12 / 42
コインランドリー
3
しおりを挟む「どうだ落ち着いたか? 」
「嗚呼、大分楽になった」
声が出せないで倒れている俺に近づいて来た海パン野郎は動けずに居た俺を
介抱してくれ、そのおかげでどうにか話せるまでに回復した俺には気になる事が
あった。
もちろんこの男が真面に道路工事をしているという事実にも驚いているし、
相変わらず格好が海パンのままだという事も意味が分からないでいる。
でも何よりも気になっているのはこの男が俺に飲ませた何かである。
何かよく分からないモノを俺は飲んでしまった。
取り敢えずあの瞬間はあの苦しみから解放されるのであれば何でもいいと思って
いたのは確かで、だからこの男に差し出されたモノを飲み込んだのは自分の意思
ではあったんだけど、こうして改めて考えると怖すぎる。
そのおかげで楽になり、こうして声が出せるまでに回復したのは確かだが
それでよかったと思える程俺も単純ではなかったのだ。
「その何だ、助けてもらったのには感謝している」
「なに、いいって事よ。いつもアンタには世話になってるからな。これくらいは
当然なんだぜ? 」
こっちは別に好きでやっている訳ではないのだが、まあ今はそれはいい。
「そうか……ただ、あの……俺が飲んだものは何だったんだろうか? 」
「薬だよ。あれ、もしかして合わなかったか? 」
ちょっと待て、合わないとかがあるモノを飲ませたという事なのか?
でも薬ならまあ大丈夫か。こうして痛みも無くなった訳だし……
「薬……クスリ? 」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
殿下は私を追放して男爵家の庶子をお妃にするそうです……正気で言ってます?
重田いの
ファンタジー
ベアトリーチェは男爵庶子と結婚したいトンマーゾ殿下に婚約破棄されるが、当然、そんな暴挙を貴族社会が許すわけないのだった。
気軽に読める短編です。
流産描写があるので気をつけてください。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる