一撃を受け止めれるとしたらこの学園だとカルマぐらいだったんだけどね。 これは本気でいかないとマズイかな。」
クライス兄さんはまた爽やかに笑顔を作ると、構えを解くかのように肩の力をダランと落とした。
なんだ?
俺は訝しげな表情を作る。
「いくよ。」
クライス兄さんはまた一気に俺との間合いを詰め、今度はレイピアと腕を鞭のようにしならせ下から振り上げる。
くっ、さっきより早い。
迫り上がるレイピアを俺は状態を逸らし躱すが、アゴの薄皮を掠め取られ血が吹き出す。
だが、痛いと思うよりも先にクライス兄さんはもう一方の手で続け様の攻撃を繰り出した。
「【水弾】」
クライス兄さんの手から水の玉が至近距離で放たれるが、それも俺は少し飛び上がり、身体を捻り躱す。
我ながら今凄い動きをしたのではないだろうかと感心しつつも、クライス兄さんの次の行動に目を向ける。
クライス兄さんは俺の着地と同時に足払いをかけれる様に俺の足元に蹴りを入れる瞬間だった。
なので俺は更に身体を捻り、グルン!と、その遠心力で蹴りを繰り出してみる。
クライス兄さんは、思わぬ俺の攻撃だったのか驚き、直ぐ様防御体制に入り、俺の一撃を受け止めるが吹き飛ばされる形となった。
ドカッ!!
だがやはり、先ほどの相手とは違い転ぶことなく地に足をつけ踏み止まった。
「凄いよ!アル!あの状態から攻撃するなんて有り得ない!だけど、僕だってまだまだだ!」
またもやクライス兄さんは俺に向かい来る。
「無慈悲な雨」
しなるレイピアをあらゆる方向へと動かし、俺へ襲いかかる。
俺はその無数の斬撃を間一髪の所で躱し続けるが、徐々に俺の薄皮が削れ始める。
このままじゃどうしようもない。
俺はそう思い、咄嗟に手を地につけ足を蹴り上げ遠心力で回した足をクライス兄さんの腹部に直撃させる。
「ぐぅ!」
その衝撃でまたクライス兄さんは後方へ飛んでいくが、空中でクライス兄さんは俺向けて手をかざす。
「【大、水弾】!!】」
すると人一人飲み込める程の大きな水の弾がクライス兄さんから勢いよく放たれる。
グオオオオオ!!
これは流石に躱しきれない為、俺はその水弾に無駄な抵抗だと理解しつつも、何もしないよりも、がむしゃらにダガーを振ってみた。
すると真空波が巻き起こり、バシァ!!と水弾はその衝撃で水飛沫となり辺りに散らばった。
俺はその事に驚き同様する。
その隙をクライス兄さんは逃さない。
「【雷撃】!!」
天から舞い落ちる雷撃が鳴る。
グォガァァ!!!
さっきの水で水浸しになった場所に雷撃を伝わらせ、俺の身体へと雷が流れ込んだ。
そしてそのまま俺は意識を失った。
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