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しおりを挟む最低の恋だった。
私史上最低の恋オブザイヤーだった。
二度と恋なんてしないと決めた。
あんな糞野郎だとは思わなかった。
「意外と早く気付けて良かったじゃないか? ちんたらやっていたら他の女みたい
に泥沼から抜け出せなくなっていたんじゃないかオブザイヤー? 」
そもそも自分が何番目の女だったのかさえ別れた今となってしまっては分からな
いのだが、おの女には六番目と言われたっけ? 私で六番目ならあの女は何番目
だったのだろうか? 何番目の女に私は嫌味を言われたのだろうか? 私よりも
上位だった? 下位だった? そこが寧ろ気になる。
「そもそも順位なんて付いている時点で負けなのんだよ、特別に成れていない証拠
なんだから。そんなものを競ったって仕方がない」
うるさいなと思うが、一々そうかもしれないと思ってしまうのはコイツの言った
通りだったからで、今更そんな事を認める事も私には出来ない。だって化け猫で
エロ猫のコイツよりも私が劣っているなんて信じたくないのだ。
だからもう恋はしないって決めた。
コイツの言う通りになってしまうのなら、恋をしなければいいのだ。
そうすれば何もかもが上手くいくのだ。
「うん、分かるよ。現実逃避も時には必要だよね。それでいいんじゃないかな? 」
何よそれ。アンタにしては甘口ね。
もっと言う事あるんじゃないの?
どうせ後で言うんだから今言えばいいじゃない!
「まあ、君がすぐに恋をする事ぐらいは分かっているからね。それの邪魔をする
つもりは無いんだ。あまり何かを言って君の機嫌を損なう事になっても困るから
ね。君はそのままでいいんだよ? 」
何目線で誰が言っている?
ふざけるな、私はもう恋なんてしないって決めている。
これは決定事項だから覆る事なんてない。
分かったか、ばーかばーか。
「うん、いいと思う」
何も良くなんて無かった。
こんな時に私に優しくするなんて最低な奴だと思った。
ほら、見た事かって、忠告しただろって言えばいいのに、誰が誰に気を使って
いるのだろうか? こんなんじゃ私は泣くしかないじゃないか!
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