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9.蠢く悪意
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【審判】が【塔】との激戦を制し、見事勝利した頃、各階層でも動きがあった。
***
巨大地下施設『インフェルノ』の5階層は、RPGに出てくる石造りのダンジョンのような構造をしていた。人や獣の石像が飾られていたり、神秘的な壁画が描かれていたりする様は、ダンジョンというよりは遺跡といった方が良いかもしれないが。
そんな中、何者かが、呑気に鼻歌を歌いながら石の壁にナイフで傷をつけて歩いていた。夜闇のように黒い髪に、金色の双眸を持つ青年で、この秘密の聖戦において【悪魔】の名を冠する殺人鬼だ。
「ん~っと、この傷には見覚えがあるなぁ。さっき僕がつけたんだ……。じゃあ、こっちの道が正解かな~?」
【悪魔】は壁につけた傷を目印に、この巨大迷路のような遺跡を攻略していった。このような方法では、他の殺人鬼に自分の通った道を知られる危険性もあったが、【悪魔】はまったく気にしていない。何なら、早く他の殺人鬼と出会いたいとすら思っていた。何せ、もう二度と味わうことがないと思っていたお楽しみに、ありつける。
惜しむらくは、そのお楽しみのターゲットがどうしたって凶悪な殺人鬼になってしまうことだが、捕まる前は「誰でも良かった」と無差別殺人を繰り返してきた【悪魔】にとって、相手も同じ殺人鬼であることは、さして問題ではなかった。
(僕、戦いなんて嫌いだから、弱いやつと出会えたら良いなぁ。ああ、早く……殺したい!)
思い出すのは、今まで行ってきた数々の犯行。泣き叫びながら命乞いする少女、目の前で娘を殺され慟哭する父親、苦しみの果てに「殺して」と懇願する少年……。また、あの時のような楽しみが味わえると思うと、じっとしていられなかった。
そうして歩き続けること数十分。結果を言うと、誰かと出会うことはなかったが、運良く上の階層へと続く階段を発見することができた。
(この階段を上がれば4階層かぁ……。結局、5階層じゃ誰とも出会わなかったし、上に上がってみるのもありかな?)
何より、せっかく見つけた階段を見過ごすのはもったいない気がする。特に深く考えることなく、階段を上っていった。
***
4階層と3階層は、2つの階が合わさって実質1つの巨大な空間となっており、そこに小さな街を再現していた。そこには小さなビルやマンションが建てられており、街を囲う壁にはリフトやキャットウォークが設けられている。天井付近には、網のように張り巡らされた配管が、登り棒や雲梯として機能している。
そして様々な箇所を鉄骨や梯子などで繋げることで、迷路のように複雑で、アスレチックのように動きやすい場と化していた。
そんな街並みを、1人の男が悠然と歩いていた。豚の頭部を加工して作った被り物を被り、右手には赤錆のついた肉切り包丁が握られている。だが、真に目を引くのは包丁などではなかった。彼自身の肉体であった。
筋骨隆々のその身体は、身長が2メートルを超えていた。ずしりとした足音から、体重も相当なものだとわかる。最早人間というよりかは、大型の肉食獣といった方が良いのかもしれなかった。司る大アルカナは【力】、その名に恥じない怪力の持ち主だ。
曲がり角に差し掛かると、【力】の獣じみた嗅覚が何者かの気配を捉えた。久しぶりの“獲物”に興奮し、唸り声を上げて走り出す。
「……うぁ?」
しかし、向かう途中で気づく。
獲物と定めた相手に見覚えがあった。自分の記憶が確かなら、あの白髪の子どもがこんな場所にいるとは思えなかったが、現に今、こうして目の前にいた。
確か名前は……。
「ゆ、ゆに……す? お前、何で、ここいる?」
「おっと……見つかってしまいましたか。ああ、勘違いしないでくださいね。ちょっとした諸事情でここに来る必要があっただけでして、僕も戦うわけではありませんよ。あと、聖戦中は【世界】と呼んでください」
「……んんん? お前、獲物、じゃない……?」
「ええ、僕を殺してもペナルティが発生するだけです」
