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菫川ヒイロ

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コインランドリー

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「どうだ落ち着いたか? 」


「嗚呼、大分楽になった」


 声が出せないで倒れている俺に近づいて来た海パン野郎は動けずに居た俺を
 介抱してくれ、そのおかげでどうにか話せるまでに回復した俺には気になる事が
 あった。
 
 
 もちろんこの男が真面に道路工事をしているという事実にも驚いているし、
 相変わらず格好が海パンのままだという事も意味が分からないでいる。
 でも何よりも気になっているのはこの男が俺に飲ませた何かである。
 
 
 何かよく分からないモノを俺は飲んでしまった。
 
 
 取り敢えずあの瞬間はあの苦しみから解放されるのであれば何でもいいと思って
 いたのは確かで、だからこの男に差し出されたモノを飲み込んだのは自分の意思
 ではあったんだけど、こうして改めて考えると怖すぎる。
 
 
 そのおかげで楽になり、こうして声が出せるまでに回復したのは確かだが
 それでよかったと思える程俺も単純ではなかったのだ。


「その何だ、助けてもらったのには感謝している」


「なに、いいって事よ。いつもアンタには世話になってるからな。これくらいは
 当然なんだぜ? 」
 
 
 こっちは別に好きでやっている訳ではないのだが、まあ今はそれはいい。
 
 
「そうか……ただ、あの……俺が飲んだものは何だったんだろうか? 」


「薬だよ。あれ、もしかして合わなかったか? 」


 ちょっと待て、合わないとかがあるモノを飲ませたという事なのか?
 でも薬ならまあ大丈夫か。こうして痛みも無くなった訳だし……
 
 
「薬……クスリ? 」




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