「ぺなる……? 食い物か?」
「罰則って意味ですよ。あの、急いでいるので、もう行きますね。聖戦、頑張ってください」
「ん? ……おう」
【力】は、事態をよく理解できずにうんうんと首を捻っていたが、取り敢えず相手が獲物ではないのだと知ると、手を振って見送った。気を取り直して、また獲物を探しに歩き出した。
【力】と出会い、別れた【世界】は直ぐに適当な建物の陰に隠れる。そして、頬を掴むと勢いよく引っ張り、顔の皮を剥いだ。
否、それは皮ではなく、マスクだ。人工のフェイスマスクで【世界】に変装していただけであった。マスクを取り去った素顔はのっぺりとしていて、頭はスキンヘッド。髪も地毛でなくウィッグを使っていたのだ。一応、彼の頭に髪がないのはストレスでも加齢でもなく、より変装しやすいように剃っただけに過ぎない。声色は、特別な道具がなくても自在に変えることができた。そんな変装の達人である彼の大アルカナは【隠者】。殺人鬼というよりも、凄腕の暗殺者である。
「ちっ……あの筋肉ダルマ、俺の気配に感づくとは思っていた以上に勘が鋭いな。簡単に騙される馬鹿で助かったが、次も騙せるとは限らねぇ。油断していたつもりはないが、より慎重に行動しなくっちゃなぁ」
馬鹿力をもつ弊害なのか、本当に【力】が馬鹿で助かった。真正面から戦うタイプではない【隠者】にとって、先ほどの出会いは悪夢以外の何者でもなかった。
(しかし切り抜けてやった。殺人鬼なんて、所詮は欲望と本能のままに殺人を犯すクズ野郎だ。プロの暗殺者の敵じゃあねーな)
内心で毒づいて、【隠者】は忍者のように巧みに物陰を駆けていった。隠密行動は暗殺者の十八番だ。一度発見されたことで、僅かに残っていた気の緩みが完全に消滅したのか、気配は完全に消えている。最早、先ほどのように近くに【力】がいたとしても気づかれることはないだろう。
聖戦は、加速度的に激しくなっていく。
***
2階層と1階層は全体的に無機質で、研究所や工場を彷彿とさせる場所であった。4階層、3階層とは違い、2つの階はしっかりと分断されてはいるが、所々に階段や吹き抜けがあり、行き来が容易になっている。4階層、3階層と似通った部分もあり、単管足場や金網フェンスなどを設けて動きやすい場にしている。
そして、インフェルノ最上階である、1階層の無機質な空間に似合わない生き物が1匹、素早く静かに駆けていく。その生き物は、1.8メートルほどもある大きさに、灰色の毛並み、鋭い犬歯が口から覗いている。
狼だ。
狼は鼻をヒクヒクとさせて、敬愛する主人の匂いを嗅ぎ分け、主人の下へ急ぐ。爪が床を引っ掻きかしゃかしゃと小さな音が立った。
「──おかえり。無事で何よりだわ」
優しそうな女の声だった。狼は尻尾をぶんぶん振って、女に擦り寄った。女は白髪に金色の瞳の美女であり、シスターが着るような修道服に身を包んでいる。
女は狼に抱きついて、狼の頭を愛おしそうに撫でた。すると背後から「バウッ」と、構って欲しそうに鳴く声がした。
女の背後には、別の狼が5匹いた。うち1匹が撫でられていた狼に焼き餅を焼いたようだった。
「あらあら、甘えん坊さんね。大丈夫よ、私はみーんな大好きだから」
合計6匹の狼が、女に擦り寄り甘え出す。殺し合いの、デスゲームの場には不釣り合いなほのぼのとした光景だった。
しかしもちろん、ここに連れて来られた狼たちは癒し枠なんてものではない。そんなふざけた理由、あってたまるか。連れて来られたのにはそれ相応のわけがある。
6匹の狼の群れ……それが、女──【女教皇】の“武器”であった。【審判】の斧のように、人を殺めた凶器であった。
【女教皇】にとっては可愛らしい家族であっても、その正体は人を狩り殺すように調教された肉食獣。現に今も、人を狩るために動いていた。
“偵察”から戻ってきた狼が、じっと【女教皇】の目を見つめて、低い声で吠える。それだけで、狼の気持ちを【女教皇】は完璧に理解した。
「……そう、いたのね。誰かの匂いを嗅ぎ取ったのね。性別は女性で、若い人ね……。良いわ、まずはそいつを狩りましょう」
そう言って【女教皇】は立ち上がった。狼は主人を守るように寄り添った。
「迷える子羊を、食べちゃいましょう……ふふふ♪」
狼の双眸が、狩人の目つきになった。
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巨大地下施設『インフェルノ』の5階層は、RPGに出てくる石造りのダンジョンのような構造をしていた。人や獣の石像が飾られていたり、神秘的な壁画が描かれていたりする様は、ダンジョンというよりは遺跡といった方が良いかもしれないが。
そんな中、何者かが、呑気に鼻歌を歌いながら石の壁にナイフで傷をつけて歩いていた。夜闇のように黒い髪に、金色の双眸を持つ青年で、この秘密の聖戦において【悪魔】の名を冠する殺人鬼だ。
「ん~っと、この傷には見覚えがあるなぁ。さっき僕がつけたんだ……。じゃあ、こっちの道が正解かな~?」
【悪魔】は壁につけた傷を目印に、この巨大迷路のような遺跡を攻略していった。このような方法では、他の殺人鬼に自分の通った道を知られる危険性もあったが、【悪魔】はまったく気にしていない。何なら、早く他の殺人鬼と出会いたいとすら思っていた。何せ、もう二度と味わうことがないと思っていたお楽しみに、ありつける。
惜しむらくは、そのお楽しみのターゲットがどうしたって凶悪な殺人鬼になってしまうことだが、捕まる前は「誰でも良かった」と無差別殺人を繰り返してきた【悪魔】にとって、相手も同じ殺人鬼であることは、さして問題ではなかった。
(僕、戦いなんて嫌いだから、弱いやつと出会えたら良いなぁ。ああ、早く……殺したい!)
思い出すのは、今まで行ってきた数々の犯行。泣き叫びながら命乞いする少女、目の前で娘を殺され慟哭する父親、苦しみの果てに「殺して」と懇願する少年……。また、あの時のような楽しみが味わえると思うと、じっとしていられなかった。
そうして歩き続けること数十分。結果を言うと、誰かと出会うことはなかったが、運良く上の階層へと続く階段を発見することができた。
(この階段を上がれば4階層かぁ……。結局、5階層じゃ誰とも出会わなかったし、上に上がってみるのもありかな?)
何より、せっかく見つけた階段を見過ごすのはもったいない気がする。特に深く考えることなく、階段を上っていった。
***
4階層と3階層は、2つの階が合わさって実質1つの巨大な空間となっており、そこに小さな街を再現していた。そこには小さなビルやマンションが建てられており、街を囲う壁にはリフトやキャットウォークが設けられている。天井付近には、網のように張り巡らされた配管が、登り棒や雲梯として機能している。
そして様々な箇所を鉄骨や梯子などで繋げることで、迷路のように複雑で、アスレチックのように動きやすい場と化していた。
そんな街並みを、1人の男が悠然と歩いていた。豚の頭部を加工して作った被り物を被り、右手には赤錆のついた肉切り包丁が握られている。だが、真に目を引くのは包丁などではなかった。彼自身の肉体であった。
筋骨隆々のその身体は、身長が2メートルを超えていた。ずしりとした足音から、体重も相当なものだとわかる。最早人間というよりかは、大型の肉食獣といった方が良いのかもしれなかった。司る大アルカナは【力】、その名に恥じない怪力の持ち主だ。
曲がり角に差し掛かると、【力】の獣じみた嗅覚が何者かの気配を捉えた。久しぶりの“獲物”に興奮し、唸り声を上げて走り出す。
「……うぁ?」
しかし、向かう途中で気づく。
獲物と定めた相手に見覚えがあった。自分の記憶が確かなら、あの白髪の子どもがこんな場所にいるとは思えなかったが、現に今、こうして目の前にいた。
確か名前は……。
「ゆ、ゆに……す? お前、何で、ここいる?」
「おっと……見つかってしまいましたか。ああ、勘違いしないでくださいね。ちょっとした諸事情でここに来る必要があっただけでして、僕も戦うわけではありませんよ。あと、聖戦中は【世界】と呼んでください」
「……んんん? お前、獲物、じゃない……?」
「ええ、僕を殺してもペナルティが発生するだけです」
「ぺなる……? 食い物か?」
「罰則って意味ですよ。あの、急いでいるので、もう行きますね。聖戦、頑張ってください」
「ん? ……おう」
【力】は、事態をよく理解できずにうんうんと首を捻っていたが、取り敢えず相手が獲物ではないのだと知ると、手を振って見送った。気を取り直して、また獲物を探しに歩き出した。
【力】と出会い、別れた【世界】は直ぐに適当な建物の陰に隠れる。そして、頬を掴むと勢いよく引っ張り、顔の皮を剥いだ。
否、それは皮ではなく、マスクだ。人工のフェイスマスクで【世界】に変装していただけであった。マスクを取り去った素顔はのっぺりとしていて、頭はスキンヘッド。髪も地毛でなくウィッグを使っていたのだ。一応、彼の頭に髪がないのはストレスでも加齢でもなく、より変装しやすいように剃っただけに過ぎない。声色は、特別な道具がなくても自在に変えることができた。そんな変装の達人である彼の大アルカナは【隠者】。殺人鬼というよりも、凄腕の暗殺者である。
「ちっ……あの筋肉ダルマ、俺の気配に感づくとは思っていた以上に勘が鋭いな。簡単に騙される馬鹿で助かったが、次も騙せるとは限らねぇ。油断していたつもりはないが、より慎重に行動しなくっちゃなぁ」
馬鹿力をもつ弊害なのか、本当に【力】が馬鹿で助かった。真正面から戦うタイプではない【隠者】にとって、先ほどの出会いは悪夢以外の何者でもなかった。
(しかし切り抜けてやった。殺人鬼なんて、所詮は欲望と本能のままに殺人を犯すクズ野郎だ。プロの暗殺者の敵じゃあねーな)
内心で毒づいて、【隠者】は忍者のように巧みに物陰を駆けていった。隠密行動は暗殺者の十八番だ。一度発見されたことで、僅かに残っていた気の緩みが完全に消滅したのか、気配は完全に消えている。最早、先ほどのように近くに【力】がいたとしても気づかれることはないだろう。
聖戦は、加速度的に激しくなっていく。
***
2階層と1階層は全体的に無機質で、研究所や工場を彷彿とさせる場所であった。4階層、3階層とは違い、2つの階はしっかりと分断されてはいるが、所々に階段や吹き抜けがあり、行き来が容易になっている。4階層、3階層と似通った部分もあり、単管足場や金網フェンスなどを設けて動きやすい場にしている。
そして、インフェルノ最上階である、1階層の無機質な空間に似合わない生き物が1匹、素早く静かに駆けていく。その生き物は、1.8メートルほどもある大きさに、灰色の毛並み、鋭い犬歯が口から覗いている。
狼だ。
狼は鼻をヒクヒクとさせて、敬愛する主人の匂いを嗅ぎ分け、主人の下へ急ぐ。爪が床を引っ掻きかしゃかしゃと小さな音が立った。
「──おかえり。無事で何よりだわ」
優しそうな女の声だった。狼は尻尾をぶんぶん振って、女に擦り寄った。女は白髪に金色の瞳の美女であり、シスターが着るような修道服に身を包んでいる。
女は狼に抱きついて、狼の頭を愛おしそうに撫でた。すると背後から「バウッ」と、構って欲しそうに鳴く声がした。
女の背後には、別の狼が5匹いた。うち1匹が撫でられていた狼に焼き餅を焼いたようだった。
「あらあら、甘えん坊さんね。大丈夫よ、私はみーんな大好きだから」
合計6匹の狼が、女に擦り寄り甘え出す。殺し合いの、デスゲームの場には不釣り合いなほのぼのとした光景だった。
しかしもちろん、ここに連れて来られた狼たちは癒し枠なんてものではない。そんなふざけた理由、あってたまるか。連れて来られたのにはそれ相応のわけがある。
6匹の狼の群れ……それが、女──【女教皇】の“武器”であった。【審判】の斧のように、人を殺めた凶器であった。
【女教皇】にとっては可愛らしい家族であっても、その正体は人を狩り殺すように調教された肉食獣。現に今も、人を狩るために動いていた。
“偵察”から戻ってきた狼が、じっと【女教皇】の目を見つめて、低い声で吠える。それだけで、狼の気持ちを【女教皇】は完璧に理解した。
「……そう、いたのね。誰かの匂いを嗅ぎ取ったのね。性別は女性で、若い人ね……。良いわ、まずはそいつを狩りましょう」
そう言って【女教皇】は立ち上がった。狼は主人を守るように寄り添った。
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